夏にしか着られないドラマチックなロングドレスで、女性らしさを演出してみて

夏にしか着られないドラマチックなロングドレスで、女性らしさを演出してみて

フラットなサンダルや大ぶりなアクセサリーを合わせて、崩して着るのが今の気分(※画像:WEARより)

【モードをリアルに着る! Vol.89/小林直子】

 真冬はほとんど着る機会がないけれども、真夏なら着るというアイテムはいくつかあると思います。タンクトップ、キャミソール、ベアトップなど、露出の多いものがその主なものでしょう。

 その中でも特に、花や幾何学模様などがプリントされた生地が使われていて、ボリュームがあり、ドラマチック、つまりドラマの主人公が着ていそうなロングドレスというものは、その中でも特に印象的なものではなでしょうか。

◆その季節に似合うということは重要

 ファッションにおいては季節感というものを大事にしますから、この「夏にしか着られないものを夏に着る」というのはとてもファッショナブルだ、ということになります。似合う、似合わないの問題で言えば、その季節に似合うということもとても重要です。

 今年の夏、多く提案されているのが、今回、ピックアップしたエトロのドレスのような、花柄、ボリューミー、ロング丈、フリルやラッフル等のディテールを伴った、ドラマチックドレスです。

 真夏のリゾート地でも、都会のしゃれたカフェにでも似合いそうな、見ている者の目をくぎ付けにせずにはいられない、女神がまとうようなロングドレス。その完璧な着こなしをエトロのルックに学びましょう。

◆古代の女神が現代のビーチに遊びにきちゃったようなルック

 インドのカシミール地方の生地に見られる「ペイズリー」柄で有名な、エトロの現在のクリエイティブ・ディレクターはロンドンのセントマーチンズを卒業した実力派のヴェロニカ・エトロ。

 コレクションはいつでも繊細な色合わせ、凝ったディテール、高度な技術が駆使された複雑な柄の織物によって構成されているため、どちらかといえばおしゃれ上級者向き。これを着こなせる人は決して多くはいないでしょう。けれども、私たちでも学べるポイントはあります。

 詳しくルックを見ていくと、トロピカルな花柄の軽やかなジャカードシルクのロングドレスには、花びらのようなフリルが大胆にあしらわれています。

 そしてそのロングドレスをドレスダウンするために選ばれたのが、ドレスに使われているイエロー、オレンジ、グリーンでつなげた、凝った編地の手編みのカーディガン。フラットサンダルと、貝殻モチーフのロングペンダントでよりリラックス感を強調。

 古代の女神が現代のビーチに遊びにきちゃった、みたいなそのルックは、夏だけのものであるだけではなく、フェミニンな要素全開で、女性らしさを演出したいときにはぴったりのスタイルでしょう。

◆ボリュームがありドラマチックな雰囲気のロングドレスを選ぼう

 この完璧なドラマチックドレスのルックを真似するために、まずは、ロングドレスを調達しましょう。

 幸いなことに今年は市場に色、素材ともさまざまな種類のロングドレスが出回っているようですので、好きなタイプのロングドレスを選びましょう。なるべくボリュームがあり、ドラマチックな雰囲気のものがいいでしょう。ふだんは着ないような大胆な柄のものを選ぶのも一興です。

 ドラマチックドレスはもちろん一枚でもさまになりますが、このエトロのルックのようにカジュアルなものを合わせて崩して着るのが今の気分です。

 テバやビルケンシュトックのようなフラットなサンダルを合わせたり、大ぶりなアクセサリーを合わせるのもいいでしょう。

◆カーディガンは色は合わせて素材感は変えて

 これにカーディガンを羽織る場合は、このエトロのルックのように、ドレスのプリントに使われている柄とぴったり色を合わせましょう。色を合わせることによって、ドレスとカーディガンに関係性が生まれ、ぐんとおしゃれに見えます。

 またドレスとカーディガンを合わせる場合、素材感を変えてくることも重要です。つるつるにはざらざらを、薄いものには少し厚いものなど、強弱をつけるといいでしょう。着こなしのポイントであるロングドレスの選択さえ間違えなければ、このエトロのルックの感じをかなり再現できるのではないかと思います。 

◆ドレスの素材、ポリエステルは暑い?

 最後に一つ、ドレスの素材についての注意点です。

 最近、ポリエステルは暑いのかどうかというご質問をたくさんいただきます。基本的に、特殊素材ではない、ごく普通のポリエステルは夏場に着ると暑く感じます。

 ポリエステル繊維は、石油由来の原料で、断面がきれいな円形になるポリエステル糸から作られています。ポリエステルの原料の多くの部分は水とは混ざりにくい特性を持っています。水と混ざりやすい原料の部分についてはポリエステルを合成するときの反応に使ってしまうので、最終的には水とは相性が悪い構造となります。

 水とは相性が悪く、きれいな丸い円がきっちりくっつくようなポリエステル糸を使って繊維にしていくので、空気が通る隙間がなくなるため、通気性が悪くなり、結果的にポリエステル繊維のものを着ると暑く感じるというわけです。真夏に暑く感じても構わないと言う場合はいいですが、そうでない場合はやめたほうがいいでしょう。

 また、レーヨンは着ても暑くはありませんが、多くは水洗い不可、ドライのみとなっています。自分で洗濯したい人はご注意ください。

<文/小林直子>

【小林直子】

ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に

関連記事(外部サイト)