「きのう何食べた?」展レポ。ファンにはたまらないひと工夫が…

「きのう何食べた?」展レポ。ファンにはたまらないひと工夫が…

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 6月下旬の某日に、「きのう何食べた?」展に行って参りました。

 4月に放送開始されるやいなや、あっという間に人気沸騰となったドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京系)。弁護士のシロさんこと筧史郎(西島秀俊)と美容師のケンジこと矢吹賢二(内野聖陽)の男性カップルに食事風景を中心とした日常を丁寧に描き、原作マンガファンからも圧倒的な支持を獲ています。

 そしてついに展覧会の開催も発表。渋谷のGALLERY X BY PARCOにて、6月13日から7月7日まで公開されています。かく言う筆者も、この作品の愛好者の一人。ドラマのセットや原作の複製原画まで展示されると聞き、喜び勇んで6月下旬の某日に行って参りました。

◆シロさんとケンジの衣装や原作マンガの原画も展示

 平日の昼間ということもあり、会場は比較的落ち着いた様子。指定時間ギリギリに到着したため、入場は最後尾でしたが、逆に急かされることなくゆっくりと周ることができました。

 まず、目に飛び込んできたのは原作者のよしながふみ先生の原画。第一話のダイジェスト映像が流れる周囲に、原作となっている回の原稿が展示されています。原作マンガ第一回の雑誌連載スタート時から愛読している者としては、これには感涙。そして、ドラマに組み込まれた、原作エピソードの絶妙なチョイスに改めて感心しました。

 そして、入口からすぐ左には、ポスターやグッズの写真で2人が着ている衣装が!

 ケンジのオレンジチェックのシャツに、シロさんのYシャツ&スーツ。あぁ〜これを、あの2人が着ていたのねぇ〜と、思わず舐め回すように観察してしまいました。他にも仕事用のシロさんのスーツと、ケンジのお気に入りっぽいピンクのカットソーが飾ってありました。

◆自宅のデスクや食卓の再現にほっこり

 さらに奥にはリビングに置いてあるシロさんのデスクの再現がありました。ドラマ内で細かいところまで見ることが出来ないので、じっくり見られるのは嬉しい。

 使用しているノートPCをすかさずチェックしつつ「マウスがワイヤレスじゃない……」と、シロさんがそこまでガジェット系に興味無さそうなところにほっこり。そしてカレンダーの日付をきちんと当日に合わせてくれている、スタッフさんの心遣いにもほっこり。

 そして極め付けは、あの食卓の再現! ここで向かい合ってあの2人が毎日食事をしていると考えただけで、心が何だか温かくなっていく……。

 その脇には、キッチンで使われている調理器具がズラリ。炊飯器に、オーブントースターに、電子レンジに、フライパン。ああ、どれもドラマで見覚えがあります! 決して最先端の商品じゃないのに、何だかキラキラして見えてしまうのは何故。これ全部、我が家でもお揃いにすれば、シロさんみたいな料理上手になれるかしら……。

◆グッズ売り場にはファン心をくすぐる工夫が

 そしてグッズ売り場にも一工夫。ドラマに出て来るシロさん愛用スーパー・なかむらやの売り場を模しており、かかっている音楽も、ドラマでお馴染みの店内放送BGM。グッズもなかむらやのトートバックやエコバック、ボールペンなどなどファン心をくすぐる充実っぷり。

 欲しかったジルベールが着ていた「針ネズミTシャツ」は売り切れていて残念でしたが、缶バッジとクリアキーホルダーは無事にゲットできました。今になって、原作ジルベールが着ていた「ぞうTシャツ」も買っておけば良かったと大後悔中です……。

「きのう何食べた?」展は、会期中の前売り券はすべて完売し、当日券も現時点の発表では発売の予定はないそうです。

◆最終回、シロさんの実家にふたりで挨拶に

 そして、6月28日についにドラマ『きのう何食べた?』は最終回を迎えました。

 正月にシロさんの実家へと挨拶に行くことになったケンジ。トレードマークのヒゲを剃ろうとしたり、トレンチコートでキメていたり、何だか違う方向に張り切っている様子でしたが、逆に緊張ぶりが見てとれました。

 シロさん宅での、お父さんとケンジの会話には胸が詰まりました。若き日のシロさんの葛藤や苦悩を想うケンジ。言葉少なながら、シロさんの心に胸を打たれた様子だったお父さん……。2人が肩を並べてシロさんのアルバムを眺めてる姿もグっときましたね。

 お母さんとシロさんの料理中の姿は、淡々としていながらどこか切なく、それでいて優しいシーンだと毎回のように思います。お互いに複雑なものを胸に抱えてはいれど、親子として積み重ねた時間と愛情がそこには在るのだと思います。

◆シロさんが見せた衝撃の行動に驚き&感動

 そして実家からの帰り道。「夢みたいだ」と泣くケンジとその肩を抱き、頭にそっと手を触れるシロさん。あんなに外で2人が一緒にいるところを他人に見られるのを嫌がっていたシロさんが見せた衝撃の行動。驚きましたし、そして感動しました。

 あのシーンは、マイノリティであることにどこか後ろめたさを持っていた、ドラマ第一話のシロさんからの脱却を意味しているように思います。

 後日、ケンジからのカフェへの誘いにも眉ひとつ動かすことなく、当たり前のように受け入れるシロさん。2人の日常の中での、幾つもの出会いや気づきが、少しずつシロさんに変化をもたらしている。そうやって紡(つむ)いでいく日々は、これからも続いていく……そんなメッセージが最終回には込められていたのかもしれませんね。

 最終回を終え、早くも高まっている続編希望論。ぜひ実現させて欲しいと切に願います!

<写真・文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。

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