高良健吾が地元を愛する青年役に「地元の河川敷は大切な場所です」

高良健吾が地元を愛する青年役に「地元の河川敷は大切な場所です」

高良健吾さん

かねて熊本への地元愛をオープンにしている高良健吾さん。富山県を舞台にした、現在公開中の『おもいで写眞』では、地元を愛し、町役場に勤める青年・星野一郎に扮しています。

 祖母が亡くなったことをきっかけに帰郷した主人公の結子(深川麻衣)に、幼なじみの一郎が、お年寄りを相手に遺影写真(「おもいで写真」)を撮る仕事を紹介したことから、物語が動いていきます。

 少々気の強いヒロインを、穏やかに受け止める一郎を演じる高良さんにインタビュー。自身は、特に10代20代は、自分が思うように「相手のことを変えようとしていた」と振り返る高良さん。現在、感じている変化や、上京時のこと、故郷への思いなどを聞きました。

◆一郎と結子はいいコンビ

――演じた一郎の印象を教えてください。

高良健吾さん(以下、高良)「その人らしさを大切にできる人だなと感じました。主人公の結子は、相手のらしさを大切にできないこともあり、周囲と衝突したり、人が大切にしている思い出を壊してしまったりするのですが、そんなところも、一郎は結子らしさだと受け止めて接します。

 でも一度だけ、結子に『それは違うだろう。その人にとって大切なものは大切にしないと』と言うんです。言うべきことを、言うべきポイントでポンという。だけどそのあと、言い過ぎかなと思って謝りに行ったりする。優しい人だと思います」

――確かに結子はまっすぐすぎて、時に我が強く出てしまいます。でも、そんな結子に一郎は惹かれていますね。

高良「結子は一郎にない部分を持っています。夢を追いかけて東京へ出たこともそうだし、あそこまで我を通すところもそう。いいコンビだと思います。お互いのない部分を補えるのかなと。それから、ふたりは幼なじみなので、一緒に過ごしてきた歴史もあるのだと思います」

◆10代20代の頃は相手を変えようとしていた

――高良さんご自身の性格は、一郎と結子とどちらのタイプですか?

高良「10代20代のときには、『自分はこう思う。だからこうしたい』という我の強さがあったと思います。でも少しずつ変わってきているんじゃないかな」

――とても落ち着いた印象の高良さんですが、そんな頃もあったんですね。

高良「10代20代の頃は、『こうじゃん。こうしたほうがいい』と、相手のことを変えようとしていたのかなと思います。友達でも恋人でも家族でも。自分がいいと思ったものを相手にもいいと思ってほしい、思うべき、くらいに思っていたかも(苦笑)。それで相手を困らせたり、自分自身も苦しくなったりして。反省ですね。今は、そういうのは違うなと思うようになりました」

◆「おもいで写真」を撮るならどこで?

――逆に「自分、全然変わってないな」と思うところはどこですか?

高良「うーん。自分では変わったなと感じる部分のほうが多いんですよね。でもそういうものだし、変わっちゃったことを否定するのも嫌だし。あ、でも熊本を好きなことは変わってないです。地元の景色とか、阿蘇山が好きだったり、スーパーで熊本産のものが売っていたら買っちゃう(笑)。そこかな」

――本編では、お年寄りたちが、自分が大切にしている場所やシチュエーションで「おもいで写真」を撮ります。高良さんが、現時点で「おもいで写真」を撮るなら、どこで撮りたいですか?

高良「やっぱり熊本です。もう東京のほうが長いんですけどね。まだ何者でもなかった、ただの学生だった頃に、よく集まっていた河川敷で撮りたい。なんってことのない河川敷なんですよ。でも自分にとっては大切な場所です」

◆上京した“せいで”から、上京した“おかげで”へ

――一郎は地元で就職し、結子は一度東京へ出ました。高良さんは、ご自身の上京という決断をどう振り返りますか?

高良「出てよかったと思っています。上京してよかった。だけど地元に残ったら残っていたで、絶対に楽しんでいると思う。というか、10代20代の頃は、上京した“せいで”こんなことを思ってしまう、感じてしまう、という思いが大きかったんです。

 でもいまは、“せいで”ではなく、“おかげで”と言える。本当にいろんな価値観に触れられて、いろんな世界を見せてもらっています。もし地元に残っていたら、結婚をして子どもがいるかもしれない。それでも楽しんでいた自信があるけれど、今は、上京しても楽しめる自信がつきました。最近ですけどね」

◆自分自身を大切にしたい

――まだ33歳ですが、これからどんな大人の男になっていきたいですか?

高良「説得力のある人に憧れます。説得力にはいろいろあるけれど、その人自身がその人であることというか、その人が自分自身を大切にできているってことかなと思います」

――そうなってきていますか?

高良「前よりは(笑)」

――最後に公開にあわせてメッセージをお願いします。

高良「年齢を重ねれば重ねるほど、過去を振り返ることも多くなると思うんです。でもそれは全然ネガティブなことじゃなくて。そうしたときに、自分にとって大切な思い出であれば、人に何を言われようと大切にすべきだと思います。そう思えるのがこの映画のいいところだし、自分らしさを大切にできている時には、身近な人も笑顔になっていると思います」

(C) 「おもいで写眞」製作委員会

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

関連記事(外部サイト)