「えっ香典に領収書?」北海道のお葬式でビックリ連発

「えっ香典に領収書?」北海道のお葬式でビックリ連発

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 最近は簡素化されているというお葬式。家族や親族だけで済ませる「家族葬」、葬儀を行わずに火葬場でのお見送りのみの「直葬」が増えています。

 ただし、その一方で地方では従来通りのやり方の葬儀がまだまだ主流。とはいえ、お葬式の慣習などは地域によって異なる部分もあり、驚くこともあるようです。

◆弔問受付での記帳はなし・香典に領収書

「お葬式なんてどこも同じだろうと思っていましたが、ところ変わればこんなに違うんだなぁって。不謹慎な言い方かもしれないですけど、すごく新鮮でした」

 そう話すのは、函館出身の夫を持つ榎本未央さん(仮名・34歳/印刷会社)。今から5年前、北海道在住のご主人の大叔父が亡くなったそうで、夫婦でお葬式に参列。夫方親族の葬儀はこれが初めてでしたが、通夜会場での弔問受付からして彼女が知っているお葬式とは違っていたといいます。

「受付での記帳がないことにまずビックリしました。でも、それ以上に驚いたのは、香典袋を渡したら、その場で袋から包んだお金を出して確認し、領収書を渡されたんです。まさか領収書がもらえるなんて思っていませんから頭の中はクエスチョンマークでいっぱいでした」

 この香典の領収書は、北海道のお葬式では一般的なもの(※千葉県の一部地域でも行われているそうです)。しかも、会葬礼状(※お葬式参列者への礼状)や香典返しもその場で渡されたそうです。

「葬儀の帰りに渡されたり、後日送られてくるものじゃないんだって。

 それと香典って人によって包む額が違いますけど、全員一律でお茶の詰め合わせでした。それもせいぜい1000円程度のものにしか見えず、今まで参列したお葬式で頂いた香典返しより安っぽいかなって。ただ、香典返しって無駄に高いモノもあるし、こっちのほうが合理的かなと思いましたけどね」

◆函館では通夜・告別式の前に火葬?

 ちなみに北海道では香典返しは即返しが主流。しかも、半返しの習慣はなく、金額に関係なく参列者にはお茶のほか、海苔やコーヒーなどの比較的安いものが渡されます。

「あと、葬儀の流れもちょっと違うみたいで私たち夫婦が着いたとき、すでに火葬されちゃっていたんです。火葬場って最後に行くものだと思っていたので、すごく不思議な感じがしました」

 この通夜や告別式の前に火葬を行うのは、北海道でも函館やその周辺などの一部地域のみ。なぜそうなったのかは定かではありませんが、1155人の死者・行方不明者を出した1954年の青函連絡船・洞爺丸事故で処理上の問題で遺体を先に火葬したことが一般に定着した説、ほかにも伝染病予防説、身内に不幸があってもすぐに戻れない遠洋漁業の船員のために先に火葬したことが広まったなどの諸説があるそうです。

◆祭壇前で親戚一同の記念撮影

 「一応、不安だったので事前に主人に確認していたのですが、『北海道も道外も葬式なんて一緒だよ〜』ですからね。テキトーなこと言うなよって後でシメてやろうと思いましたが、お義父さん・お義母さんに伝えたら『お前はまったく……』と代わりに叱ってくれたので胸がスーッとしました」

 ほかにも喪主とは別に、亡くなった大叔父が住んでいた地域の町内会長が“葬儀委員長”としてお葬式を取り仕切っていたこと、赤飯の白米バージョンの「黒飯」が出されたこと、祭壇の前で親戚一同が記念撮影を行ったなども未央さんにとっては初めての経験。

 亡くなった大叔父は大往生だったため、お葬式自体は和気あいあいとした雰囲気だったといいます。

「違いがあまりに多すぎで、それが面白かったです。お葬式の感想でこういう言い方はマズいのかもしれませんけど(笑)」

 近頃は日本各地でも独自の様式が少しずつ廃(すた)れてきているそうですが、歴史の浅い北海道ですらご当地ならではお葬式のスタイルがあります。ほかにも北海道では、結婚式も会費制でご祝儀はいらないスタイルが一般的です。

 みなさんがお住いの地域、出身地にも知らないだけで、実はいろんな習慣やルールがあるのかもしれませんね。

―冠婚葬祭・式典のトンデモエピソード―

<文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>

【トシタカマサ】

一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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