写真うつりが良すぎて悩む32歳女性。「実物を見て“詐欺じゃん”って」

写真うつりが良すぎて悩む32歳女性。「実物を見て“詐欺じゃん”って」

写真写り良すぎる女性が悩み

写真うつりが良すぎて悩む32歳女性。「実物を見て“詐欺じゃん”って」

写真うつりが良すぎて悩む32歳女性。「実物を見て“詐欺じゃん”って」の画像

写真うつりが悪いのがイヤ……!」と悩む人は多いはず。面接や免許証用の証明写真や、結婚式や卒業式の集合写真、SNSにアップされた友人たちとの写真などで、仕上がりを見て「こんなの私じゃない!」とショックを受けた経験は、全くない人の方が少ないかもしれません。

 筆者もいつも写真を撮られると白目になってしまったり、意識するあまりブレてしまったり……写真うつりは永遠の課題というか、悩みの種でもあります。

 しかし、世の中には反対に“写真うつりの良さ”に悩むレア(?)な人も存在するのです。

◆いつも「写真うつり“は”いいよね!」と言われてツラい

 友人の間や職場でも、写真を撮ると必ずお決まりのように「ホントあなたは写真うつりがいいわね〜」と言われる仲田幹絵さん(仮名、32歳・接客業)。ですが、その表情はなぜかさえません。

「大半の人にはうらやましがられるのですが、普通に会うとそのギャップにガッカリされることがとにかく多いんです。あからさまに『全然違うじゃん!』とツッコんでくる人もいれば、ため息をつかれたり顔がこわばったり。『え……?』と言葉が続かずにその場が凍るような瞬間も幾度となく経験してきました」

 写真にうつっている仲田さんは、どことなく女優の“浜辺美波”感が漂う正統派美人。もちろん美人に見せるアプリや加工は一切使わず、ナチュラルに“映(ば)える”のだとか。

「でも実際はエラが張っていたり、唇がダウンタウンの浜田さんのようにかなりぷっくりしてます。あごもちょっとしゃくれているのを自分でも気にしていて……。それを知っている友達からは、『あなたって本当に写真うつり“は”いいのにね』『アプリで盛ってないのに詐欺写メが撮れるってすごい』とか、結構ひどいことを言われるんですよ。『“は”』という一文字の接続詞の攻撃力ってものすごいと思います」

 友人たちからの無意識のマウンティングに、毎回傷つけられているそう。それは職場でも変わりません。

「50代後半の、一昔前の昭和のオッサンを地でいくような上司からは、『きみはお見合い写真だけならモテモテなんだけどな!(笑)』『相手をガッカリさせちゃうなあ』とお決まりのギャグ扱いを定期的にされるんです。なんかもう、顔で笑って心で泣いています」

◆うつりの良さの影には、コンプレックスの塊が

 うつりがいいと褒めること自体には悪気はないかもしれませんが、実物を見て文句を言ったりからかったりするなんて言語道断です。ただ、彼女はどうして誰もがうらやむ“写真うつりがいい人”になったのでしょうか。

「実はうつりのよさなんて気にしたことは一度もなくて、『いかに自分のコンプレックスをごまかせるか』ということに必死になっていただけなんです。撮られるときにできるだけ頬に手を置いたり顔を乗せるフリをして張っているエラや顎を隠したり、正面からだとゴツゴツした輪郭やのっぺりとした地味な顔が目立つので、なるべく目線をそらして角度をつけてみたり……」

 写真うつりが悪い人の悩みとして“表情の固さ”や“不自然な笑顔”に悩む人も多いですが、仲田さんはどの写真でもナチュラルな笑顔です。一体なぜ?

「元がコンプレックスだらけなので、真顔だったり表情が固いと余計に悪目立ちするんです。だから自分で色々その対策は考えていて。試した中で一番効果的だったのは、唇を思いっきり前に突き出して、一気に脱力します。その瞬間に少しだけ口角を上げることを意識してみてください。結構自然な笑顔になるんですよ」

 コンプレックスと向き合い続けた仲田さんだからこそ生まれた、“映え”のテクニックは他にも。

◆あごは、引くより「斜め前に突き出す」とスッキリ顔に

「今はそこまでうつりを気にしませんが、就職活動やサークルの記念撮影など学生のころはコンプレックスをなんとか隠そうと必死でしたね〜……。大切な写真は余計に気合が入って、あえてマッサージやサウナのあとに撮るようにしていました。血の巡りがよくなると顔もスッキリして、目が一回り大きくなるんですよ」

 そのテクニックは尽きません。

「カメラの少し上を見て目の中に光を取り入れるようにするのもおすすめです。目に光がうつり込むと、キラキラ輝いて生き生きして見えるんです。少女マンガでも目の中に星や光が散りばめられていますよね。

 あとは、『写真を撮るときはあごを引く』というのが定番ですが、実は引きすぎて二重あごになってしまったり、やりすぎると睨みつけたり目つきが悪い人みたいに写ってしまうんです。大事なのは、引くのではなく『あごをちょっと斜め前に突き出す』ような感覚。こうするとあご周りの肉が引っ張られて、スッキリうつりますよ」

 うつりのよさには姿勢の良さも影響しますが、仲田さんは剣道四段の実力者。自然と綺麗な立ち姿が身についていました。

◆今はいじられても、思いきりはね返せるようになった

 すぐに使えるテクニックを教えてもらえるのは嬉しいですが、その一つ一つが写真と見比べられて辛い思いをしてきた経験の上に成り立っています。そう思うと、どことなく苦くて、複雑な思いが湧き上がってくるような……。

「あまりにも『実物と違う!』と言われ続けたときは、もう何も工夫をせずにあえて思いっきりブサイクにうつってやろうかとも思いました。そうすれば笑いものにはなるけど、何度も写真をネタにされたり、笑われることもないですから。でも、ふと、『私は誰のために可愛くうつりたいんだろう』と考えてみたんです」

 それは「自分のためでした」と語る仲田さん。

「そう、誰のためでもなくて自分のため。顔のコンプレックスはありますが、整形までは考えていません。ただ、写真を見返したときに思い出や懐かしさを感じる前に、『うわあ、自分の顔やっぱりブサイク……』とマイナスな気持ちに引っ張られたくないというか。だから色々な工夫も、結局自分のためというのが大きいですね」

 改めて自分の気持ちに気付いたら、周りの人からの批判や暴言もさほど気にならなくなったそうです。

「ギャップがすごい(笑)とか言われても、『知ったこっちゃねえよ』って。むしろ、しつこくいじってくる女友達には、『人の顔を見て笑えるなんて、あんたの顔面レベルどんだけよ』とか、『自分を棚にあげないで!』ってガンガン言い返しています(笑)。『テクニックだけがすごくてもねぇ……』とかマウントを取ってくる人には、『いや、そのテクニックをもっと褒めてよ! あたしの努力の結晶だよ!』って自分から努力とコンプレックスをさらけ出すようになりました」

 コンプレックスを前にただ悩んで自分を否定するのではなく、自分なりの方法で向き合ってきた仲田さん。写真うつりの良さは、そんな彼女の努力の賜物(たまもの)だったのです。

―私のコンプレックス―

<取材・文/赤山ひかる イラスト/とあるアラ子>

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