風俗で働いて弟4人を大学進学させた女性。壮絶な貧困を生き抜く

風俗で働いて弟4人を大学進学させた女性。壮絶な貧困を生き抜く

※画像はイメージです

 夜の仕事で働く女性たちにはさまざまな事情があります。深刻な生活苦から夜の仕事につく女性も少なくありません。

 風俗で20年以上働き続けているC香さんは、現在41歳。明るい笑顔の愛らしい女性で、今も多くの指名客を持つ人気の熟女風俗嬢です。

 けれども、彼女がこの道を選んだのは、深い理由があってのことでした。

「私は5人兄弟の長女なんです。13歳の時に父親の違う弟が生まれて、そこからだいたい2年おきに1人ずつ弟が増えていった計算ですね(笑)」

 4人の弟のうち上2人、下2人では父親が違ったとか。

◆3人目の弟が生まれた頃、貧困が一気に加速

 しかしながら、C香さんの母親はいわゆる毒親。

「私が高校に入る前くらいまでは、上2人の弟たちの父親がいたので経済的にも安定してたんですよ。でも、その人が居なくなってからは貧困が一気に加速しました。

 3人目の弟が生まれたあたりで『これはヤバいな』と。学校に行ってる場合じゃねえぞって思いました」

 下の弟2人の父親は、はなからC香さんの母と一緒になる気はなく、子どもたちを認知すらしていなかったそうです。

 しょっちゅう家を空けてフラフラと男の元に行ってしまう母親に代わり、C香さんは弟たちを育て始めました。

 「ひとり親世帯」の相対的貧困率((全国民の所得の中央値の半分を下回っている割合)は54.6%と、先進国でズバ抜けて高い日本。まして、C香さんの家のように、母親が働かない、弟が4人となれば、その困窮ぶりは想像を絶するものだったでしょう。

◆高校を中退し、昼はスーパー、夜はスナックで働いたが…

「17歳で高校は辞めました。昼はスーパーのレジを打って、夜は年齢をごまかしてスナック勤め。アパートの大家さんがたまたまいい人で、私がいない間は弟たちの面倒を見ていてくれたので助かりました」

 しかし、弟たちが成長していくごとに、C香さんには不安がつのっていきました。それは学費の問題。このままでは、彼らを高校に行かせることすらできないのでは……そう考えたC香さんは、一念発起して風俗の世界へと足を踏み入れたのです。

「右も左もわからない世界で無我夢中でしたけど、スナック勤めでつちかった愛嬌で何とか乗り切れたかなと思います(笑)。それからは自分の給料はほとんど全て生活費と学費のための貯金に回しました。

 母ですか? 私が20歳になった時から姿を見てません。出ていったきりです」

 まるでC香さんが成人するのを待ち構えていたかのように、彼女の誕生日の翌日に「旅行に行く」と言ったまま連絡がないのだとか。

 けれど、C香さんにはもはや怒りは沸いてこなかったと言います。母がその気なら、自分も本気で弟たちの母替わりになろうと決意した、と。

◆風俗で働き弟4人を大学進学させた

「もう無我夢中で、休みなく働いてました。若いうちは月に100万円くらいは稼げてたと思います。結局、弟4人は全員大学に進学できたんですよ。来年には一番下の弟が卒業になるので、ようやくこれで肩の荷が下ります」

 ちなみにC香さんの職業については弟たちは全員承知だとか。姉が自分たちを育ててくれたことを誇りに思っており、誕生日には必ず全員でお祝いをしてくれているそうです。

「そろそろ私も自分の人生を始めないといけないなぁと思ってます。弟の大学卒業のタイミングで高校卒業の資格を取るつもりです。自分に何ができるかはまだわからないのですが、目標を見つけることが今の目標ですかね」

 弟たちの世話がひと段落した今、C香さんはまだ41歳。これからの未来に希望を抱いて、今日も彼女は働いています。

―シリーズ 貧困の沼、転落の淵―

<文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。

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