大倉忠義『知ってるワイフ』のダメ夫ぶりにイラッ、演技に引き込まれる

大倉忠義『知ってるワイフ』のダメ夫ぶりにイラッ、演技に引き込まれる

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<ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ>

『知ってるワイフ』(フジテレビ系)の大倉忠義さんに、舌を巻いています。本ドラマで大倉さんが演じるのは、二児の父の銀行員・剣崎元春。

 もっと幸せになるはずだったのに、余裕のない結婚5年目の生活は、彼を辛く苛みます。会社では上司に叱責され、家では妻・澪(広瀬アリスさん)に怒鳴られるのが、彼の日常です。同情の余地はたくさんあるし、気持ちもわかるし、元春が悪いかといえばそうも言い切れない。

 そんな、いいところも残念なところもある普通の男性が“人生のやり直し”を渇望するさまを、大倉さんは実に生々しく演じているのです。

◆イラッとする“夫あるある”に共感

 特に出色だったのは、第1話でこっそり買ったゲーム機を妻に見つかり、元春が絶望するシーン。魂を殺されたかのような彼の悲痛な表情に、わが身をシンクロさせた男性も多かったのではないでしょうか。父親なのに、いつまでも“おもちゃ”を卒業しない夫に妻はイラ立ち、ゲーム機を浴槽に沈めてシャワーをかけるという制裁をくだします。

 しかしながら、夫にとってゲーム機は昼食代を切り詰めて買った大切な“息抜き”であり、とはいえ大っぴらに出しておくのもはばかられるので隠しておいたもの。それさえも取り上げられ、怒りと悲しみを爆発させてしまう元春の姿は、現代の“夫あるある”と言えるかもしれません。

 また、元春にムカついてしまう妻側からの夫あるあるとしては、「話を聞いてくれない」「育児の約束を守ってくれない」「家計を理解していない」「節約に必死なのに自分は飲んでくる」などが挙げられましょう。

 長身でイケメンで、美人の後輩に思いを寄せられる“素敵な先輩”だった過去の自分と、現在の“情けない自分”との振り幅に悩む元春の姿には、いとおしささえ覚えます。

◆説得力のある演技に引き込まれる

「あの時に戻れたら、もっと人生は輝くはず」と夢想したことのない人はいないと思うし、ひょんなことから“人生をやり直すチャンス”をつかんだ元春に、自分を重ねてみるととても興味深いのです。

 過去に戻って関わりかたの変わった人たちに何を思うか、自分ならどうするか、見落としていたことはないかなど、元春の選択を自分に当てはめながら観るとドラマのおもしろさがさらに増します。

 その説得力があるのが大倉さんの演技で、彼は“青年と成年のグラデーション”をリアルに表現できる人なのだと思います。

 大学生の元春の大人らしいやさしさも、社会人となった彼の幼いずるさも、違和感なく見せてくれる。ほがらかな頬と冴えた光を宿した瞳、相反するふたつの魅力をもった大倉さんなればこそ、“もし”に揺れる繊細な男心をしっくりと演じられるのでしょう。

 元春は、新しい人生と引き換えに“父”としてこれ以上ない宝物をなくします。喪失感に切なく落涙する姿は、美しく胸に迫りました。

 それでもなお、リスタートした人生をどう拓いていくのか? これから彼の選びゆく道が、楽しみでなりません。

<文/みきーる イラスト/二平瑞樹>

【みきーる】

ジャニヲタ・エバンジェリスト。メンタルケアカウンセラー?。女子マインド学研究家。応援歴20年超のジャニーズファン。女心を知って楽しく生きるためのライフハック“女子マインド学”を提唱。著書に『ジャニ活を100倍楽しむ本!』(青春出版社)『「戦力外女子」の生きる道』他。Twitterアカウント:@mikiru、公式ブログ:『ジャニヲタ刑事!』

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