超お坊ちゃん夫が不倫。お詫びにブランド物の数々…妻は許せるの?

超お坊ちゃん夫が不倫。お詫びにブランド物の数々…妻は許せるの?

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<不倫発覚、その後。 Vol.8>

 不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんがレポートする、不倫発覚後の“夫婦の行方”。(以下、亀山さんの寄稿)

◆親同士の縁で、お坊ちゃん夫と結婚

 夫の不倫が発覚すると、「お詫びのプレゼントをもらって許す」と言う女性の声をたまに耳にする。現実問題として、そんな夫婦がいるのかと思っている人もいるだろうが、実際に存在するのだ。

 都内山の手に住むナオミさん(43歳)だ。特に派手な格好をしているわけではないが、きれいにカラーリングされたつややかな髪、繊細に施されたネイルなどを見れば、自身にどれだけお金がかかっているかがわかる。

 中学生の長女、小学生の長男ともに名門と言われる私立に通わせている。彼女自身は女子大を出て、父親が経営する会社で仕事を手伝っていた。

「父の会社はそれほど大きな会社ではなかったから、私は全然お嬢さん育ちではないんですよ。ただ、夫側はけっこうな資産家です。親同士がどういうわけか知り合いになって、お見合いみたいなことになったんです。私が彼と会ったときには、もうすでに断れない感じでした」

 ナオミさんが思うには、おそらく父は会社の運営資金を夫側から出してもらったことがあるのではないかということだ。もちろん、父に確認する気にはなれないのだが。

「夫こそお坊ちゃんですよ。性格はおっとり、大きな声で怒ることもない、人がよくて困った人を見ると放っておけない。働かなくていいように育ったのか、もともとこういう人なのかわからないけれど。環境が人を作ったのかもしれませんね」

 恋愛感情が強いわけではなかったが、生活に苦労しないですむのは魅力だった。

◆生活費は夫の実家から。「おままごとみたいな新婚生活」

 2歳年上の夫と結婚したのは26歳のとき。新婚生活はそれなりに楽しかったという。

「今思えば、おままごとみたいな生活でした。私は専業主婦、夫は気乗りがしないと会社を休んじゃう。ふたりで1週間もドライブ旅行したこともありましたね」

 住んでいるマンションは夫の父が経営する会社のもちもの。生活費は毎月、夫の実家からじゅうぶんに振り込まれる。夫は一応、夫の父が経営する会社の社員だ。

「彼は競争社会には向いてないけど、イベント企画などが大好きみたい。だから会社のイベントなどを一手に引き受けて奔走しています。細かい事務手続きや収支などを考えるのは苦手みたいですが(笑)」

 どうやら夫は、給料以外に母親から小遣いをもらっているらしい。

「お金とヒマがあって人がいい。そりゃモテますよ」

◆初めての浮気が発覚。夫の取った対応は……

 最初に浮気がわかったのは、ナオミさんが第一子を妊娠しているときだった。つわりがひどいのを見ていられなくて、夫は逃げたのだ。

「女性から『私、そちらのだんなさんとつきあってるんだけど』という電話が来たんですよ。『だからなに? 私には関係ないので夫と話し合ってください』と返しましたけど。ショックというよりは、まあ、こんなこともあるだろうなあとどこかで悟っている自分がいました。

 夫にこんな電話がきたと言ったら、夫は泣いて謝ってた。お詫びの印にと翌日、ブランドバッグを買ってきたんですよね。そこから、夫の浮気がバレるたびに、アクセサリーやバッグが増えていきました。適当に売りさばいて、私の母にお小遣いをあげたりしています」

 すでに浮気発覚が行事のようになっているらしい。彼女にとって大事なのは子どもたちの心身の健康だ。

「夫は発覚すると泣いて謝るのに、また繰り返す。でもふだんは子どもたちの前で、『パパはママがいちばん好きなんだ』なんて言っちゃうし、子どもたちのことは大好きだし。調子がよくて軽い人なんですよ。浮気が彼のストレス解消なのかどうか知りませんが、家庭にダメージを与えないなら放っておくか、という感じですね」

◆浮気がわかって、むしろ盛り上がる夫婦生活

 興味深いのは、浮気発覚後であっても、ナオミさんが“夫婦生活”を拒絶していないことだ。一般的には浮気した夫とはもう関係を持てないという女性が多いのだが。

「もはや高等プレイだと親友に言われるんですが、浮気発覚後はわざと嫉妬しているように振る舞うんです。そうすると夫はこの上なくベッドで尽くしてくれる。私も『私なんかよりあの女が好きなんでしょ』と嫉妬にまみれているフリをすると興奮するんですよね。ヘンタイ夫婦って言われちゃいそうですが」

 それでも、正直なところ、ナオミさんだって夫の浮気がわかれば決していい気持ちではないという。だが、それが「夫」なのだから、それを受け入れるかどうかは自分の問題かもしれないと思った時期があるそうだ。

「しょっちゅう浮気しているんだから、それにいちいち反応していたら身がもたない。そういうヤツだと割り切るしかないんですよ。いい生活をさせてもらっているから、舅姑には感謝しています。私、舅姑とはとても仲がいいの。あちらも、こんな息子でごめんねって言ってくれる。親たちと妻がこぞって彼のめんどうを見ているのかもしれませんね。本人だけが天真爛漫で」

 この先、どうなるかはわからないが、子どもたちも今のところはまっすぐ育っている。夫のことはさておき、義父母と子どもたちが元気で楽しそうなら、私はそれがいちばん。ナオミさんはそう言ってにこやかに笑った。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数

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