能町みね子&サムソン高橋が語る「きのう何食べた?」「おっさんずラブ」等ゲイドラマ

能町みね子&サムソン高橋が語る「きのう何食べた?」「おっさんずラブ」等ゲイドラマ

左から、サムソン高橋さんと能町みね子さん

 契約結婚を前提に夫婦(仮)として一緒に生活している、コラムニストでありイラストレーターの能町みね子さんと、ゲイライターのサムソン高橋さん。

 社会に対して鋭い観察眼を持つおふたりに、ここ最近世間を騒がせている様々なニュースや出来事についての見解を自由にトークしてもらう、当対談。好評だった前編に続いて、後編をお届けします。

◆留学生大量失踪の東京福祉大・元総長がヤバイ

 2016年度から、累計で1400人の留学生が所在不明になっていたことが判明した、東京福祉大学。元総長の中島恒雄氏が、金儲けのために大量の留学生を受け入れていたと指摘されています。

 同大元教授の田島清一氏らが開いた会見では、大学の会議の音声データが公開され、「120億の金が入るわけだよ、専門学校で」「そしたら、ガバチョガバチョじゃん」という中島恒雄氏の声が録音されていました。

サムソン:外国人留学生はこの学校に入学するという名目で日本に来て、どっかに行っちゃうわけですね。

能町:その辺の手続き上で、うまいこと元総長が稼げる仕組みになってたんじゃないですか。というか、この総長の中島恒雄、めちゃくちゃヤバイ奴なんですよね。大学の部下にエグいセクハラをして、強制わいせつ容疑で逮捕されていて、実刑。執行猶予がついてないんですよ。

サムソン:このご時世、実刑ってすごいね。

――2008年に総長室内で、女性教師に強引にディープキスをして、胸を触ったことをきっかけに逮捕。女性教職員ら5人に対する強制わいせつ罪で懲役2年の実刑判決を受けていますね。これをきっかけに、理事長を辞任したみたいですが……。

能町:表向きには辞任しても、刑務所の中にいても院政を敷いてたんですよ。それで留学生を受け入れる準備をして……。

――逮捕後は、文部科学省から学校経営に関与しないよう指導を受けていたそうですが、元総長による恐怖政治は続いていたようです。

サムソン:まるでイタリアマフィアじゃない! それで120億の金が入るんでしょ。

◆自分の名前入りの校歌を歌わせる元総長「顔はチャーミング」!?

能町:しかも、この人、自分の名前を校歌に入れてるんですよね。

<3番の歌詞>

新しき風 緑を渡る

燈くそびえる 学び舎に

中島恒雄 理念満ちて

真の教育 我ら築かん

東京福祉大学

能町:「中島恒雄 理念満ちて」って……。

サムソン:すごい! でもこの人、顔はチャーミングな気がする。

能町:うん、顔はアキラ(=サムソン高橋さん)の好みよ。

サムソン:(中島恒雄の写真を見て)いいね〜! むちむちのエロオヤジ! 金とエロにまみれた俗な感じ。ディープキス、私にしてくれたら訴えないわよ。

能町:あと、経歴を自慢したがるタイプで、自分のことを朱印船貿易家の茶屋四郎次郎清延第17代目直系の子孫って自称してたみたい。

サムソン:朱印船貿易? もう朱印がマスターベーションの手淫にしか聞こえないわよ。恒雄、エロのバイタリティすごいよね。

能町:っていうか今回も、深みのあることを全く話してないけどいいのかな……。

◆ゲイが主人公のドラマ続出の現在。93年「同窓会」がすごかった

 2018年4月期に放送されて、社会現象にまでなった大ヒットドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)を筆頭に、現在放送中「きのう何食べた?」(テレビ東京)、「俺のスカート、どこ行った?」(日本テレビ)など、最近ゲイが主人公のドラマが話題です。

能町:私、ドラマをまったく観ないんですよ。

サムソン:私は、最後に真剣に観たドラマが「愛なんていらねえよ夏」(TBS系列)だから、17年くらい前かしら。

能町:なんでそれ観たの(笑)。

サムソン:広末涼子がいいのよ。ドラマが始まったの最初の方、広末がすごくブサイクで。でもドラマ放送中に元の広末に戻ったのよ。

能町:広末がブサイクだった時代なんてあったの?

サムソン:奇行を起こしてたときで、顔もむくんでて。まあ最後は綺麗に戻ったんだけど……。それで、ゲイドラマといったら、この間ゲイバーで話題になったのが、「同窓会」(日本テレビ)。

 西村和彦とか山口メンバー(山口達也)とかが出てるゲイドラマで、レイプされた男に対して「早く洗ったほうがいいよ、早くザーメン出したほうがいいよ」みたいなセリフがあるレベルだって言うのよ!

――93年のドラマで、プライムタイムの連続ドラマでは、初めて同性愛を本格的に扱った作品だそうです。

サムソン:スタッフにヤバい奴がいたんじゃないかな。93年だと、ちょうどトレンディドラマブームが崩壊して、ヤバイドラマを作れば面白いって時期だったから、日本テレビがイキったんだと思う。

能町:冬彦さん(「ずっとあなたが好きだった」)とかの時期だ。

◆「おっさんずラブ」サムソン高橋的・理想キャストは?

――最近のゲイドラマは、“ゲイ”のキャラクターが萌える対象にもなりつつあります。

サムソン:確かに「おっさんずラブ」はゲイの間でも評判いいのよ。狂ったようにハマってたゲイとかいたんだけど、私は何回か観てそんなにノレないなって思ったの。

 だけど、「おっさんずラブ」のストーリーって、主人公(田中圭)がノンケで、ゲイに落ちるって話じゃない。脇に美青年のゲイがいて(林遣都)、自分をゲイと認識していない既婚者がいて(吉田鋼太郎)、これってボーイズラブでもよくある設定だし、ゲイ雑誌の小説でも定番のゲイのドリームなわけ。

 田中圭と林遣都と吉田鋼太郎のどれかが好みのゲイだったら、それはジュンジュン股間が濡れちゃうわよ。ただ、私は3人ともいけなかったんだけど。

能町:アキラは自分の理想のキャスティングがあるって言ってたよね。

サムソン:そう、田中圭がカンニング竹山で、林遣都が勝矢で……。

――勝矢……?

能町:LDHに所属しているけどめっちゃ太ってる俳優の人(笑)。元イケメンだけど今120キロくらいになっちゃってて。この間たまたまテレビを観ていたら勝矢が出てきて、「この人江川達也に似てるよね」って言ったらアキラの機嫌を損ねたこともあったよね。

サムソン:それは激怒ですよ!

――そして、吉田鋼太郎の役は誰がいいでしょうか?

サムソン:今って、いかにもおじさんの俳優がいないから、そこは平泉成でいいかなって。私的には平泉成って45点くらいなんだけど、45点くらいの人でも、あの役をやってくれたら65点くらいになるのよ! でも、東京福祉大学の恒夫でもいいわ。

能町:恒夫はバリバリのノンケだろうからね。

サムソン:カンニング竹山、勝矢、中島恒夫の3人のおっさんずラブだったら毎週クギ付けになっちゃってジュンジュンしちゃう。

能町:竹山さんが目覚めるってことね。

サムソン:そう、竹山は女好きなんだけどモテないという役で、勝矢はパッと見は“イカにもゲイ”で男とガンガン遊んでるけど、ある日竹山に惚れちゃうんです。それでなんとか振り向かせる。

 一方恒夫も、ノンケで奥さんと結婚してたけど竹山に惚れちゃう。竹山は、女好きなのに男2人に好かれちゃってどうしよう! ってなってるうちに、勝矢に転んじゃうんです。と思ったら、恒夫と同居しちゃったり……。

 こういうのを考えてるとすっごく楽しくって。こりゃあ世の中のゲイとかBL好きの人たちは萌えるわ〜。

◆「きのう何食べた?」内野聖陽はナチュラルで上手い

――「きのう何食べた?」は観ていますか?

サムソン:普通に面白く観てます。原作漫画も読んでるし。

――ケンジ役の内野聖陽の演技の上手さに比べて、シロさん役の西島秀俊の演技が残念だという意見が出ていますね。

サムソン:西島さんが、西島さんそのまんまなんです。渡辺直美と一緒にアフラックのCMにも出てるんだけど、渡辺直美と比べても演技力が棒で。西島さんの演技力、これでいいんだろうかって思って5ちゃんねるとかスレッドとか見ちゃった。

能町:5ちゃんねる大好きだよね(笑)。

サムソン:5ちゃんねるでも、西島秀俊は棒って意見がほとんどなんだけど、「きのう何食べた?」の西島秀俊って「科捜研の女」(テレビ朝日)でいう沢口靖子みたいなものだから、あれでいいんだって自分の中では落ち着いた(笑)。

 内野さんがオネエをナチュラルに演じてて異様に上手いから、これで西島さんまで上手かったら情報量が多すぎて受け止めきれないと思う。片方が棒くらいでちょうどいいのよ。

――内容も原作に忠実で、非常に評判がいいですよね。

サムソン:ただ、なんで心穏やかに観てられるのかなって考えたら、主役の2人が好みのタイプじゃないからなんだよね。もし、勝矢と竹山2人が、一緒に住んで、喧嘩とかをしながらも仲良くご飯を作る日常を演じてたら……。

能町:嫉妬しちゃうね(笑)。

サムソン:ドラマを観ながらリモコンを液晶に投げつけてると思うわ。40インチのTVがおしゃかになっちゃう!

<文/満知缶子 写真/山田耕司>

【満知缶子】

ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。

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