熟年離婚した父。ゴミ捨て場をあさって、“トンデモ小金稼ぎ”をしていた

熟年離婚した父。ゴミ捨て場をあさって、“トンデモ小金稼ぎ”をしていた

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 お盆に合わせて帰省する人も多いですが、久々の里帰りに逆に疲れてしまったという話もよく聞きます。今回話を聞いた吉川由美子さん(仮名・34歳・派遣社員)もその一人。ひとり暮らしの父の身を心配し、少し早めの帰省を決めたと言います。しかし、1年ぶりの実家にはある異変が起きていました……。

「去年の年末に両親が熟年離婚したんです。なんでも新元号を迎える前に、身辺整理をしたかったらしくて。父は3年前に心筋梗塞で倒れてから、仕事を辞めて、年金暮らしになってずっと家にいるようになりました。心配になって、早めに帰省したのですが、思いもよらぬ事態になっていました」と、暗い表情を浮かべます。

◆実家がごみ屋敷になっていた

「玄関を開けると部屋の中にはモワっとした熱風が立ち込め、開けっ放しの窓からは生温い風が吹き込んできていました。父は、離婚の財産分与でほとんど貯金を取られてしまったため、老後資金が必要と節約をしていたんです。『省エネを心掛けている』と言って、エアコンを取り外していました。

 将来の不安からか、捨てられない性格がエスカレートして、部屋中にゴミがあふれかえっていましたね。部屋に入りきらなくなった、ドレッサーなど大型家具は、ベランダに放置されていました。父が住んでいる部屋は、3LDKの団地で広さもあったんです。元々は家族で住んでいたのですが、母の荷物が減った分、スペースが増えているはずだったのに……」

 由美子さんは、ほこりのせいか、咳が止まらなくなってしまったそう。

「しかも私がこの前来た時にまとめたゴミ袋がそのまま玄関に放置されていたので『なんで出していないの? 』って聞いたんです。そしたら『ここら辺は、ごみを出したら拾っていく人が多いから、まだ使える服なんて捨てたら持っていかれてしまう』と言うんです」

 しかしそんな由美子さんの父親もまた、他人のごみを拾い集めていたのです。その驚きの目的とは……

◆団地のゴミ捨て場を巡回する父親

 彼女はおそるおそる、自分が使っていた部屋に入ると、そこには信じられないような光景が広がっていたと言います。

「私が使っていた勉強机には、お世辞にもキレイとは言えない古本が積み重なっていたんです。よく見ると“空手入門”や、“春画”など意味の分からないものばかり。私が本を手に取っていると『それ商品だから触らないで』と父が言い出しました。聞いてみると、団地は高齢化が進み、終活のために本や荷物を手放す老人が増加しているみたいなんです。

 父は団地内にあるゴミ捨て場を巡回し、古本など回収していたそうなのです。しかも、ヤフオクを駆使し、拾ってきた本などを出品しているみたいでした。ガラケーからスマホに替えた父は、フリマアプリのアラームがずっとなりっぱなしでした。父は、『また値引き交渉か。しょうがないなあ』と言ったあとに、『小銭稼ぎにはなるよ』とやけに自慢げでしたね」

◆夜中に目が覚めたら、ゴキブリがいた

 由美子さんは、そんな父親の姿をどう感じたのでしょうか。

「会社員時代の父は、どんなことがあっても無遅刻無欠勤を貫く人でした。今思うと、心筋梗塞で仕事を辞めることになって、離婚もして、誰とも関わらない生活が辛かったのかもしれません。ネットとはいえ、ヤフオクにきたコメントに返信をする姿は楽しそうでした」

 高齢者の家がごみ屋敷と化すのは、認知症や精神疾患が原因である場合も。由美子さんのお父さんは、ヤフオクを楽しんでいるのでそれとは違うかもしれませんが、今後の言動には要注意ですね…。

 さて、その日の夜、実家に泊まった由美子さんを悲劇が襲います。

「就寝中、目が覚めて水を飲もうとしたら、枕元や、テレビ台、台所に置いてあった皿と皿の間からゴキブリがニュっと出てきたんです。その光景を思い出すだけでも、吐き気がしそうです。もう二度と泊まらないと決意しましたね」

―シリーズ「よくもわるくも帰省の思い出」―

<文/池守りぜね>

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