“映える哀愁おじさん”岩井ジョニ男「人生、手放してラクになった」

“映える哀愁おじさん”岩井ジョニ男「人生、手放してラクになった」

(画像:岩井ジョニ男公式インスタグラムより)

 インスタグラムで「インスタ映え昭和おじさん」として注目され、5月には写真集『幻の哀愁おじさん』(文藝春秋)も出版した、お笑い芸人「イワイガワ」の岩井ジョニ男さん。

 前回、インスタ映えの秘訣や、“おじさん”になったことによる心境の変化などを伺いましたが、誰しも避けては通れない「加齢」という現実をポジティブに受け止め、自然体で無理なく生きるというお話には、女性も参考になる心構えがたくさんちりばめられていました。そこで今回は、等身大の自分の見つけ方など、ジョニ男さん的思考をもう少し深掘りしてみました。

◆「無理をしない自分」がいちばんの持ち味

――前回「おじさんを実感したことで“自分”の身の丈がわかった」とのことでしたが、歳を重ねるごとに現実を受け入れるのが難しい部分もあります。どうしたら自然体でいられるでしょうか?

岩井ジョニ男さん(以下、岩井)「自分だとどうしても主観が入ってしまうけれど、周りの人は客観的に見て『おまえはこうじゃないか』と言っているので、その言葉の中に真実があると思うんです。だから僕は、僕のことを本気で思ってくれている人のアドバイスを信用して、聞き入れるようにしています。そうすると、自分が思う自分らしさのために無理していたこととか、やらなきゃっていう思いとかが研磨されて、自然体でいられるようなりますよ」

――客観的な意見を受け入れることが大切なんですね。

岩井「僕は昔“千葉のさんまちゃん”と呼ばれていたこともあり、明石家さんまさんのようなお笑いを目指していたのですが、プロの世界で“千葉のさんまちゃん”は全然通用しなくて悩んでいました。そんなとき、事務所の飲み会で、さんまさんが芸人それぞれの技量を野球のピッチャーに例えてくれたことがあって、ウド鈴木さんは『変化球なしの150キロ1本で三振が取れる』、飯尾和樹さんは『150キロのストレートとナックルを持っている』と言われていたんです。

 僕としては、内心150キロを投げられると思っていた自分もちょっといて、そう言ってくれるんじゃないかって期待もしていたんですけど、さんまさんの言葉は、『ジョニ男はサイドスロー130キロ。抑えの切り札として、最後にシンカーで三振を取れる』だったんです。そういわれて振り返ると、確かに僕の仕事は130キロ。でも、さんまさんに『130キロでもプロでやれますか?』って尋ねたら『やれる』と言ってくれたので、“無理しなくていいんだ”と思えてラクになりました。

 130キロの僕が無理をして150キロを投げ続けていたら、肩を壊して投げられなくなっちゃいますからね。タモリさんにも『お前は普通のときが一番おもしろい』と言われたことがあって、そのときは『どういうこと?』と思いましたが、最近になってそのままでいいということがわかり、うれしく思っています。普通って無敵ですよ(笑)」

◆自分を磨いているはずが、実は削っているかも

――自分が思っていた自分とアドバイスのギャップを受け入れるのは難しくないですか?

岩井「アドバイスを聞き入れるとだんだんラクになっていくので、大丈夫です。みんなそのままで十分愛される素敵な面があるのに、なりたい自分になるとか、こうでなきゃとか思って無理をすると、本来の良さを隠してしまう可能性もあるんです。自分磨きのはずが、逆に削り落としちゃってるんですね。

 僕もさんまさんやタモリさんのアドバイスがなければ、憧れの芸人さんを真似たりして、次第に自分を見失っていたと思います。“そのまま”はオリジナルだから、それがいちばんの持ち味。そう思えるようになるまで時間はかかりましたが、気づけたことで自分らしく生きられるようになりました」

◆身の丈に合わない付き合いやプライドを手放せばラクになる

――人付き合いにおいても無理はしないのでしょうか?

岩井「仕事なら我慢しないといけないけど、それ以外の場面なら、変に合わせる必要もないし、こっちに合わせろっていうのも違うし、互いにメリットがないなら無理して付き合う必要はないのかなって思います。

 以前、後輩の若い子に合コンに誘われたことがあって、僕が『日本酒の種類が豊富で、魚料理の美味しい座敷の店がいいんじゃない』と言ったら、彼らは『何言ってるんですか、終電ギリギリにカラオケからスタートですよ』って言うんです。

『カラオケは数軒回って喉が潤ってからだろう』とか『終電がないならタクシー代出すよ』って言ったんですけど、『そういうことじゃないんです。カラオケも話すだけだから歌わない』って、全然話がかみ合わなくて(笑)。その時点で、自分は参加しても楽しめないだろうし、その場もおかしなことになるとわかって諦めたことがありました」

――先輩だからといって無理に合わせる必要はないんですね。

岩井「相手がいくつであれ、ほかの人に合わせたり比べたりする必要はなくて、自分の中の全力を頑張ればいいんだと思います。だから、若作りしたり、若い子の話についていったり、身の丈に合わないことはしません。そういうところも、アドバイスで”自分“に気づけたことで変わっていきましたね」

◆「あの人だから『かっこよかったんだ』」とわかってくる

――“自分”も年齢とともに変わっていくと思うのですが、そういった変化にはどのように対応していますか?

岩井「昔は『かっこいい』と感じたものを溜め込んで自分に当てはめたりもしていけど、自分を知るにつれて『これはあの人だからかっこよかったんだ』『自分には必要なかった』ってわかってきて、捨てていく作業に変わっていきました。

 洋服も若いうちはあれこれ欲しくなるけれど、そのうち、やっぱり似合わないとか、何年も着ていないっていう服を捨てて、数着あればいいってなるのと同じで、ポリシーとかプライドみたいなものも、似合わないものや、年齢とともに似合わなくなったものを整理するみたいな気持ちでいます」

――石田ゆり子さんじゃないですが、自然体な姿がインスタや写真集の人気につながっているのかもしれませんね。

岩井「石田ゆり男だなんて、ハードル上げないでください。って、違うか(笑)。インスタグラムも写真集も、僕の日常を写真に収めているだけですが、それぞれ世界観は大切にしているので、観る人なりの妄想やイマジネーションで自由に楽しんでほしいですね」

 アドバイスを素直に聞き入れて自分を顧みることで等身大の自分を知り、無理をしなくなったというジョニ男さん。自然体で過ごすようになって、「日常の『小さな幸せ』がいくつも目に留まるようになった」といいます。ラクに生き、たくさんの幸せに囲まれるなら、歳を取るのも素敵なことだと思えてきませんか?

<取材・文/千葉こころ>

【千葉こころ】

ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。

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