デヴィ夫人に吉村知事、コロナ下で批判されるとキレる有名人たち

デヴィ夫人に吉村知事、コロナ下で批判されるとキレる有名人たち

(画像:デヴィ夫人 Instagramより)

冬になり、再び猛威をふるう新型コロナウイルス。外出や会食の自粛が求められるなか、一部の有名人たちの言動が議論を呼んでいます。

◆デヴィ夫人 パーティーを問題視されて、なぜか若者批判

 デヴィ夫人(80)が昨年の大晦日に開催した90人パーティーが波紋を広げています。

 感染拡大の真っ只中での行動に厳しい声が上がりましたが、これにデヴィ夫人が反論。1月10日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、「私たちのような人間がこういうことをして、そしてお金が回って、みんなが幸せになるっていうか。やっぱり自粛自粛で全てを止めてしまったらば、本当に経済破綻してしまうと思うんですよ」と語り、自身の正しさを主張しました。

 それだけならまだよかったのですが、エスカレートした夫人の矛先は、なぜか若者に。自身のパーティーに来る人は感染予防への意識が高い一方、20代、30代の若者には「緊張感を持っていただきたい」と言い放ったのです。

 この“暴論”に、ネットは炎上。そもそもこの時期に大規模パーティーに来場する時点で感染予防への意識は低いのではないか、とか、自分のことを棚に上げてると、あきれる声も。

◆辛坊治郎 ネットの指摘に逆ギレ「こんなアホが増殖」

 同様に、キャスターの辛坊治郎氏(64)も、ネットからの批判にさらされています。

 1月11日に更新した自身のツイッターで、突然ラーメンが食べたくなり、大規模な店舗に立ち寄ると、混雑していたと報告。「緊急事態宣言発出直前の雰囲気は皆無だ」と、ジャーナリストらしく、ゆるみを指摘したのでした。

 すると、この行動に対して、“お前が行くから店が密になる”との指摘を受けたとして辛坊氏が逆ギレ。「いつからこんなアホが増殖する国になったのだろう」と、あくまでも自らの非を認めない姿勢を貫いたのです。

◆吉村大阪府知事「ガラスの天井」誤用を指摘されイライラ

 大阪の吉村洋文知事(45)に至っては、無理な自己弁護でドツボにはまってしまった例でしょう。1月6日に大阪の感染者が560人を突破した状況について、「ガラスの天井を突き抜けた」と発言。本来、人種や性別を理由に組織内で能力が発揮できない状況を指して使われる「ガラスの天井」というフレーズを、明らかに誤用してしまったのです。

 これに、立憲民主党の蓮舫参議院議員(53)や自民党の太田房江参議院議員(69)らが、“ガラスの天井の使い方が違う”と、揃ってツッコミを入れたところ、吉村知事は10日に更新したツイッターで次のように反論しました。

「僕が市役所内の『ガラスの天井』を打ち破る為に何をしてるのかも知らないんだろうな」と、本来の意味を知ってます風に持ち出したかと思いきや、当の会見では「その意味で使ってない」と主張。「いつ割れてもおかしくない状態を『ガラス』に喩えただけ」と、改めて言葉のチョイスに間違いがなかったと強弁したのでした。

 これにはさすがの太田議員も、あきれ気味に「橋下さんなら、こういうとき素直に認めたのでは」と投稿するしかなかった様子。

 サンドウィッチマンのコント以上に、“ちょっと何言ってるか分からない”状態ですね。

 もっとも、表面上は、ちょっと言葉を知らなかったぐらいのかわいい過ちかもしれません。しかし、大阪維新の会の常任役員14名中、女性がゼロであること。さらには、数ある批判の中から、あえて蓮舫議員や太田議員といった女性議員を名指しで「吉村が『ガラスの天井を間違って使ってる!』と一生懸命だ」と反論する構図に、“何かというとイチャモンをつけてくる女性を黙らせる”といった気質が見えなくもない。

 つまり、吉村知事が必死になるほど、実はガラスの天井を作っているのはその本人なのではないかという現状も浮かびあがってくるから皮肉なものです。

◆堀江貴文氏 広島の餃子店とトラブルに

 そしてちょっと古い話になりますが、昨年9月の、堀江貴文氏(47)と広島の餃子店のトラブルも忘れられません。マスク未着用の客を断っていた店に、堀江氏の同行者がマスクをせずに入店してきたのだそう。

 店側がマスク未着用での飲食を拒否したところ、堀江氏が“食べるとき、マスク外すでしょ”と持論を展開。それでも他の客への迷惑を考慮した店側が帰るよう促したところ、このやり取りを店名が特定できるような形で堀江氏がSNSにアップしました。

「マジでやばいコロナ脳。狂ってる」との堀江氏のコメントに同調したネットユーザーから、同店へのいたずら電話が鳴り止まず、一時休業する事態になってしまったのです。

 ネットニュースのコメント欄には、堀江氏への批判が殺到。直接的に攻撃したのではないにせよ、店の名前がわかる形で煽った責任は小さくないとの意見が多く見られました。

◆いさめられると激怒。成功者ほど正しさの呪縛に

 さて、菅総理も話した通り、感染拡大の状況下では誰もが不自由な生活を余儀なくされています。そのせいで、気持ちがささくれ立っているのもあるでしょう。

 それでも、上記の方々から漂うのは、それだけでは説明できない余裕のなさなのではないでしょうか。デヴィ夫人、辛坊氏、吉村知事、堀江氏、どなたも社会的な成功者であるにも関わらず、少しばかりいさめられただけで、速攻で怒りの導火線に着火してしまう。この沸点の低さに、ドン引きしてしまうのですね。

 本来ならば、高所からゆったりと大局をながめられる立場や経済的余裕のある人達に限って、必要以上に攻撃的な傾向が見られる。一体どうしてなのでしょう?

 そこでひとつの仮説として、正しさの呪縛を挙げたいと思います。成功者と呼ばれる人たちほど、自らのルールや方法論を信じて行動し、果実を得てきたという体験や実感を重ねてきているはずです。そして、自信が厚みを増し、人生そのものへの確信へと変わっていく。

 もちろん、運命を切り開いてきた努力自体は否定されるべきものではありません。しかし、自分流の正しさへの揺るぎない信頼が、物事を歪めてしまう可能性も考えておくべきなのではないでしょうか。

 新型コロナでいえば、ウイルスは人を選びません。にもかかわらず、大きな成果を残してきた“正しい自分”の持つ知見があれば、ウイルスをはねのけられると錯覚してしまう。その種のポジティブさがたくましければたくましいほど、他人の意見を頑(かたく)なに受け付けない心のあり方につながっているのではないかと感じるのです。

◆行動への批判だけなのに、人格を攻撃されたと受け取った?

 今回、デヴィ夫人、辛坊氏、吉村知事、堀江氏が逆ギレした背景には、ただウイルス対応の間違いやそれにまつわる些細なミスを指摘されただけなのに、自分たちの人格全体への攻撃だと受け取ってしまった事情があるのではないでしょうか。

 不幸な食い違いではありますが、それをもたらしたものは、必要以上に肥大してしまった彼らの自我なのだと思います。

<文/石黒隆之>

【石黒隆之】

音楽批評。カラオケの十八番は『誰より好きなのに』(古内東子)

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