「妻は3人と不倫して1000万円使い込んでた」専業主婦と東大卒夫の崩壊劇

「妻は3人と不倫して1000万円使い込んでた」専業主婦と東大卒夫の崩壊劇

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【ぼくたちの離婚 Vol.12 完璧なあなた、勝ち組のわたし #2】

 東大出のITベンチャーCEO・森岡賢太郎さん(仮名/現在38歳)と真希さん(仮名/現在36歳)は2012年に出会い、2年間交際して2014年に結婚した。しかし共働き時代から生活費は100%森岡さんが負担。2016年、妊活のために真希さんが仕事を辞めてからは、厳しすぎるセックスノルマを課せられるようになる(#1参照)。

◆妻から1日100件のLINEが

 森岡さんがセックスノルマに苦しめられていた2016年末、専業主婦になった真希さんの精神状態が急速に悪化しはじめたという。

「たまに料理をしては、うまくいかなくて鍋ごとシンクにぶちまけたり、洗濯物がうまく畳めなくて床にバンバン叩きつけたり、やたら物に当たったりするんです」

 真希さんは畳み損ねた洗濯物を叩きつけた直後、森岡さんに向かってこうつぶやいたという。「あなたにとって、私はなんなの?」。

「さびしかったんだと思います。専業主婦になったはいいけど、家事は元々得意じゃないから、やらない。うまくやれない。僕は毎日のように終電帰り。真希から僕には1日100件くらいLINEのメッセが届いていました」

 真希さんは一日中ヒマを持て余す。

「やることがないので、NetflixやWOWOWを観たり、Amazonで長いシリーズのマンガを全巻一気買いして読んだりしていたようです。当時、猫を1頭飼っていたんですが、ヒマだからもう1頭飼いたいと言われたので、動物保護団体から身寄りのない猫を引き取りました」

 無論、マンガ代も猫代もすべて森岡さんの財布からだ。さらに2017年に入ると、真希さんは森岡さんを“拘束”するようになった。

「真希が、週末は何があっても家にいろ、友達と約束するなんてありえない、と言い出しました。最終的には、平日も夕方6時には帰って来いと言われましたが、もし本気でそう思っていたのなら、結婚する相手を間違えていますよね。交際時から僕の働き方は変わってませんし」

 森岡さんは反論した。しかし……。

「あなたは経営者なんだから、家からオンラインで会議なりなんなりすればいいじゃないの、と言われました。無茶苦茶ですが、あまり強く言われるので、会社の人に無理を言い、週末にこぼれる経営会議だけはオンラインにしてもらいました」

◆次々と不可解な言動が

 並行して、真希さんの行動に不審な点が目立ちはじめる。

「パートをはじめたんです。生活費も小遣いも十分すぎるほど渡しているのに、小学生向けの塾の採点とか、会計事務所の事務仕事とか」

 また、森岡さんは家の中にダンボール箱がやたら多いことに気づく。

「聞くと、メルカリにいらないものを売って断捨離しているんだと。でも、集荷より明らかに受け取っている量のほうが多い。不可解でしたが、あまり聞いてもまた怒られるので、深くは聞きませんでした」

 さらに真希さんは「図書館めぐりが趣味になってきた」と口にしはじめた。

「資格を取りたくていろいろな図書館に通っていて、お気に入りの図書館はここなんだとか話すんですよ。突然どうしたのかなと思いながらも、ふんふん聞いてたんですが、やがてその図書館の近くにワンルームマンションを借りたいと言い出したんです。もちろん家賃は僕の負担。理由を聞くと、資格の勉強をするにあたって、家だと集中できないし、図書館だと閉館時間があるからって」

 さすがに不自然に思った森岡さんが問い詰めると、感情が高ぶった真希さんは「さびしい」「あなたに不満がある」「これは事実上の別居」と口走った。その場ではやんわり流した森岡さんだったが、2017年5月、事態は急変する。

◆猫が妻の浮気を教えてくれた

「日曜の深夜、真希が先に寝ていて、僕もそろそろ床に就こうと思っていたら、2頭いる猫のうち、やんちゃなほうの1頭が部屋を暴れまわって、机に置いてあった真希のバッグの中身をひっくり返しちゃったんです」

 片付けようとした森岡さんは、カバンからはみ出したプリクラに目がいった。

「プリクラの端っこがちらっと見えて、知らない男と真希が写っていました。とはいえ今どきプリクラですから、元彼との思い出プリクラかなと思って引っ張ったら、台紙ごと出てきたんです。そこには、真希とその男ががっつりキスしているショットもありました。日付は2017年5月。つい最近でした」

 それまで真希さんの浮気など一度も疑ったことがなかった森岡さんは、怒るよりも頭が真っ白になってしまったという。しかし、一晩悩んだ森岡さんは冷静さを取り戻す。浮気の現場を押さえるべく、探偵にコンタクトを取ったのだ。そして自らも証拠を集めはじめるのだが、そのやり方が実に東大卒らしい。

◆LINEのやりとりをデータ分析

「真希を1日じゅう、かつ何日間も張り込みすると、莫大な料金がかかってしまいます。そこで僕は、直近1年間くらいの真希とのLINEやり取りを分析して、怪しいと思われる曜日と時間帯を絞ったんです。重回帰分析の手法を駆使したら、綺麗に出ましたよ。東大に行っててよかったなと、はじめて思いました(笑)」

 森岡さんは、証拠固めの戦略を「コンサルのプロジェクトのような感じ」と説明したが、決して茶化しているわけではない。そう割り切らないと、感情が持たなかったのだという。

「真希に悟られることなく不倫の証拠を固めていった1ヶ月間は、かなり辛かったですね。ストレスで今より7kgくらい痩せてしまい、53、4kgまで落ちたと思います。僕はトライアスロンの大会前に体重を絞るんですが、それよりずっと減っていました。全然お腹が空かないんですよ。常に体温が高くて、頭がぼーっとしてる」

 絞り込んだ曜日と時間帯を探偵に伝えると、探偵はすぐに現場を押さえることができた。しかも浮気相手はなんと3人。3人とも医療関係者で、一人は介護士、一人は外科医、もう一人は脳外科医だった。とはいえ、以前真希さんが勤務していた病院関係者ではなく、ネット上のコミュニティサークル、もしくは出会い系サイトの類いで知り合った相手のようだった。

「真希の言っていた“お気に入りの図書館”の近くに、そのうちの一人の家がありました。図書館巡りが趣味なんて、真っ赤な嘘だったわけです」

◆マイホーム資金の1000万円が消えた

 森岡さんは並行して、家の貯金口座を調べた。名義は真希さんだったが通帳と印鑑は森岡さんが管理していたのだ。

「ATMで久しぶりに記帳したら、1000万円ほど使い込まれていました。だいたい週1ペースで数十万円が引き出されていたんです」

 貯金口座は家を購入するためのものだった。

「真希がどうしても家が欲しいと言うのではじめた貯金ですが、僕は賃貸派で、家を買うことには否定的だったんです。今の時代に不動産所有は合理性に欠けるし、なにより隣に変な人が住んでいたら、後悔しても取り返しがつかない。真希は隣人が変な人だった時、絶対に我慢ができない人間なんです。だからやめておことうと言ったんですが、押し切られました。そのカネが使い込まれているとは……」

 1000万円も、いったい何に使ったのか。

「真希の部屋を調べたら、メルカリなどの通販で超高額のブランドものを買い漁っていました。たしかに、いらないものを整理して売ってはいたようですが、それで減った以上にブランドものアイテムが増えていたんです。真希には生活費と小遣いを現金で渡していましたが、思い返せば、給料日が近くなると毎月釘を刺されていましたよ。『お金、今日絶対に下ろしてきてよ!』って」

◆浮気相手とのやりとりに愕然

 一方、森岡さんは相談した離婚弁護士から「できれば浮気相手と真希さんとのLINEやり取りのスクショが欲しい」と言われる。

「真希は複数台のスマホを持っていましたし、全部にロックがかかっていましたから、それは難しいなと思いました。ところが、ある日たまたま真希がコンビニにコーヒーを買いに行った時、洗面所にスマホを忘れていて、しかもロックが解除されていたんです。

僕は急いでLINEを立ち上げましたが、それらしきやり取りは見つけられません。でも、ふと何かで読んだ記事を思い出したんです。浮気のやり取りには『カカオトーク』がよく使われるって」

 カカオトークは韓国発のメッセンジャーアプリだが、日本では知名度も普及率も低い。それを逆手に取って、浮気相手とのやり取りに使われるというのだ。LINEはメジャーすぎて、万が一浮気を疑われた時、相手が真っ先にチェックする危険がある。

「思った通り、カカオトークがビンゴでした。3人とも1日数十件はメッセを送り合っていて、しかも1メッセージがめちゃくちゃ長い。僕は急いで画面を自分のスマホで何十枚も撮影しました。すると真希が帰ってきたので、急いで洗面所とつながっている風呂に行き、シャワーを浴びながら撮った写真を改めて読み返したんですが……衝撃でしたね」

 そこには「早くこの家から出ていきたい」「もう夫は用なし」「なぜこの人(森岡さん)と一緒にいるのか、わからない」「まもなく一人暮らしをはじめます」といった文章がてんこ盛りだった。

「僕は、真希が3股をかけようが4股をかけようが、それが5股だろうが6股だろうが、つまり浮気だけだったら、たぶん許せたと思います。専業主婦になって心のバランスを崩し、僕と理想的なセックスができなくて不満を溜め、さびしい思いをして別の男に走ったとしても、やり直しようはあると」

 でも、と森岡さんは語気を強めた。

「カカオトークの文章を読んですぐ悟りました。ああ、この人はもう、伴侶が僕じゃなくてもいいんだ、僕になんの未練もないんだと。これまで、事態が好転すると信じて耐えてきた僕は一体なんだったんだろうと、悲しくなりました」

 2017年6月23日、金曜日の朝。真希さんの浮気に関する証拠をすべて固めた森岡さんは、何食わぬ顔で真希さんに「行ってきます」と言い、家を出た。手には当座ウイークリーマンションで過ごすための生活用具を携えて。

 ここから、森岡さんの長い1日がはじまる。

※続く#3は、6月13日に配信予定。

<文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会>

【稲田豊史】

編集者/ライター。1974年生まれ。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年よりフリーランス。著書に『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)。「SPA!」「サイゾー」などで執筆。

【WEB】inadatoyoshi.com

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