飲み会のコースって本当に得?外食で“残すムダ”を防ぐには

飲み会のコースって本当に得?外食で“残すムダ”を防ぐには

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 うなぎを食べる習慣がある「土用の丑の日」、今年は7月27日です。

 スーパーから牛丼チェーンまで大量のうなぎが仕入れられ、この日を過ぎると一気に売れなくなって結局捨てられる…という現実が前々から問題になっています。

 うなぎ、恵方巻からコンビニ弁当、外食産業まで、いつから日本はこんなに食べ物を捨てる国になったのでしょうか?

 日本の食品ロス(まだ食べられるのに捨てられた食品)はなんと年間643万トン。そのうち291万トンが家庭から出ていて(※環境省、平成28年度推計値)、4人世帯で年間約6万円を捨てている計算になるそう。また、コンビニ・スーパーや外食産業の廃棄食品をゴミ処理するのに、私たちの税金が膨大に使われているのです。

『賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか』『食品ロス」をなくしたら1か月5,000円の得!』の著者で、食品ロス問題に長年取り組んでいる井出留美さんの話をシリーズで紹介してきましたが、今回は「飲み会やパーティなどで食べ物を捨てないためにできること」を聞きました。

(以下、「 」内の発言は井出さん)

◆●宴会はコースではなく単品注文で

 割安感と注文の楽さからコースを頼みがちな宴会。でも、「欧米では仕事仲間との飲みでも、食べたいものを注文し、食べきったら次を頼むスタイルが普通。それだと食べ残しは防げますし、コースより飲み代も安くなりますよ」と井出さん。

 確かに、宴の後にグズグズになった鍋やら冷めた揚げ物が残ったさまは無残。量が多すぎて、食べたくないメニューも出てくるコースって、結局お得じゃないのかもしれませんね。

◆●立食パーティは参加人数の7掛けで

 企業主催のパーティは名刺交換や挨拶に忙しく食べている暇がないので、料理が余りがちです。

「料理は少なめにしておくか、あるいは、片手でつまめるフィンガーフードにするといいと思います。そうすれば、会費形式だったら会費も安くできます」

◆●「3010運動」をやってみる

「3010(さんまるいちまる)運動」とは、飲み会の最初の30分と最後の10分は、席を離れず食べましょうというもの。

「飲み会のテーブルに置いておくポップが、環境省のホームページからダウンロードできるんです。

 私も画用紙に印刷して飲み会に持って行ったことがあるんですが……イタリア人には不評でした。ちょっと軍隊っぽく思われたのかもしれません(笑)」

◆●外食で残った料理は「持ち帰りたい」と言ってみる

 外食時に余ってしまった料理。海外では持ち帰りが一般的だが、日本の特に大手のチェーン店だと「お断り」されることも多い。

「お店としては万が一の食中毒リスクなどを避けたいのと、飲食店の現場はパートやアルバイトが多く、細かな判断を指導しきれないという事情があるのでは。余ってしまったら、ダメモトでお店に聞いてみるといいと思います」

 何なら、テイクアウト用のパックを持っていって、自己責任で持ち帰ってしまう手だってある。

◆●備蓄食材は「ローリングストック法」で

「ローリングストック法」とは、レトルト食品や缶詰などストックしつつ、普段使いをしながら食べた分を少しずつ買い足すというもの。

「災害時は精神的にも不安定になりますから、口にするのは食べ慣れているものがいいと言われています。何より、非常食が気づいた時に賞味期限切れという事態が防げます」

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「食品ロス問題」と大きく捉えると、別の世界のことになってしまいますが、「損をしない」「お得になる」ことだと思うと、がぜん、身近なことになるから不思議です。

「食品ロスの問題は、食べ物が「工業製品」化――大量に作って大量に消費されるものになり、どんどん売れてきたという背景があります。でも、時代が違う。もう飽和状態なんです。小売もメーカーも消費者もすべてが変わらなくてはいけない。

 正直、食品ロス問題はどこから手をつけていけばいいのかわからないほど、入り組んで問題山積なんですが……ただ、これを改善していくと、みんなが得をする。それは、間違いありません」

 できることから始めてみましょう!

― 食べ物を捨てすぎる私たち vol.4 ―

【井出留美さんプロフィール】

博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊、日本ケロッグ等に勤務。3.11食料支援で食料廃棄に憤りを覚え、(株)office3.11設立。日本初のフードバンクの広報を委託された。著書に『賞味期限のウソ』『「食品ロス」をなくしたら1か月5,000円の得!』Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018受賞

<文/鈴木靖子>

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