スマホ代金は、お得になるの?“値下げ法案”が通ったら起きること

スマホ代金は、お得になるの?“値下げ法案”が通ったら起きること

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 ITジャーナリストの久原健司です。

 政府は3月5日、携帯電話料金の引き下げに向けた電気通信事業法の改正案を閣議決定しました。早ければ2019年夏にも可決されると見られています。

 同法案は、「シンプルで分かりやすい携帯電話料金プランの実現」と「販売代理店の業務の適正性の確保」の2つが主な内容です。回線契約とセットにした端末値引きを禁止し、端末代金(本体代)と月々の通信料を切り離した「分離プラン」の提供を義務化することが目的となっています。

 諸外国と比べると比較的高額だと言われる日本の携帯料金ですが、実際にこの法案が成立した場合、私たちユーザーにはどのような点が得になるのでしょうか?

◆スマホ値下げ法案、どうオトクになる?

 まず、スマホ本体の代金と月々の通信料を完全に分けることで、複雑だった料金プランがわかりやすくなるでしょう。そして、2年縛り、4年縛りなど契約上の制限がなくなるため、他社への乗り換えがしやすくなると考えられます。

 しかし注意したいのは、法改正によって、すぐに通信料金の値下げにつながるわけではないということ。あくまで「契約期間の縛りがなくなることで携帯会社の変更がしやすくなり、競争激化によって料金値下げにつながると期待できる」というわけです。そのため、実際の値下げまでには時差がある可能性があります。

 そこで、ユーザーにとってお得な使い方は、中古スマホを買うことではないでしょうか? 端末代と通信料が分かれることで、端末代は上がると予想されます。端末自体の価格が安い中古スマホを購入し、安い通信料金のプランを選択すれば、出費を抑えることができます。

 ただし、緊急提言や法改正では、端末の割引自体は禁止していないため、通信サービスの利用継続を条件にしなければ、端末代を割り引くこと自体は問題ありません。ですから、販売店が独自の施策として、端末代の高額割引を行う可能性もあります。その場合は、中古スマホよりもお得に新機種を購入できるかもしれません。

◆各キャリアからオトクな新プランが登場予定か

 また、NTTドコモでは現在、対象機種を購入すると、次に機種変更するまでは毎月1500円が割り引かれる「docomo with」というプランを提供しています。これは「端末の購入を条件とする通信料金の割引」に該当するため、改正法案に抵触することになるので、4月以降に同社が発表する予定の新料金プランでは、何らかの改定が予想されます。

 このように、同法案の可決によって、各社が新しいサービスを打ち出してくるでしょう。たとえば、ドコモは今春以降、分離プランを軸とする料金体系に刷新し通信料を2〜4割引き下げる計画ですし、KDDIは、QRコード/バーコード決済サービス「au PAY」を開始すると予告しています。

 携帯会社の乗り換えや機種変更などは、各社の新サービスが発表されてからが良いと思います。

◆セット価格がいろいろ登場するかも

 高いといわれる通信料金が引き下がる流れの中、各社収益を保つためにも、支払金額的には引き下げ前と変わりないものの、ほかのサービスが追加され、セット価格として合計金額が安く見えるようなプランが今後もいろいろ出てくるでしょう。

 例えば、水道、ガス、電気だけではなく、生活する上で必要なサービスや商品と密接につながることも推測できます。PayPay(ペイペイ)の当選確率が、ヤフープレミアム会員やソフトバンクモバイル、ワイモバイル利用者の場合アップするといったように、携帯以外の他のサービス利用時に使用しているキャリアによって優遇されるといった流れも出てくることでしょう。

 ユーザーにとってこの優遇を上手に使えばお得なのはいうまでもありませんが、ここで気を付けたいのが、優遇を受けたいがために不必要なサービスや商品を購入しないこと。通信料金が下がったとしても、余計な支出が結果的に家計を圧迫する可能性もありますので、全体のバランスを見て、サービスや商品の選択を判断できればと思います。

<文/久原健司>

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