セックスレスに悩む女性は「バレない浮気」で救われたか

セックスレスに悩む女性は「バレない浮気」で救われたか

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【幸せのための恋愛実験 Vol.2】

互いを「彼氏」「彼女」という代名詞で縛らず、でも大切にしながら愛し合いたい。そんな気持ちから「お付き合い」を廃止した26歳OL・藤しおんが、男女の新しい愛のかたちを探ります。

◆愛する人とずっと一緒にいることは難しい

 人から恋愛話を聞くたびに、世の中は浮気している人や不倫している人ばかりだという事実を再確認し、少しだけ切なくなる。もしかしたら、男女が愛し合いながらずっと一緒に居続けるということは、非常に困難なことなのかもしれない。

 でも、難しいことだからこそ、どうしたら上手く大切な人と生きていけるのかを探っていきたいと思うのだ。

◆たとえば、「セックスレス」でも一緒にいられるのか

 そう考えるうちに、ふと半年前まで付き合っていた元彼に無性に会いたくなり、「話したいことがある」と連絡をした。

「付き合っている間、浮気をしていました。裏切ってごめんなさい」

 半年前まで付き合っていた彼に、裏切っていた過去を打ち明けた。

 私と付き合っていた過去を、キレイな思い出として彼の頭の中に残しておきたいという微かな気持ちはあったが、それよりも、どうしたら私たちはずっと一緒にいれたのかについて彼と真剣に話をしてみたかったのだ。そうじゃないと、自分が前に進める気がしなかった。

 彼はしばらく黙り込んだ後、「俺がダメだったから、仕方ないと思う」という言葉が力なくこぼれた。

 付き合って3年。同棲して2年。当時結婚まで考えていて、共通の友人からは「いつ結婚するの?」とからかわれていた私たち。しかし、結婚を考えるうえで重大な問題を抱えていた。それは、セックスレス。

 行為がなくなって3カ月ほど経ったころ、何回か彼を誘ってみた。「明日はする」「来週はする」「来月はする」……彼のダラダラと先延ばしにする納期は決して守られることはなく、気づけば半年以上経過していた。その頃にはもう、彼はソファーで、私はベッドで寝るような生活が続いていて、それが当たり前のようになっていた。

◆彼から放たれた衝撃の言葉

 1年ほど経ったところで、一緒にお風呂に浸かりながら、意を決し「なんでしたくないの?」と問いかけてみた。怖いけど、理由を聞かなければ何も前へ進める気がしなかったからだ。

 ドキドキしながら待つと、「そんなにしたいなら、ひとりですればいいじゃん」という言葉を、彼は私に吐き捨てた。「セックスしたい」と伝えたら、「ひとりですればいいじゃん」!? ああ、そっか。彼は、もう私に欲情してくれないんだ。したいと思ってくれないんだ。私は彼のことが大好きなのに……。

 罵倒や悲しみ、いろんな言葉が頭の中を占めたが、なにも言い返せず、言葉の代わりにボロボロと涙が溢れてきた。私が泣いている姿を見て、彼は「冗談だよ! 冗談!!」と必死になってフォローをした。

 わかっている。冗談で言ったのはわかる。でもその時から、一切彼とセックスをしたいと思わなくなった。こんなに求めても真剣に向き合ってくれないなら、もう求めない。求めたくない。傷つきたくない。好きな人に嫌だと思われながら、セックスなんてしたくない。

 ならもう、他で満たす。そう思い、セックスフレンドを1人作った。女がセックスフレンドを作ることは安易なもの。したいと言えば大体すぐ作れるだろう。

 でも、それで満たされることはなかった。本当は彼とセックスがしたいのに、それができないから他でするなんて。愛のないセックスなんて、性器の擦りあいでしかない事実に再度気付かされただけだった。

 結局、セックスパートナーを作ったものの、嘘をつきながら彼と一緒にいることができなかったので、暫くしてから彼とはお別れしてしまった。

◆「バレないように浮気してくれれば、一緒にいれたのに」

 あれから半年。今だからこそ、改めてなんでしたくなかったのかを彼にちゃんと聞ける気がした。当時は一切答えてくれなかった私の「なんでしてくれなかったの?」という問いに対し、彼はポツリポツリと理由を話し始めた。

 同棲を始めてから、どうしても性欲がわかなくなってしまったこと。同棲したことを後悔したこと。浮気はしてないけど、風俗には2回ほど行ったこと。セックスなしで良いのであれば、ずっと一緒にいれたということ。

「バレないように浮気してくれれば、一緒にいれたのに」

 色々話した後、彼から呟かれたこの言葉がズシッと胸に刺さった。

 私は、彼としたくて、それでもできない悲しみから他にいったけど、結局満たされることなんてなかった。当時「他でセックスしてもいい?」って聞いたら、「嫌」って言っていたのに。内緒で他の男性とセックスしていたら、彼は何も気づかず幸せに私とずっと一緒にいられたのだろうか。

 事実、周りにもそのように言う人はよくいる。「バレないようにしていれば、相手が浮気をしてもいい」と。一緒に長年過ごしていたら、異性として、恋人として見られなくなるのは仕方ないことなのかもしれない。だとしたら、他でセックスパートナーを作るということは、カップルや夫婦の仲を保つための一つの正解なのかもしれない。

 大切な人と一緒に過ごすために、大切な人を裏切る。でも、そんなんだったら、私は1人のパートナーに固定しない方が楽だ。大事な人に嘘をつくなんて、そんなの悲しい。何が正解なのかわからないものだけど、もう少し模索していこうと思う。

【藤しおん プロフィール】

18歳の誕生日当日にお水商売デビュー。以降、ガールズバーから高級クラブまで夜のお店を転々としていたが、大学卒業とともにお水商売から足を洗う。現在はOLとして働きながら、人の恋路や人生について相談に乗ったり、観察したりしている26歳♀。twitter:@fujishion

<文/藤しおん>

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