ちょいエロ副業の舞台裏。1日2万稼げるチャットレディで心が壊れた

ちょいエロ副業の舞台裏。1日2万稼げるチャットレディで心が壊れた

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「楽に割よく稼げたら……」、夢のある話ですね。しかし現実は今も昔もそう甘くはないようで、おいしい仕事を求めて「チャットレディ」や「テレフォンレディ」経験のある二人の女性に話を聞いてきました。

◆趣味にお金がかかり過ぎて、常に金欠

 一人目の、卯月さん(仮名、25歳)は販売系の仕事のかたわらで、チャットレディ(カメラで映像を映しながらの配信や、男性とチャットや通話をする。アダルトとノンアダルトで会話の内容は異なる)の副業をしていたのだとか。「実家暮らしなので、普通に暮らしていれば別に困るお給料ではないはずなんですけど……」とその内容を教えてくれました。

 いわゆる“2.5次元”(漫画やアニメ、ゲームが原作・原案の舞台やミュージカル)が趣味の卯月さんにとって、お金はいくらでも欲しく、「割のいい仕事を探していたらたまたま見つけた」というのが「チャットレディ」の仕事でした。調べてみると徒歩圏内にも事務所があり、「仕事中はマスク着用」という文言に背中を押され、物は試しで面接へ。とんとん拍子で働くことになったのです。

「割と童顔なので、3歳くらいサバを読んで21歳という設定で始めました。いくつだろうが衣装は、絶対に店長こだわりのラルフローレンの制服。場所は普通のファミリー向けマンションで、一部屋を与えられて、そこにはベッドとパソコンとカメラと、大人のおもちゃ、あとはなぜか尿漏れ用のシートがありました(笑)。しばらくして、それは想像力引き立てる用だなってわかったんですけど」

◆チラリズムでどれだけ引っ張れるかが勝負

 これ以外に体験入店してみたお店は、いわゆる雑居ビルの一室で仕切りがある程度だったそうなので、お店の形態はそれぞれのようです。そして、「割がいいバイト」と言うからには気になるのは時給ですが……、卯月さん曰く「時給1万円は固かった」とのこと。

「いわゆる一対一の個人チャットもできるけど、1時間3000円くらいしか稼げないので、基本的に大人数向けの配信をやっていました。1分につき一人が見ていてくれた時の相場は30円なんですよ、でも私の働いてたお店は基本1分60円。しかもエリアの中でもたまたま還元率がいいお店だったみたいで、コンスタントに10人見ててくれれば、一日2時間で2万円は稼げました」

 ただその2万円も、考えなしでは稼げないと言います。「最初はただ脱げばいいと思っていた」とその極意を説明してくれました。

「まずは無料で一時間配信するんですよ。ここでポイントなのが、最初はとにかく着込んでいくこと。見てくれてる人の『もう少し見てれば、もっといいもの見られるかも』って気持ちをどれだけくすぐれるかが、売れるか売れないかの分かれ目なので。徐々に脱いでいきつつ、さっきの尿漏れシートじゃないですけど、いろんなアイテムを見せて、『どんなことしてくれるの?!』みたいなスケベ心をとにかく煽り続けて、ほどよきところで『そろそろ有料に行こっかな〜』なんて言いながら、移行するんです。店長が『見せればいいわけじゃない』って言ってたのは、今でも覚えてますね(笑)」

 なんと凄い人は、月に一回5時間の出勤で30万円稼いでしまうほど、“割”は確実によかったチャットレディのバイト。やめてしまった理由は何なのでしょうか?

◆「見られるのが好きなんでしょ?」に疲れた

「見られるのが好きな女という前提で話しかけてくるし、全員下ネタしか言わないから精神がやられますね。『見られるの好き?』『最近したのいつ?』『どんなプレイが好きなの?』とか。たまに誹謗中傷もくるから、スルースキルも求められる。絶対に稼げ続けられる保証もないし、すり減る感じに疲れてやめちゃいました。

 あとは、配信形式をとっていると、初見さんを捕まえるために、とにかくランキング上位にいることが大事なんですよ。土日の夜とかは人気な子がいるので、土日のお昼とか変な時間が稼げる、そうすると本業の都合上なかなか時間を作れないことも多くて……っていうのもやめた理由の一つですね」

 販売業で培ってきたコミュニケーション能力をもってしても、苦労したとなれば相当ひどかったのでしょう……。「架空の人物をきちんと作れる人は向いていると思います。あとは人を煽るのが好きな人とか(笑)」と卯月さんは教えてくれましたが、なかなか当てはまるのは難しそうです。

◆毎日出社。個室にこもって電話対応

 二人目の麻友子さん(仮名、38歳)がバイトをしていたのは、インターネット上の出会いが一般的ではなかった頃の、テレフォンクラブ、いわゆるテレクラです。テレクラ(テレフォンクラブ)とは、男性が電話をかけて、女性とエロティックな会話を楽しむもの。現在でも「テレフォンレディ」で検索すると、求人がズラッと出てきます。サクラとして電話対応していた麻友子さんは、「意外と企業努力が欠かせない」と教えてくれました。

「勤務形態は普通のアルバイトとそう変わりませんが、まずはオフィスに出社します。オフィスといっても事務所ではなく、マンションの1フロアのようなところ。そこに電話が置かれた待機個室が複数あり、出社連絡をしたらどこかの個室に入室します」

 一畳ほどのスペースの個室には、電話とテーブルと座布団があるだけ。喫煙は自由なため部屋は汚く、あまり居心地は良くないとか。待機中はゴロゴロしてもいいし、共有スペースにある雑誌などを持ち込んで読んでいても大丈夫というのは、少し羨ましいところです。

 ちなみに真面目な麻友子さんは大学の課題をしつつ電話を待っていたといいます。電話が鳴ったら取ってもいいし取らなくてもいいのですが、取らないと時給は発生しないので、稼ぐにはきちんと対応する必要が……。

「私は電話が来たらなるべく取り、世間話で時間を稼いでいました。わりと真面目だったので、いい成績を残していたと思いますよ」

 そう話す麻友子さんですが、男性側は世間話を求めているわけじゃありません。その多くは下心全開のいわゆるオトナの会話……。

◆下心全開トークにどう対応すべきか

 テレクラとは色んな人がいるもので、「今どんな格好なの?」「こんな電話使って、エッチな気分なんでしょ?」「今全裸なんだけど……」と、受話器を取った瞬間オジさんの妄想全開トークが始まるのはしょっちゅうで、時には「ハアハアハア」と、受話器を上げた瞬間から何かがスタートしているような日も多いと麻友子さんは言います。

 それでもお金を稼がねばいけない麻友子さんは必死です。オジさんのテンションに合わせて色んな女を演じますですが、とはいえ、苦労は尽きません。

「正直エロい女を最初から要求される方が、相手の都合のいい空気を演出すればいいだけなので簡単です。でも困るのが、『エッチな音』を要求された時です。エッチな声は出せばいいのですが、音? え? 音ってどこから何を聞かせればいいの? と、かなり困りましたね」

 要するに濡れているような音を聞かせてあげればいいのですが、そんなの演技で聞かせることはできません。困り果てた麻友子さんは対応できず悔しい思いを何度かしつつも、研究に研究を重ねました。

「まず、プリンやゼリーを買ってみました。混ぜるグチュグチュって音がそれっぽいかなと……でも音はあんまり聞こえなくて、逆に容器にスプーンが当たるカツカツって音がするので諦めました。次にペットボトルを倒したりする際に出るチャプンという音はどうかと思いましたが、これもいまいち。結局口で『ペチャペチャ』みたいな、それっぽい音を出して対応することにしました。大体の人が納得してくれましたが、よくよく考えたら、これって一体何の音だよって感じですよね!」

 こうして苦学生時代を乗り切った麻友子さん。簡単という触れ込みに押されてやっていたとはいえ、中で知り合った人の中には、会話が続かず全然稼げない人も。簡単に稼げるものは世の中ないし、何事も企業努力は欠かせないと、当時の麻友子さんは痛感したそうです。真面目かっ!

―シリーズ「お金がない!」―

<文/しおえり真生 イラスト/ワタナベチヒロ>

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