春財布の縁起をかついで買い替えたら起きた悲劇とは?

春財布の縁起をかついで買い替えたら起きた悲劇とは?

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 男女とわず、“愛犬家=良い人”というイメージを持っているのではないでしょうか?

 愛犬家の彼氏と破局した女性に、きっかけになった意外なエピソードをきいてみました。

◆春財布の縁起をかついでグッチの財布を奮発してゲット

 山本加奈さん(仮名・スポーツバー店員・26歳)は、小さい頃から祖母に「お財布を新調するなら春にしなさいね」と言われて育ってきました。

「春にお財布を新調する事を『春財布(張る財布)』と言って、財布がふくらむ様子から金運上昇につながり縁起が良いらしいんですよ。なので、よく祖母から入学式にお財布をプレゼントしてもらっていましたね」

 なので春財布を言い訳に、以前から欲しかったグッチの長財布を購入した加奈さん。

「私にしてはかなり思い切った買い物で…お金を払う瞬間、手が震えましたね(笑)」

 さっそく新調したお財布に中身を入れ替えて、付き合い始めたばかりの彼(会社員・28歳)の部屋に遊びに行く事に。

◆愛犬家の彼の部屋に遊びに行くと…

「私も彼も都内で働いているので、今まで都内に住む私の部屋で過ごす事が多く…浦和に住む彼の部屋にはその時初めて行ったんですよ」

 彼の部屋に着くと、可愛らしい柴犬と共に歓迎される加奈さん。彼は大の犬好きで、愛犬のために家賃お安めの浦和で広い部屋に住んでいるそう。

「愛犬とたわむれる彼はとても幸せそうで、ホント優しい人なんだなって改めてキュンとしましたね」

 新調したお財布を彼に見せたら「スゴく可愛い、加奈にピッタリだね」と言われご機嫌の加奈さん。

「そして、彼が近所にお気に入りの焼肉屋さんがあって、どうしてもそこのタン塩を私に食べさせたいから行こうと誘われて、出かける事になったんですよ」

 美味しい焼肉をお腹いっぱい食べてイチャイチャしながら帰ってくると…柴犬が嬉しそうに何かにじゃれついていています。

◆財布をオモチャにする犬を叱ったら頭に痛みが

 よく見ると…それは加奈さんがテーブルの上に置きっぱなしにしていた新調したてのお財布でした。

「も〜買ったばかりのお財布が、犬に噛まれてズタボロのヨダレまみれになっていて…思わず『コラッ!』と犬の頭を叩いてお財布を取り返そうと引っ張ったら…」

 加奈さんの頭にも鈍痛(どんつう)が…なんと彼に思いっきり後ろから叩かれ「うちの子に何するんだ!」と怒鳴られたそう。

「こいつ、犬のしつけもろくにできない、甘やかすのが愛情だと勘違いしているバカだったんだ…とドン引きしましたね。おまけにお財布はズタボロで暴力まで振るわれて…私なにか悪い事した? って感じでした」

 やっとの事で、柴犬からお財布を取り戻すと…柴犬に抱きつき加奈さんをニラむ彼。

◆捨てるに捨てられないボロボロのグッチ財布

「彼に『この子(柴犬)に手を上げるなんて、信じられない! よくそんな事できるな』って言われて『はぁ? 私の事叩いておいて、なに言ってんだよ!』ってつかみ合いの喧嘩になりましたね」

 彼とケンカの末、別れる事になり家を飛び出す加奈さん。

 浦和から自宅に帰る途中、電車がなくなってしまい仕方なくタクシーに乗り…犬の歯型だらけのお財布からお金を出す時にむなしい気持ちでいっぱいになり涙が出てきたそう。

「せっかくの春財布だったのに…もうこんなんじゃ使えないし、見るとムカムカした気持ちを思い出すのでクローゼットの奥にしまいました。捨てようかなと思いましたがスゴく高かったので出来なかったですね」

 結局、元から使っていたお財布に戻した加奈さん。

「金運上昇するはずだったのに、グッチのお財布で大枚叩いてしまったので…節約しなくちゃと毎日、もやし料理とふりかけご飯ばかり食べているんですよ…」

「おかげで、もやし料理アレンジのレパートリーがかなり増えましたね」とため息まじりに笑う加奈さんなのでした。

―シリーズ「春のトホホ」体験談―

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。

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