もっと美味しいバターの選び方。カルピスバター、発酵バターetc.を知ってる?

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 よく聞く“あのキーワード”、知っておきたい。

 トーストやパンケーキはもちろん、料理をおいしくする「バター」。最近では、「リンゴバター」や「いちごバター」といったジャムミックスや、「ギー」のような健康系がブームになるなど、いつの時代もバターは広く愛されているようです。

 でも皆さん、バターのことをどのくらい知っていますか? 「発酵バター」、「無塩バター」、「グラスフェッドバター」……、最近よく聞いたり見かけるようになってきたワードですね。でも、いざ何かと言われるとよくわからない……なんてことあると思います。

 そこで今回は、おいしいバター選びに役立つ「バターにまつわるキーワード」を6つ厳選して解説したいと思います。

◆塩分を控えたいなら@無塩バター

 そもそもバターとは、生乳から分離させたクリームを攪拌(かくはん、かき回すこと)し、脂肪同士をくっつけて練り上げたもの。練り上げた後に食塩を添加した「有塩バター」は保存性が高く、風味が良いため、家庭用として広く使われています。一方無塩バターは、塩を加えずに作られたバターで、製菓用や塩分を控えている人にぴったりです。

◆ワンランク上の風味を楽しみたいならA発酵バター

 原料となるクリームを乳酸菌によって発酵させて作られたバターのことで、ほのかな酸味と芳香さが魅力。発酵バターを代表する有名ブランドとして、「エシレ」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

 この発酵バターは、ヨーロッパなどでは主流ですが、日本のバターの多くは、「非発酵」です。発酵バターを使えば、トーストはもちろんのこと、パスタや炒め物に使えば、ワンランク上の風味・香りを楽しめますよ。

◆健康・美容をサポートしてくれるBグラスフェッドバター

 少し覚えづらい名前ですが、「牧草」を飼料として育てられた牛のミルクからできるバターのことを言います。健康・美容をサポートするβカロテンやオメガ3脂肪酸、ダイエット効果が期待される共役リノール酸が豊富に含まれるとして、健康志向派に注目されています。

 そもそもグラスフェッドを一躍有名にしたのは、「バターコーヒー」かもしれません。ちなみに、日本で作られる大半は、穀物類を食べた牛のミルクから作られる「グレインフェッド」なので、グラスフェッドは超高値で販売されていますが、酪農王国ニュージーランドではグラスフェッドがスタンダードでリーズナブル。真の価値はいかに……。

◆あのカルピスが作る幻のCカルピスバター

 あの「カルピス株式会社」から、バターが出ていることご存知でしたか?! 「カルピスバター」は、カルピスを作る工程で分離されたクリームから製造されており、純白色が特徴です。

 当初は業務用のみでしたが、1981年から一般向けにも販売。こだわりバターとして名前があがるほどに。コクがあるのに口どけが良いことや、大量生産ができないこと、華やかな広告宣伝をしないことなどから、「幻のバター」と称されることも。

◆世界でもっとも健康的な食品のひとつDギー

 ギーとは、無塩の発酵バターを煮詰め、水分・乳たんぱく・乳糖を取り除いた純粋な「乳脂肪」のこと。インドを中心にアジアで古くから作られる「バターオイル」で、製造の過程で腐敗原因となる成分が除去されているため、常温でも長期間保存ができるという特徴があります。

 上質なギーを選べば、一般的なバターや植物油に比べて消化吸収のよい「共役リノール酸」や、ココナッツオイルでおなじみの「中鎖脂肪酸※」が含まれているため、カラダに蓄積しにくいダイエットオイルとして活用できます。イギリスTIME誌上では「世界で最も健康的な食品50」に認定されるほど!

※体脂肪になりにくい天然成分

◆じっくり丁寧に作り上げるEチャーン製法

 バターのパッケージに、「チャーン製法」などとアピールしているものを見かけますが、なんのことやらわからないですよね。これは、「チャーン」と呼ばれる、昔ながらの伝統的な装置を使って、バターを丁寧に攪拌する製法のこと。

 熟練の作業員がじっくり丁寧に作り上げる手作り風のバターで、連続式バターマシンを使用して短時間で作られるバターよりも、ソフトな口当たりや香りが特徴的です。

◆この赤いマークは一体……FAOP

 海外製のバターのパッケージで見かけるマークですが、これらはフランスのAOC(※)に倣って1992年に生まれたヨーロッパの「原産地保護呼称」のこと。つまりは、これはバターの「原産地」を保証している印です。

 気候条件、日照、土壌、植生、飼料、先祖伝来の飼育や生産法などの地域特性が産品に反映されており、その商品が該当する地域できちんと生産されたものであることを証明されているものにしか付けられません。

 以上、7つのキーワード、いかがでしたか? 少しマニアックなものも紹介してしまいましたが、知っておけば、おいしいバターに必ずやたどり着けますよ。バターを探すときは、ぜひ注目してみてくださいね。

※AOC

1905年に始まったフランスの認証制度。産品の原料や品種、飼育や生産方法について規定し、原産地の特徴が明確な産品について呼称の利用を認めて品質を認証するもの

<文、写真/スギアカツキ>

【スギアカツキ】

食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12

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