40代のピュアすぎるW不倫。彼の妻の監視で「せめて通勤駅で会おうって」

40代のピュアすぎるW不倫。彼の妻の監視で「せめて通勤駅で会おうって」

写真はイメージです(以下、同じ)

「『不倫がいけない』のは誰でもわかっている。それでも好きになって、会いたくてたまらない。だから恋なのだ。しかし、それが配偶者に露見すれば生活は一変する。」と不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さん。

 家庭と恋の間で揺れ動く男女の心情を亀山さんがレポートします(以下、亀山さんの寄稿)。

◆罪悪感とは違う苦しさがあった

「会いたいけどなかなか会えない苦しさ。一方で家庭を裏切っているという意味でもつらかった。罪悪感というのとは少し違うんですよね。恋愛をいけないことだとは思っていなかった。でも子どもたちに知られたらと恐怖感はありました」

 仕事関係で知り合った3歳年下の男性と40歳のとき恋に落ち、互いの思いが高じて一度だけ肌を合わせたと、マヤさん(42歳)は話す。あとはもっぱらメッセージのやりとりと、ごくまれにランチをするくらい。それでも帰宅したときの13歳と10歳の子の「ママ、お帰り」という声が心に刺さった。

「夫の悪口は言いたくないけど、夫とは心が通い合っていないと思います。家族の形を変えたくない、壊したくないから一緒にいるけれど……」

 そんな中で知り合った人だから、彼女はひたすら心のつながりを求めた。相手もまたマヤさんとの少しの時間を大事にしてくれた。

◆不倫がバレ、奥さんの監視が始まった

「だけどスマホから、彼の奥さんにバレてしまった。彼はスマホに監視アプリを入れられ、毎日スケジュールを詳細に知らせなければいけなくなったんです」

 彼がうまくごまかしたため、妻はマヤさんを特定することはできなかったようだ。だが、それ以来、彼は不自由な生活を強いられているらしい。

「会社の人と飲みに行くときは全員の写真を撮って送らなければいけない。どうやら遠隔操作できるアプリを入れられたので、彼が連絡をしないと妻のほうが彼のスマホを操作して写真を勝手に撮ったりするようです。彼が仕事用バッグの中にずっとスマホを入れっぱなしにしていたら、帰宅したとき奥さんが家出をしていたとか。警察に捜索願いまで出して大変なことになったみたい」

 そんな状態だから、バレてから1ヶ月はまったく連絡がとれなかった。その後、彼が公衆電話からかけてきて、ようやくお互いに元気なことがわかったという。

 以来、一緒にランチをすることさえ心苦しくなった。誰かに見張られているような気がしてならないのだ。

◆それでも会いたい

「とにかくお互いの家庭に支障がないようにしようと最初から話していたので、もうこれは無理だ、と。しばらく離れるしかないと結論を出しました」

 半年ほどつきあったところで突然、連絡を取り合うことができなくなった。マヤさんは常に気持ちが不安定になり、心の中でひたすら彼を求めたという。

「出社するとき、お互いに少し遠回りすると乗り換え駅が同じになることに気づいたんです。彼が公衆電話から電話をくれたとき、そのことを話してみました。そうしたら、翌日からラッシュに揉まれながらでもいいから、その駅ですれ違おうということになって」

 地下鉄の乗り換え通路での逢瀬が始まった。人の流れに逆らえず、顔は見ているのにまったく言葉を交わせないこともある。

◆家庭に支障はきたさない、それでも繋がっていたい

「それからは会えたら手紙を渡すようにしています。彼も手紙をくれます。今どき手紙のやりとりで気持ちを伝え合っているなんて古くさいけど、それしか方法がない。あとはたまに、早朝会議と偽ってふたりとも早く家を出て乗り換え駅近くのカフェで少しだけ会って話すんです。

 最後にそっと手を握り合って別れる。せつないけど、今はこうするしかありません。彼はそのうち奥さんに内緒でもう一台スマホを手に入れるからと言っていますが、もう一度バレたら、完全に会えなくなるような気がして、それも怖い」

 いつかまたベッドを共にしたい思いはある。だが、それ以上に彼女が望んでいるのは、彼の顔を見られること、そして手紙でもメモでもいいから彼の日々の一端を知ること。

「それ以上は望まないようにしなければと思っています」

 半年あまりで突然断ち切られた恋心。監視が厳しくなった状態でも、なんとか会いたいと思う情熱。どちらも夫婦としてうまくいっているわけではないのに、それでも家庭を守らなければならないのは責任感からだろうか。

「大人の都合で子どもに不憫な思いはさせたくない。彼とはいつかゆっくり会えたらそれでいい」

 マヤさんは自分に言い聞かせるようにそう言った。彼女は覚悟に満ちた凜とした表情を見せたが、聞いているこちらはひどくせつない思いにかられてならなかった。

<文/亀山早苗>

【亀山早苗】

フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数

関連記事(外部サイト)