「東京だの六本木だの調子に乗ってる」と夫の地元友達に言われ…カルチャーショック

「東京だの六本木だの調子に乗ってる」と夫の地元友達に言われ…カルチャーショック

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 夫の地元コミュニティの人々に初めて会う時には緊張したという人もいるのではないでしょうか?

 そんな時にお互いの価値観が大きくちがった場合には、手荒い洗礼を受けることも…。

 都内の某玩具メーカーで働くカエデさん(仮名・29歳)は、生まれも育ちも東京都。職場恋愛だったマコトさん(仮名・29歳)とは結婚して半年になります。

 お盆休みに、夫婦でマコトさんの実家のある山形県を訪ねたときのこと、カエデさんは大きなカルチャー・ショックを受けたのでした。

◆夫の中学時代の同級生たちと飲むことに

 カエデさんにとって山形県は、結婚の挨拶に続きこれが2回目。山間にあるマコトさんの実家は、前回同様温かく迎えてくれました。お墓参りなどを済ませて実家で過ごしていると、マコトさんのスマホが鳴りました。

 電話の主は地元に住む中学時代の同級生で、どこから聞きつけたのか、マコトさんが夫婦で帰郷していることを知っていたのです。その情報網の早さにカエデさんが驚くと、マコトさんは「よくあること」と笑いながら、

「今夜、中学の同級生たちが集まって飲むから、奥さんと一緒に来ないかってさ。もしよかったら、カエデのことみんなに紹介したいなと思うんだけど、どうする?」

 出席者は県内に住む人たちばかりで、マコトさんも久しく会っていないとのこと。同級生に紹介してもらえることを嬉しく感じたカエデさんは、マコトさんの提案を快諾しました。

 地元の居酒屋には、すでに男女計8人が集まっていました。カエデさん夫婦が到着すると、久しぶりの再会と結婚の祝福で、一気に場はにぎやかに。けれどもカエデさんの挨拶に対しては、女性陣の反応は極めて薄いものでした。

 同級生とマコトさんの会話のなかで、カエデさんが東京出身であることと、夫婦の家と勤務先が都内であることが伝わると、女性陣はまるでカエデさんの存在が見えていないかのような態度をとるように……。

◆標準語に苦笑いされ「東京だの六本木だの」「調子に乗ってる」

「私が標準語だったからなのか、まず最初に話したときに苦笑いされたように感じました。気のせいかな? と思ってあまり気にしないようにしましたが、それ以降、私が会話に参加すると発言をスルーされたり、目を合わせてもくれなかったり……」

 せっかくの同級生同士の飲み会に、部外者の私が来てしまってよかったのか…。少々肩身の狭い思いでいるカエデさんを察してか、マコトさんについて、中学時代のことや、印象に残っている出来事などを話して聞かせてくれたのは男性陣でした。これには女性陣も、カエデさんには話しかけてくれないものの、一緒になって盛り上がり、思い出話に花が咲きました。

 その成り行きで、男性陣から訊かれたマコトさんとの馴れ初めについて、カエデさんが短くまとめて話す場面がありました。職場で出会ったこと、あるとき仕事の帰り道で一緒になって、六本木のイルミネーションを一緒に見たのがきっかけでデートするようになったこと……。話し終わる間際に、女性陣が鼻で笑ってこう言いました。

「東京だの六本木だの」

「調子に乗ってる」

 それは女性陣のなかでの会話のようでしたが、声の大きさはその場にいた全員に聞こえるものでした。

「別に調子には乗ってない(笑)」

と、マコトさんと男性陣が冗談ぽく言ってフォローします。

◆「東京生まれなのに東大に行ってないのは中途半端」?!

「わざと聞こえるように言ったのかな、と思ってしまいました。

 あとから夫に聞いた話では、女性たちのなかに、東京で結婚すると言って上京・就職したけれど、うまくいかずに1年くらいで戻ってきて、結局地元で結婚したという人がいたそうです。『コンプレックス刺激しちゃったのかもね』って……」

 カエデさんは苦い表情で続けます。

「ただ、男性たちにも、ちょっと引っかかるところはありました。地元の公立高校から、地元の国立大学に行くのがエリートだという話になって、私の地元が東京都なのに東京大学に行ってないのは中途半端って言われたんです。山形なら山形大学、東京なら東京大学でしょ、みたいな。

 私の出身大学はMARCH(※大学の難易度によるグループ分けのひとつ。明治M、青山学院A、立教R、中央C、法政Hの5大学を指す)で、人によっては中途半端って思うのかもしれないですが、さすがにちょっと嫌な気持ちになりました」

◆車がステイタスの彼らにとって軽自動車は笑う対象

 その他、カエデさん夫婦の所有している車が軽自動車だとわかったときには、「はいはい軽ね」と笑われる場面も。実際のところ、もちろん県内でも軽自動車に乗っている人は多いのですが、少しでも良い車に乗っていることがステイタスなのだとか……。

「夫と、『今後は実家以外には立ち寄らないで帰ろうね』って話になりました」

 地方出身の友人もたくさんいるカエデさんにとって、思いも寄らない展開となったこの出来事。ごく一部の人たちのことと捉えながらも、強烈なイメージとして脳裏に焼き付いてしまったと言います。

 あえて積極的に関わらないことが、今のところは正解と考えているそうです。

−シリーズ「地方の闇/都会の闇」−

<文/船田 ゆかり イラスト/カツオ>

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