毎日ポテチなどジャンクフードばかり食べた少年が失明。その裏にある怖い摂食障害とは

毎日ポテチなどジャンクフードばかり食べた少年が失明。その裏にある怖い摂食障害とは

毎日ポテチなどジャンクフードばかり食べた少年が失明。その裏にある怖い摂食障害とはの画像

 ジャンクフードは、体に良くないとわかっていても、つい食べたくなってしまうもの。でも、「そんな食事はもうやめよう」と思わせるようなニュースが世界中をかけめぐりました。

 9月2日、米国内科学会によって発行される医学学術雑誌『Annals of Internal Medicine』に発表された症例によると、イギリスの男性(現在19歳)が毎日ポテトチップスなどジャンクフードを食べ続けていたら17歳の時に失明したというもの。この少年の体に起きたこととは、いったい…?

◆ポテトチップスを食べ続けて視神経障害に

 ケースを調査した英ブリストル大学の研究者によるとこの少年が毎日の食事で口にしていたのは、「プリングルス」などのポテトチップスやフライドポテト、揚げたソーセージ、白パンなど。野菜も果物も10年ちかく食べておらず、時々食べるものといえばハムサンドイッチなどだったそう。そんな食生活を続けていたため、ビタミンB12やビタミンD、ミネラルなどのビタミン不足におちいり、視神経障害をもたらすことになったったのです。

 少年が体に異変を感じたのは、14歳のときのことでした。倦怠感を覚えて医師の診察を受けたところ、身長や体重は一般的でBMIも正常値なのに、貧血状態で大切な栄養素が不足しており視神経の障害が起きていたことがわかりました。

 少年はビタミン注射の治療を受け、肉や野菜、果物などをもっと食べるように指導を受けたのですが、15歳になると耳が聞こえず視力も悪化。17歳にはさらに症状が悪くなっており、さらなる検査の結果、ビタミンB12の欠乏と銅、セレンの栄養不足であることが判明したのです。これは栄養による視神経障害の兆候なのだそうです。

◆偏食の裏にある「回避・制限性食物摂取症」の恐怖

 現在19歳となったこの少年は、今も「回避・制限性食物摂食障害」に苦しんでいるといいます。「回避・制限性食物摂食障害」とは、食べ物の見た目や色、におい、味、食感などに過敏となり、食事を回避したり制限したりして体重減少や栄養不足が起きる疾患を言います。また、食欲がなく食べること自体に無関心であるというケースも、「回避・制限性食物摂食障害」の原因のひとつとして少なくないようです。

 この少年の場合も、家族が野菜や果物を彼に食べさせようとすると、彼は何も食べなくなってしまうため、仕方なくポテトチップスなどを買っていたのだとか。「野菜が嫌い」、「果物が嫌い」という単純でわがままな理由があったのではなく、摂食障害という病のために通常の食事を体が受け付けられなくなっていたのかもしれません。

「回避・制限性食物摂食障害」は、特に幼児期や小児期などの早い段階で発症するのが特徴です。ただ、過食症や拒食症とは違って、この少年のようになんらかの食事を食べていれば標準的な身長と体重から大きく外れることは少なく、ビタミンや栄養不足であっても外見からは「回避・制限性食物摂食障害」を見抜くことが難しいということがあります。

 この少年はITについて学ぶため大学に入学したものの、視覚と聴覚は回復が難しく、その夢をあきらめざるを得なくなってしまったそう。そして彼の母親は仕事を辞めて彼の世話をしているのだそうです。あまりにも大きな代償を払うこととなったこの少年。彼のようなケースは極端な例かもしれませんが、毎日の食べ物の大切さについて見直してみたいと考えずにはいられませんね。

<文/佐藤まきこ>

【佐藤まきこ】

女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone

関連記事(外部サイト)