空港で働く女性、CAに注意されて赤面…休憩時間のニオイ問題

空港で働く女性、CAに注意されて赤面…休憩時間のニオイ問題

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ヨガインストラクター、ライターの高木沙織です。かつてグランドスタッフとして6年間勤務してきた私。みなさんが空港で接する航空会社の地上職員です。

「石けんとか、花のような優しくていいニオイがしそう!」、空港内や機内で働く航空会社の職員を見てこう思ったことはありませんか? 私はあります。海外留学をするために空港・飛行機を利用したとき「清潔感の塊だ」、とその働く姿を上から下までジーッと眺めていました。

 ところが、実際に航空会社で働き始めてしばらく経った頃。こんなニオイ問題を客室乗務員の方々に指摘されてしまったのです……、それでは穴があったら入りたい!な話をどうぞ。

◆数本のアホ毛もアウトな身だしなみ研修

 入社後“身だしなみ研修”の時間を設けている航空会社は多く、頭のてっぺんからハイヒールのつま先のちょっとした汚れ、かかとのダメージに至るまでそれはもうそんなところまで見る?と上司・先輩なのにもかかわらず教育担当者に突っ込みを入れたくなってしまうほどの厳しい全身チェックの日々。

 メイクや制服の着こなしはもちろん、ほんの数本のアホ毛すらも指摘されながら(これくらい見逃してよ)、と内心では思いつつ「こうやってあの洗練された隙のない清潔感を身に付けていくのか」、と思ったのも嘘ではありません。

 そして今回のテーマでもある“ニオイ”。ニオイについてのNGは、香りの強い香水やヘアスプレー、柔軟剤の使用くらいだったかなと記憶しています。

◆ロッカールームに充満するニオイ問題

 そんな感じで身だしなみはOK!な、グラホが出来上がるのですがある意外な盲点が。それは、ロッカールームに充満する“食べ物”のニオイ。

 空港内にはさまざまなレストランやカフェがありますが、どの店舗で食べても1,200円以上と結構お高い。私たちグラホの給料ではレストランでの食事はご褒美以外の何ものでもありません。ほとんどの職員がコンビニエンスストアで買ったものを、ロッカールーム内にある休憩スペースに持ち帰って食べていました。

 なかでも人気だったのは……。

 ビビンバ弁当や焼き肉弁当、カレーライス、ペペロンチーノ、あとレジ横で売られている唐揚げも高確率で買う人が多かった。激務ゆえに欲するんですよ、こういうスタミナがつくガッツリ系を。

 えぇ、ここからは言うまでもなくご想像のとおりです。ロッカールームに持ち込んでから食べている最中、食後にもしばらくニオイが残るであろうにんにくやスパイスがふんだんに使われたものを好んで食べていましたから。

◆弁当のニオイにご立腹のCA

「うわ……、ちょっと臭くない?」

「うん、これキツイね。私たちの制服とか髪にもニオイ付いちゃいそうじゃない?」

 ロッカールームの奥の方からこんな会話が聞こえてくるではありませんか。

 このロッカールームは、それぞれの制服やハイヒール、かばん、テキストなどをしまっておく個人のロッカーがズラッと並ぶだけではなく、入り口を開けてすぐにはテレビやパソコンが置かれ、食事をするためのスペースが所狭しと設けられていて、グラホだけではなく支店に配属された客室乗務員たちもここで身支度を整える共有スペースでもあったのです。

 私以外にも数人いたグランドスタッフたちの会話はピタリと止まり、その続きに聞き耳を立てるのですが聞こえてきたのは声ではなく足音。

◆優しい口調で注意、でも目が笑ってない

「あの、お食事中にすみません」

(あ、この人機内で見かけたことある。キレイだよなー)

 ふたりの客室乗務員が意を決して話しかけてきます。

「こんなこと本当に申し上げにくいのですがドアを開けたり、換気をしたりすることってできませんか? お食事のニオイが強くて、私たちのも制服も……。上司に叱られてしまいそうで……、ごめんなさい」

 気を使った言葉選びとは反対に目が怒っているではありませんか。

 でも分かります、これ逆の立場だったら同じことを思ってた。そもそもロッカールームはみんなのハイヒールや靴が置かれていていいニオイはしないんです。そのうえにんにくの強烈なニオイまでとなったら結構しんどい。ニオイうつりしないかどうか、気が気ではありませんよね。特に、狭い空間で働く客室乗務員のみなさんにとっては。

◆お弁当を持って大移動

 これには全員赤面、うつむくしかありませんでした。だって、ちょっと恥ずかしくないですか? いや、私は顔面から火が出るほど恥ずかしかった!

「身だしなみ、身だしなみ」、と外見はキレイに清潔に装っているのに食事はがっつりにんにく系って。しかもそれに苦言を呈されるって……。

 食後の歯磨きやタブレットで口臭対策をしたり、制服には無香料の消臭スプレーを吹きかけたりはするけれども、ニオイを消しきれない可能性もあるだろうし、なによりにんにくで人様に迷惑をかけていることがもう耐えられない! 穴があったら入りたい!

「すみません、本当に。私たちはオフィスの会議室で食べるので、ロッカールームはゆっくり使ってください」

 先輩がそう言い、我々はそれぞれのお弁当を手に会議室へ大移動。

「お疲れ様です。空いている会議室をお借りします」

 みんな静か。無言でモグモグ。

◆一安心かと思いきや…

(やっぱりさっきの恥ずかしいよね)

 すると外から。

「あ、誰かビビンバ食べてない?」「食べてるねー、あーお腹空いたな」って。ここでも恥ずかしいー! みんな示し合わせたかのような高速一気食いからの、会議室からの撤収。

 その日の業務終了後。当時私が憧れていた他社のパイロット訓練生のひとりから。

「沙織ちゃん、今日のお昼お弁当持ってオフィスの近く歩いてなかった?」とメールが。ここでも顔から火が。それ以来、仕事の日にはにんにく系の食事を一切摂らなくなった私でした。

 あ、そのときの客室乗務員の方たちとは別の日にロッカーで遭遇し、お互いに再度謝罪し合って打ち解けました。グラホとCA、仲が悪いわけではないんですよ!

―グランドスタッフの裏話 VOL40―

<文/高木沙織>

【高木沙織】

美容ライター/ヨガインストラクター/ビューティーフードアドバイザー/スーパーフードマイスター。多角的に美容・健康をサポートする活動を行っている。過去には『AneCan』『Oggi』の読者モデル、ファッションモデル、ナレーター等も経験。Blog、Instagram:@saori_takagi

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