吉本騒動、芸人発言への賛否がヤフコメとTwitterで大違い。世代間の対立?

吉本騒動、芸人発言への賛否がヤフコメとTwitterで大違い。世代間の対立?

(画像:ハリセンボン公式Twitterより)

 雨上がり決死隊・宮迫博之と、ロンドンブーツ1号2号・田村亮らが、事務所を通さずに出演料を受け取る「闇営業」を行い、その相手が反社会的勢力だったことから始まった吉本興業のお家騒動。これに対する芸人たちの発言が、いちいちネットニュースになるのですが、面白いことにYahoo!ニュースのコメント欄とTwitterで世間の反応が違ったりするのです。

◆大平サブロー「こいつらふぜいが」、ヤフコメとTwitterで意見分かれる

 たとえば、ベテラン吉本芸人・大平サブローが、7月23日、ラジオ番組「こんちわコンちゃんお昼ですょ!」(大阪・MBSラジオ)の生放送で持論を展開。所属芸人たちが岡本昭彦社長の会見や、ギャラの配分の実情について発言している風潮に対して、「若い人、こいつらふぜいで、これを言うか!っていうような発信がいっぱいあるやん」「気にいらんかったら辞めろ」と白熱。

「この状況になったとたんに、火山が噴火したみたいに。この状況じゃない時に社長や大崎さんに言いに言っとけ。弱ったん見すごして、急に言い出すやろ」……と若手芸人から噴出した不満を一刀両断しました。

 この大平サブロー発言に対して、辛辣で過激な意見が飛び交うことで有名なYahoo!ニュースのコメント欄(以下ヤフコメ)では、

「一理ある。吉本という看板がなかったら仕事出来ていないんだから感謝を忘れるな」「風向きが変わった途端に所属芸人が社長を袋叩きにしてるようで怖い」「吉本のギャラが安い事は分かっていただろう。その上で本人が望んで吉本を選んだのだから辞めれば」など、賛同コメントであふれかえりました。

 ヤフコメに投稿する人は、Yahoo!ニュースの「オフィシャルスタッフブログ」(2015年9月2日)によると、突出して40代男性が多いそうです(30~50代男性が50%以上。性別だけで見ると男性が80%以上)。

 一方で、Twitterユーザーの反応は、ヤフコメとは真逆のものが多数ありました。

「ああ、このおっさんは言ってはいけないことを言ったな。日頃から会社や上層部への批判を言える環境だったらパワハラなんてない」「時代に取り残され、今に適応できない大人の典型。恥ずかしい」「仕事や会社はそんな簡単に辞められない。若手が嫌だと思わない会社を作るべきでは?」

 などと多くが太平サブローに対して批判的。プロフィールや文体から、20〜30代の男女が多いように見受けられました。

 世代によって受け止め方が違うと断言することはできませんが、太平サブロー発言同様、ヤフコメとTwitterの意見が大きく食い違ったトピックがこちら。

◆ハリセン春菜の発言にも真逆の反応

 ハリセンボンの近藤春菜が7月23日、日本テレビ系「スッキリ」で吉本興業の社長が会見をして良かったと思うことについて

「世間にこういう社長なんだ、芸人がなぜ声を上げていたかっていうのがこの会見見て頂ければ分かったと思う」

と、コメントしました。会長・社長の処分が1年間の50%減俸処分だったことに

「私としてもそれだけなんだって驚きもありますし、正直1年50%減俸するだけじゃ痛くも痒(かゆ)くもないと思うんです」

と、不満とも取れる意見を、声を震わせ泣きながら発言。それを報じた記事がYahoo!ニュースに出ると、ヤフコメにも大きな反響が寄せられました。

「春菜も冷静になって欲しい。会社への不満をメディアで言うのは危険だと思う」「テレビを通じて吉本への体制批判をする事が正義と思ってそうで不快」「不満なら辞めて別の事務所に行けばいい」と批判的意見が多数。中でも近藤春菜の発言内容より、会社批判すること自体をたしなめるニュアンスの声も目立ちました。

 一方Twitterでは

「よく踏み込んだ意見を言ってくれた」「会社からプレッシャーもあっただろうに、涙の訴えを聞いて胸が痛む、春菜さんには頑張ってほしい」「自分の意見を持つこと、自分の言葉で伝える大切さを感じた」など、春菜を応援する声が多く上がっています。

◆芸人だけでなく、世の中も世代間闘争?

 そもそも、太平サブローのコメントも、近藤春菜のコメントも、自らが所属している事務所の騒動に対する、正直な気持ちです。

 けれども、1980年代の漫才ブームで活躍し、その後いったん吉本興業を離れたのち戻った経緯も含め、苦楽を乗り越え、現在は関西中心に活躍するベテラン・63歳の太平サブローと、2004年にデビューし、出演番組数ランキング上位の常連になるなど実力も人気もあり、全国区のタレントとしてキー局を中心に第一線で活躍中の36歳の近藤春菜では、考え方が違って当然かもしれません。

 同様に、この騒動を見守っている、年齢層が高いヤフコメユーザーと、若年層もたくさんいるTwitterユーザーの意見が相違してもなんらおかしくはないでしょう。

 大きくまとめると、「吉本興業の体制に不満を持つ芸人は、嫌ならやめればいい」という意見が多いのがヤフコメ。対して、「芸人が不満をもたない会社を作っていくのが進化」といった意見が多いのがTwitter。もちろん、どちらのサイトにも様々な意見がたくさん寄せられているので、決してひとくくりにはできませんが、世代差による意見の相違が見え隠れしたことは事実です。

 オンラインの中だけではなく、実社会でも、年配者と若者で意見や考え方が食い違っているよう。

 若手芸人の発言だけではなく、岡本社長の記者会見についても

「大勢の社員を守る立場である以上、ああやって煮え切らない態度になるしかないのでは」(55歳・女性・印刷)

「芸人が所属事務所に世話になっているのは事実。若手は吉本という看板でもらえた仕事もあるはずで、騒動に便乗して文句を言うのは違う」(52歳・男性・自営業)

 という意見がある反面、

「ファミリー・親子といった価値観を、上層部が自分の都合の良い時に持ち出してくるのはどうなの?そもそも会社は家族じゃないし、上司は親じゃない」(33歳・女性・メーカー)

「紳助が2009年の『オールスター感謝祭』生放送中にトリオ芸人『東京03』を恫喝したノリや価値観。10年たってもまだ通用すると思って引きずってる人っているんだな」(42歳・男性・書店)

「加藤浩次さんなど芸人たちはみんな吉本を変えようという話をしているのに、嫌ならやめろなんて、時代に合ってない。声すらあげられない社会がいいなんて、時代遅れ」(23歳・女性・派遣)

……と、大きく感覚が違います。

 吉本興業という一企業の騒動について皆が語りたくなるのは、日本社会の縮図がそこに見えるからかもしれませんね。

 一般の会社でも、「不満なら辞めろ」という意見や、会社を家族とみなす考えは、中高年を中心に根強いもの。それに対して、働く人の権利やパワハラ問題については、若い層のほうが関心があったりします。

 世代をまたがった飲み会で吉本騒動について議論にでもなろうものなら、永遠に平行線をたどりそうですが…。

<文/満知缶子>

【満知缶子】

ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。

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