阿部寛『まだ結婚できない男』、偏屈男の熱いメッセージに感動

阿部寛『まだ結婚できない男』、偏屈男の熱いメッセージに感動

『また?結婚て?きない男』公式サイトより(関西テレヒ?放送 カンテレ)

 俳優の阿部寛(55)主演のドラマ『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時〜)の第一話が10月8日に放送されました。2006年に放送された前作『結婚できない男』から、13年の時を経て帰ってきた、阿部演じる桑野信介。53歳になっても変わらないどころか、偏屈さに拍車がかかった桑野さんにSNSは大賑わい。ツイッターでは「桑野さん」がトレンド世界1位となりました。

◆13年たっても、クセの強い主人公

 建築士の桑野は独善的で皮肉屋。「結婚にはリスクしかない」という主義を持っており、本人はあえて結婚をしないスタンスを貫いています。しかし、ドラマの冒頭の10分で、結婚する・しない以前に桑野の性格に問題があることがわかります。

 桑野は新婚夫婦のために家を設計するのですが、本人たちを目の前に「いつ離婚してもいいよう、将来的には賃貸に出せる設計にしました」と堂々と説明してしまうように、デリカシーがありません。そして、仕事場の前に葉っぱが1枚落ちているだけで不機嫌になる潔癖さ。加えて、「はぁ〜、困った」とわざとらしい困ったオーラを出し、部下に「何かあったんですか?」と聞かせてから、自分の話をするという面倒臭い性格です。

 さらには、インターネットでのエゴサーチが日課というプライドの高さも持ち合わせており、かなりクセの強いキャラクターであることがわかります。

 しかし、そんな桑野を阿部が演じることでかわいげが出て、見ているとクスリと笑ってしまいます。徹底的に作りこまれた桑野の設定と、桑野が憑依した阿部の演技はこのドラマの見所です。

◆匿名ブログで非難され激怒、弁護士に相談に行くが…

 第一話は桑野の日課である「エゴサ」を起点に話が展開していきます。

 桑野は自分の名前をネットで検索すると、自身を批判している「やっくんのブログ」が検索ランキングで上位に出てくることにイラついていました。匿名のブログ主であるやっくんは、桑野を「三流建築家」と酷評。さらに「やっくんのブログ」は日に日に検索ランキングの順位を上げており、我慢の限界に達した桑野は、弁護士に相談をします。

 桑野が相談したのは、近所に事務所を構えていた弁護士の吉山まどか(吉田羊)でした。桑野はまどかに対してもデリカシーのない発言を繰り返します。

 独身のまどかが「仕事を優先させたから、結婚しなかった」と身の上話をすると、「自分の状況を一般化することで、責任を回避しようとしている」と指摘。まどかの仕事に対しても「弁護士は関わる人間の4分の3を敵にする仕事」と発言します。これに対し、まどかも「誹謗中傷されるのは、敵を作りやすい桑野の性格にも原因がある」と応戦しますが、桑野は聞く耳を持ちません。

 さらに、疑り深い桑野はまどかが担当する離婚裁判を傍聴しに行き、まどかの弁護士としての腕を確認します。

 まどかは、夫からの離婚の申し出に賛同しない妻・岡野有希江(稲森いずみ)の代理人をしていました。原告である夫は不倫の疑いはあるものの、証拠はなく、まどかは苦戦していました。

 桑野の匿名ブログ訴訟に、まどかの離婚裁判も加わり、今後の展開が見ものです。

◆「結婚していてもしていなくても、人生の本質は変わらない」

 第一話の後半で、桑野は「未来の建築を考えるシンポジウム」の講演をすることになります。

 そこで桑野は、寿命が延びて人生100年の時代が来ることに触れ、「人生が長くなるということは不安も増えるが、チャンスも増えて希望も生まれるでしょう」とスピーチをします。そして「結婚していてもしていなくても、必ずセカンドステージがやってくる。結婚してもしなくてもセカンドステージが幸せかどうかは関係ない、そこに人生の本質はありません」と訴えるのでした。

 このスピーチこそ、『まだ結婚できない男』のテーマになっているのではないでしょうか。結婚できない男像をコミカルに描いていた前作から13年たち、結婚に対する価値観は大きく変化しています。

 今作品は独身のまま人生の折り返し地点に来た桑野が、セカンドステージでどのような希望を見せてくれるのか、期待が膨らみます。桑野の恋の行方も気になります。

 第二話では、桑野が婚活アプリに登録をしています。桑野はどんな女性と出会うのか今夜の放送が楽しみです。

<文/瀧戸詠未>

【瀧戸詠未】

ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

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