夏の強い光を感じたら…ブラックドレスを身にまとって

夏の強い光を感じたら…ブラックドレスを身にまとって

少しぐらい外しのアイテムを付け加えてみても、アクセサリーを過剰に盛ってみても、真夏であれば、悪目立ちにはならない(※画像:WEARより)

【モードをリアルに着る! Vol.90/小林直子】

 真夏に似合う色として、多くの人がまず思い浮かべるのは「白」でしょう。夏至の太陽の光の下では、純白が最も美しく輝きます。

 けれども、夏至も過ぎ、太陽の光が頭の真上ではなく、少しだけ傾いたところから届くようになると、次に似合うのは「黒」やその他、ダークな色合いになります。

 夏の前半は白やライトな色合いが、そして後半は黒やダークな色合いが太陽の光によく映えると覚えておくといいでしょう。

 夏も後半部分に近づいてくると、真夏の強い光、そして焼けた肌によく似合うサマーブラックドレスは、少しの工夫でリゾート地でも、街でも着られる重宝な一枚となるでしょう。

◆シャネルがドレスの新しいバランスを提案

 今年のサマーブラックドレスの気分を最もよくあらわしているのが、今回取り上げるシャネルのルックです。

 フリルがたくさんついたベビードール風のオーガンジーでできたベアトップのミニドレスは、コンパクトにまとまってはいるものの十分なボリューム感があり、今の気分を表現しています。それだけではなく、ミニドレスの下に黒いサイクリングパンツを合わせることによって、今まではなかったドレスの新しいバランスが提案されています。

 見どころは小物使いです。

 目につくのは大きなブリムのラフィアの帽子。リボンの色はドレスと合わせてブラック。ハイブランドらしい端正なドレスにサイクリングパンツとラフィアの帽子を合わせることで、マンネリになりがちな夏のリトルブラックドレスの着こなしを、新鮮なものに変化させています。

 あとはシャネルならではのゴージャスな小物で過剰に盛り付け。

 イアリング、ネックレス、バッグのチェーン、バングルにゴールドを散りばめて、極めつけにサンダルのヒールとバッグを真夏の温度を少し下げてくれそうなトランスペアレントにすることによって、クールな雰囲気を演出。

 ドレスがシンプルなだけに、アクセサリーやバッグの盛り付けは過剰に真夏の気分を詰め込んで。ビーチでも街でも通用する最強スタイルで、誰にも文句を言わせない勢いはさすがシャネルという感じです。

 では、私たちがサマーブラックドレスに挑戦するときはどうしたらいいのか、考えていきましょう。

◆黒いドレスは、エレガントでシックなものを選ぼう

 まずは夏に着る黒いドレスを手に入れましょう。その際に、カジュアルすぎるもの、スポーティなものは避けるようにしましょう。

 この着こなしの肝は、ドレスはフェミニンで端正なものだけれども、小物で外してみたり、変化をつけるということです。

 ドレス自体は、例えばポロシャツやTシャツの丈を伸ばしたものなどはやめましょう。エレガントなもの、シックなもので、ワンピースではなく、ドレスと呼びたくなるようなものがいいでしょう。

◆黒いドレスには「合わせないな」というものをあえて合わせて外す

 そんなドレスを手に入れたら、今の気分にふさわしく外したり、崩していきます。

 外す、崩すとは、完璧な状態からどこから外したり、崩したりするという意味です。

 例えば、端正でエレガントな黒いドレスだったら、黒いハイヒールや黒い革のバッグにゴールドのジュエリーをつければ完璧なドレススタイルになるでしょう。けれども、今の気分は、このシャネルのように、端正なものをいかに外すか、崩すかにあります。その外しや崩しがラフィアの帽子であったり、サイクリングパンツであったりするわけです。

 その外し方、崩し方の方法はどうやるのかというと、普通だったらこの黒いドレスには合わせないなというものをあえて合わせれば、それでOK。このシャネルのルックのように、ラフィアや麦わら帽子もいいですし、スポーティーなサンダルもいいでしょう。

◆ルック全体をジュエリーで格上げ

 外したり、崩したりしたら、それで終わりというわけではありません。次には、ルック全体をジュエリーで格上げします。

 黒にはゴールドのジュエリーが定番ですが、シルバーでもいいでしょう。ポイントは、ジュエリーと、バッグや靴に使われている金具の色をゴールドならゴールドに、シルバーならシルバーに統一すること。端正なドレスに、きっちり統一されたジュエリーというしっかりした枠があれば、少しぐらいの外しや崩しが入っても、そのルックが壊れるということはありません。

 シックやエレガントに仕上げる場合、コーディネート全体に使う色を3色以内におさめるのは定番ですが、通常、ジュエリーの色はこの3色には入れません。

 例えば、黒、白、ベージュの3色で全体をコーディネートして、ジュエリーがゴールドだとしても、それは1色として数えないことになっています。また同様に、色がついていないクリアなトランスペアレントも1色として数えませんので覚えておくといいでしょう。

 端正なドレスを選び、色をしっかり統一すれば、少しぐらい外しのアイテムを付け加えてみても、またアクセサリーを過剰に盛ってみても、真夏であれば、それは悪目立ちにはなりません。少し大げさなぐらいに、アクセサリーや小物を盛ってみるといいでしょう。 

<文/小林直子>

【小林直子】

ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に

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