「10kgやせて、過呼吸にも…」妻を追い詰めた夫のモラハラ地獄とは

「10kgやせて、過呼吸にも…」妻を追い詰めた夫のモラハラ地獄とは

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最近は離婚理由の大きな要因のひとつになっているモラハラ。DV同様、交際中は相手の男性も本性を隠しているケースも多いため、ダマされてしまうことも少なくないようです。

◆一緒に暮らしてはじめて知った彼の本性

「別れた夫はもともと我の強いところがあったのですが、私も彼のことが好きだったから冷静な判断ができなかったんでしょうね。自分をグイグイ引っ張ってくれる頼りがいのある人物だとカン違いをしてしまったんです」

 そう悔いるように話すのは、3年前に夫のモラハラが原因で離婚した丹野美優さん(仮名・34歳)。おたがい結婚まで実家住まいだったこともあって旅行以外にお泊り経験もなく、普段の暮らしぶりが見えないまま新婚生活がスタート。

 共働きでしたが元夫は家事を一切手伝おうとせず、食事や洗濯、掃除はもちろん、朝のゴミ捨てすらも彼女任せ。その割には「洗濯物のたたみ方が(実家と)違う!」、「フローリングは掃除機だけじゃなくて雑巾がけもしろ!」と文句を言ってきたそうです。

◆「結婚したんだから俺のやり方に従え!」

「最初は冗談だと思ったけど、それが本気だとわかった瞬間、さすがに後悔しました(苦笑)。けど、このときはまだ結婚自体を否定していたわけではなく、もう少し時間をかけてから一緒になればよかったという程度のものでした。

 彼ともちゃんと話し合えば理解してもらえると信じていたんです。あくまでこの時点では、ですけどね」

 しかし、元夫は話し合いに応じようとはせず、「結婚したのだから俺のやり方に従え!」と言うばかり。もともと美憂さんも強く主張できる性格ではなかったこともあり、言いなりにならざるを得ませんでした。

 すると、そこから元夫のモラハラはさらにエスカレート。食事は毎回のように味付けに文句を言い、それでいて夕食は必ず一汁三菜を用意するように命令。それも買ってきた惣菜や冷凍食品は嫌がるので、毎日仕事が終わった後は夕食の準備のために急ぎ足で帰らなければなりませんでした。

◆不眠症に動悸、過呼吸と体調も悪くなって

「あまりに文句を言うから私の味覚がおかしいのかと心配になり、料理教室に通ったこともありますが、講師の先生は『美味しいわよ』って食べてくれました。自分なりに努力はしていましたが、それでも彼からは毎回ボロカスに言われるし、たまに残業で夕食の時間が遅くなると『お前なんか大したことをしてないくせに』って仕事のことまでバカにしてきました」

 しかも、元夫に連れられて月に一度、義実家を訪ねたときは、彼に加えて義母からも文句と嫌味を延々と浴びせられていました。座ってひと息つく時間もないほどで、扱いは召使い以下。

 精神的に追い詰められていき、やがて体調にも異変が出てきたといいます。

「夜もあまり眠れず、夫に強く言われると動悸が激しくなり、軽い過呼吸を起こすこともありました。ご飯もちゃんと取らなきゃとは思ったのですが食事があまりノドを通らず、気がつくと結婚前に50キロ前半台だった体重が40キロちょっとまで減っていました」

 体型の変化を周りから指摘されることもあったそうですが、そのたびに「ダイエットしてるの」とごまかしていた美優さん。ですが、メイクでごまかしていても顔色は悪く、目の下にはクマもあれば肌のハリもなく、体調が悪そうなのはバレバレでした。

「久々に会った親友にものすごく心配され、病院に行くようにしつこく勧められたので診てもらったところ、なんと自律神経失調症だと言われたんです。

 ただ、それを聞いてなぜか少しホッとしてしまいました。なぜならこれを口実に彼と離婚できるかもしれないと思ったからです」

◆最悪の結婚生活だったが別れられてよかった

 それでも元夫と直接対峙(たいじ)すると言いくるめられそうな気がしたため、結婚以来あまり顔を出していなかった実家に戻って両親と姉に相談。あとは弁護士に入ってもらったこともあり、「全然もめることもなくスムーズに別れることができました」と振り返ります。

「100万円だけですが慰謝料も払ってくれました。直接謝ってもくれましたが、うちの両親や姉も立ち合いのもとだったので本心からの謝罪かはわかりません。今となってはどうでもいいことですけどね」

 現在はすっかり体調も元通り。結婚は意識していませんが、お付き合いしている年上の男性がいるそうで、充実した毎日を過ごしているようです。

「あの人と夫婦だったのは1年10か月ほどの期間ですが、あのまま別れなかったら、うつ病になってもっと大変なことになっていたかも。ひどい結婚生活だったのは事実ですが、そう前向きに考えるようにしています」

 直接手は出さなくてもモラハラ発言だって立派なDV。言葉の刃で相手を傷つけ、尊厳を踏みにじるような行為は絶対にやめてほしいものです。

―私のドン底記―

<文/トシタカマサ イラスト/カツオ>

【トシタカマサ】

一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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