更年期障害は防げる?40代前半から始める治療法を医師に聞く

更年期障害は防げる?40代前半から始める治療法を医師に聞く

※写真はイメージです

【知っているようで知らない「更年期」 Vol.4】

 更年期に関するさまざまな疑問を取り上げる本特集。いけした女性クリニック銀座の池下育子院長によれば、遅くとも40代前半から低用量ピルの服用を始めて、様子を見ながらホルモン補充療法(HRT)に切り替えると「更年期障害知らず」ですごせる可能性が高まるというのです(詳しくは前回記事を参照)。

 でも、低用量ピルもHRTも“薬”なのでメリットとデメリットがあるはずです。2つの薬について池下先生に聞きました(以下、コメントは全て池下育子先生)。

※以下のメリットとデメリットは一例です。全てを紹介しているわけではないことをご了承下さい。

◆低用量ピルのメリット

「低用量ピルを服用すると、体は妊娠時と似たような状態になります。排卵を抑えて排卵による卵巣へのダメージを減らせるため、卵巣がんやチョコレートのう胞など卵巣に関する病気や子宮体がんにかかるリスクを低下し、ホルモンバランスを安定させます。

子宮内膜があまり厚くならないうちに生理が起こるので子宮内膜症にかかりづらく、内膜症の治療にもなります。出血量が減り、子宮収縮も抑えられるため生理痛やPMSから解放されますし、生理が規則正しく28日周期になるので、生理不順への治療効果があります。また、生理日を変更することも可能です。

また、脳のホルモン値も安定し、更年期障害が出づらくなります」

◆低用量ピルのデメリット

「血栓症にかかるリスクが高まるという重大な副作用があります。血栓症とは、血管内にできた血のかたまり(血栓:けっせん)が血管に突然つまる病気のこと。飛行機などに長時間座っていた後、足の静脈にできた血栓が血管を移動して肺の動脈をふさいでしまう肺塞栓症(はいそくせんしょう)は、ロングフライト症候群(エコノミークラス症候群)として知られています。

 予防には充分な水分と適度な運動が必要です。加齢とともにかかる確率も高まるため、定期的に検査を受けながら服用しましょう。デスクワークで残業が続く、熱中症などで体調が悪いなど、体を動かさない日が続いていたら主治医と相談することをお勧めします。

 低用量ピルだけが血栓症にかかるリスクを高めているというわけではありませんが、リスクは把握したうえで服用することが重要です。

 乳房が張る、むくむ、気持ち悪いといった症状は飲み始めた最初の1週間だけです」

◆ホルモン補充療法(HRT)のメリット

「女性ホルモン(エストロゲン)の急激な低下に伴い発症する自律神経失調症状には効果が期待できます。ホットフラッシュや冷えやのぼせ、発汗、動悸、息切れなどは改善が見込まれるでしょう。骨粗鬆症の予防、コレステロール値の上昇を予防する効果もあると言われています。

皮膚や粘膜の萎縮や乾燥による皮膚のかゆみを軽減するといった、アンチエイジング効果も期待できます」

◆ホルモン補充療法(HRT)のデメリット

「女性ホルモン治療により悪化するような病気、具体的には乳がん、子宮体がん、血栓症を患っている方、そして肝臓の悪い方は、原則的にはホルモン補充療法が行えません。がんに関して言えば、例えば乳がんの芽がある人がHRTを続けるとがん細胞がアクティブになってくることがあります(グレーの方も慎重に)。

 HRTを受けると卵巣がんと子宮体がんにかかるリスクが高まるという欧米のデータがありますが、日本ではデータを算出している段階なのでリスクが高まるとは一概には断言できないのが現状です。当院では定期的にエコーで卵巣と子宮内膜の状態を見ています。

 低用量ピルを服用している人もHRTを受けている人も、定期的に検診を受ける習慣が身についているので、更年期障害対策をしていない人よりは、がんの早期発見にもつながりやすいと個人的には考えています」

※次回は、「プラセンタ注射と更年期障害」についてお伝えします。

【池下育子(いけした・いくこ)】

1953年青森県生まれ。帝京大学医学部卒業。同大学麻酔学教室助手、国立小児病院麻酔科、東京都立築地産院産婦人科勤務を経て、92年に池下レディースクリニック銀座を開業。働く若い女性や更年期世代の女性の、仕事や人間関係の悩み、心身のトラブル全般に対応。2012年病院名を改称。

<文/内埜さくら>

【内埜さくら】

恋愛ライター。これまでのインタビュー人数は3500人以上。無料の恋愛相談は年間200人以上の男女が利用、リピーターも多い(現在休止中。準備中のため近日中にブログにて開始を告知予定)。コメンテーターとして『ZIP!』(日本テレビ)、『スッキリ!!』(日本テレビ)、『バラいろダンディ』『5時に夢中!』(MX-TV)などのテレビやラジオ、雑誌に多数出演。

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