彼に「口でしようか?」と聞くと止められます。なぜ?│性活相談

彼に「口でしようか?」と聞くと止められます。なぜ?│性活相談

写真はイメージです(以下同)

【AV男優・森林原人の性活相談 第157回】

◆彼のものを舐めさせれくれません

相談者:匿名・年齢不明・未婚

 優しくて仕事もスマートにこなす憧れの彼(35歳)と念願叶って交際一年が経過。今でも会えない日が続くと、苦しくなるくらい好きです。セックスでも満足させてあげたい気持ちが強いのですが、滅多にオーラルをさせてくれません。

「舐めようか?」と聞くと、「気持ち良くなってるのを見るのが好きなSだから問題ない」や、「もう入れたいから大丈夫だよ」と言うばかり…。これは本心でしょうか? これまでの男性はみんなオーラルが好きと思い込んでいて、到底信じられず……オーラルを求めない理由が本心なのか、もしくは何か言えない理由があるんですかね。

◆森林の回答

 オーラルセックスには、される側の男性が一方的に気持ちよくなる行為と捉える視点と、もう一つの捉え方があります。それは、男性器というモノを女性が“一方的”に快感に導く〈女性による男性の快感支配〉という視点です。

 この視点を教えてくれたのは、旦那さんのことは生理的に受け入れられなくなっているからセックスはしたくないけど、オーラルで発射させるだけならできると言う女性が数多くいる事実でした。

 その女性たちの言い分としては、挿入して腰を振られたり、胸やアソコを愛撫されるのは、旦那さんの意思や欲望を感じるから嫌だと。でも、女性が一方的に男性器へ刺激を与えるだけなら、旦那さんの意思や欲望を考えなくて済むので、心動かすことない単純作業として対処することができると言うのです。

 オーラルセックスにこのような捉え方があるのは、僕には想像もできませんでした。でも、性器を人格と切り離すことができるというのは、そこに意味や価値を見出さず、その行為自体が嫌じゃなければ当然できますので理にかなっています。

 この考え彼にも、逆の立場で当てはまるとしたら、Sの彼にとって、オーラルセックスは、自分の意思がなくなり、主導権を奪われ、モノとして男性器を処理されているだけのような感覚になってしまうから望まないのではないかと考えることができます。

◆最中に感じるのは快感だけではない

 セックスの最中に、ここまで考えているのかと疑問に思うかもしれませんが、行為や身体の器官1つ1つに、無意識のうちに意味付けをしている事は多々あります。(行為に対する意味付けと、体の器官に対する意味付けを別にできることが前提です。)

 例えば挿入中に、男性は自分の好きなように腰を振り、身体感覚として快感を得ていると同時に、相手の女性を征服したとか支配したと無意識に感じているなんていうのはよくあります。

 逆に、女性が上になって腰を振られたときに、物理的には男性器への刺激から快感を感じます。そして相手の女性に支配されているとか犯されているとか、みっともない姿をさらけ出させられて情けない自分が社会性から解放され、本来の自分に戻っていると感じることもあります。

 また、スローセックスでは、挿入してお互いに腰は動かさないから肉体的な快感はそれほどないけども、相手との一体感を精神的に強く感じ、受け入れられていると思い、受け入れられた自分に対して肯定感を強く持ったりします。

 オーラルセックスは、生殖に結びつかない行為ですから、快感を生み出すためだけの行為と思われがちですが、生殖の意味を見出せないからこそ、快感以外の他の意味も強く見いだすことができるわけです。

 Sであると自称する彼が、オーラルを求めないのは、くわえさせるという意識より、くわえられちゃってると立場の変換を感じたり、くわえさせてあげちゃったことで演じているキャラのブレを感じてしまうという可能性があります。

◆性器嫌悪の可能性もあるかも

 もしくは、女性に多い、性器嫌悪が彼にあるという可能性もあります。性器嫌悪とは、自分の性器を過度に不潔や罪深い場所と思い、そこを愛撫され快感を得る事に拒絶感を持ったり、そこを舐めることで大切な相手が汚れてしまうとイメージしてしまうことです。クンニを嫌がる女性の根っこには性器嫌悪があります。

 細かい事まで説明すると、クンニを嫌がる女性は、性器を愛撫されることで快感は感じるので、刺激されること自体を拒否しているわけではなく、手でされるのはいいけど口でされるのは嫌だと多くの人が言います。

 それはイメージ的に手よりも口の方が相手のハートに近い箇所なので、手はその後のセックスの最中舐めたりせずにいられるけれど、口はその後キスするときに気になっちゃうから汚さないでおいてというわけです。口は体の内側につながる入り口ですから、手よりも大切な場所、神聖な箇所と捉える事は、セックス中だけのことではなく日常やあらゆる文化の儀式に見られます。

 性器に彼がどのようなイメージを持っているのか、手や口にどのようなイメージを持っているのか、挿入することでどのような状態や関係性になるとイメージしているのか、そこら辺を解明していければ答えが見つかる気がします。

 もし性器嫌悪だった場合は、今まで育ってきた過程で、特に性に目覚めるより以前に、必要以上に男性器を汚いと思わせる教育をされてきたんだと推測されます。それを取り除くのは一筋縄ではいかず、時間をかけて少しずつ変化させていくしかありません。

 と同時に、その性器嫌悪が欲情のトリガーになっている可能性が高くありますので、それをなくしてしまうと、性欲の量や方向性や質が変わってしまい、あなたにとって物足りないものになってしまう可能性があることも知っておいてください。

◆どうしても理由が知りたいなら

 それからもう一つ考えられる可能性は、以前経験したオーラルセックスで、性器を噛まれたり歯が当たったりして嫌な思いをしたから、もうそれはいいやと思ってるというケースです。

 いずれにしても、性に関する思いを深いところから吐き出させるのは簡単ではありません。それを、弱みを見せることだと感じる人が多いのです。Sな彼氏は人一倍そうでしょう。どうしても彼の本音が知りたいのなら、第三者に頼んで聞き出してもらうことが最善だと思います。それが難しいなら、彼が言葉にしたものをそのまま受け入れましょう。

 彼が望んでいないと言葉にしているのですから、それを受け止めるのが、彼にとって1番居心地良いはずです。男女逆の立場で考えて、女性が「イカなくても大丈夫」と言っているのに、本当はイキたいんだろ?!としつこくする男性が嫌われるのと同じドツボにハマらないようにしてください。

<文/森林原人>

【性活相談者を募集!】

森林原人さんに悩みを相談したい方は、こちらのお問い合わせフォーム(https://joshi-spa.jp/inquiry)まで、お名前はハンドルネームまたは匿名希望、題名の冒頭に【性活相談】を入れ、お送りください。

※相談内容の一部を変えて取り上げさせていただく場合がございます。

【森林原人】

1979年生まれ。1999年にAV男優デビュー。出演本数1万本。経験人数9千人。セックスの虜になり道を踏み外したと思われているが、本人は生きる道を見つけられたとむしろ感謝している。著書に「イケるSEX」(扶桑社)他。性と向き合い、性を知り、性を楽しむためのサイト「リビドーリブ」とオンラインサロン「森林公園」を運営。★Twitter(@AVmoribayashi)

関連記事(外部サイト)