浄水器で50万円ぼったくられた義母。“健康セミナー”でダマされる人たち

浄水器で50万円ぼったくられた義母。“健康セミナー”でダマされる人たち

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振り込め詐欺をはじめ、さまざま詐欺や怪しげなビジネスのターゲットにされている高齢者。なかでも昔から多いのが、ありもしない効能を謳って高額な機器や健康食品などを売りつける、健康商法とも呼ばれる悪徳商法です。

 山村弘子さん(仮名・35歳)の姑も数年前、「身体にいい」と言われて高額な浄水器を購入してしまったそうです。

◆ただの浄水器を「身体が浄化される」と信じて購入

「ウチからは少し離れていましたが、ときどき子供を連れて義実家を訪ねていたんです。ある時、『この前、浄水器を買ったのよ〜』ってうれしそうに話し始めたんです。

 でも、お義母さんの口から飛び出したのは、『この水を飲むと、病気にかかりにくくなる』や『身体が浄化される』といったいかにも業者の受け売りっぽいうさんくさいフレーズ。本人も身体の調子が良くなったと話すので流しに設置していた実物を見せてもらいましたが、どこからどう見ても普通の浄水器でした(苦笑)」

 当時、姑はすでに70代前半。まだ老け込むには早い年齢ですが、舅をその2年前に病気で亡くしており、それからはあまり元気がなかったとか。弘子さん夫婦は同居を申し出ましたが、家を離れたくないと拒まれたので、たまに顔を出していたそうです。

◆50万円でボッタクリだが義母には言えなかった

「しかも、値段が50万円と聞き、無理矢理にも同居するべきだったと後悔しました。私の家にも浄水器を付けていて、買うときにいろいろ調べたので多少は知っていますが、これは高すぎます。お義母さんがどこかの悪徳業者にダマされて、ぼったくり価格で買ったのは明らかでした」

 ただし、そのことをここで本人には指摘できませんでした。

「事実を知ったらショックを受けてまた落ち込んでしまうと思ったからです。それにこの時点で契約解除が可能なクーリングオフ期間はとっくに過ぎていました。

 ですが、今後も同じような何か買わされたり、ダマされる可能性はあるじゃないですか。そこでまずは夫に事情を説明し、どうするか一緒に考えようと思ったんです」

◆義母は高いサプリも大量に買わされていた

 自宅に戻った後、仕事を終えて帰宅した夫に一部始終を話すと、その場で大きなため息をついて頭を抱えてしまったそうです。

 とはいえ、義実家は夫の会社からあまりに遠すぎるため、同居するのも難しい。また、認知症ではないため、離れて暮らす姑の預金通帳を弘子さんたちで管理するのも現実的ではありません。

「結局、その場で結論を出すことができず、いったん保留にして様子を見ることにしました。ただ、私のようによく実家に顔を出している義姉とは情報を共有しておこうと、浄水器のことを伝えておきました。

 すると、近々に実家に行く予定だったらしく、『ほかに妙なモノを買ってないか母にそれとなくたずねてみる』と話していたのでひとまず任せることにしました」

 結果、高齢者向けの健康セミナーに参加していることが判明したのです。

「それも何度もいろんなセミナーに通っていることがわかりました。しかも、浄水器ほど高額ではなかったですが、ドラッグストアなどで売っているモノよりは明らかに高いサプリメントを1年分といって一度に大量に買わされていたんですよ。

 ただ、私の立場ではお義母さんに注意しにくいので、夫と義姉が2人で本人と話をすることになったんです」

 姑は最初、悪徳商法だと疑っている様子はなかったそうですが、実の子供2人が何度も時間をかけて説明。すると、ようやく姑も自分がダマされているということを理解してくれたといいます。

◆会場に集めて売りつける「催眠商法」

「私にも心配をかけてしまったことを謝ってくれましたが、やっぱりショックだったみたいで落ち込んでいるのがわかりました。

 近所のお友達に誘われてセミナーに通い始めたそうなんですけど、同年代の高齢者がたくさん来ていて話し相手が多いからってそれで何度も行くようになったみたいです」

 高齢者などを会場に集めて、うまいこと盛り上げて商品を売りつける手口は「催眠商法」とも呼ばれ、1990年代から問題になりました。無料商品をプレゼント、として客を集めるケースも多く、いまも警察がHPで注意を呼びかけているほど。ダマされる人が後を経たないのです。

 話し合いの末、姑が高い買い物をする場合は、事前に義姉か夫、弘子さんのいずれかに事前に伝えるというルールを設けることで決着。今でも健康セミナーに通うこともなくなり、今回の浄水器のような高額商品を買わされる被害には遭わなくなったそうです。

「私たちも何でもかんでもダメと言うわけではなく、明らかにおかしいと思った場合しか言わないようにしています。そのせいか、ちゃんとしたメーカーのものでそんなに値段も高くないですが、相変わらずいろんな健康器具や健康食品を買っているみたいです。まあ、半分趣味みたいなものなのでそこは本人に任せていますけどね」

 しかし、一度でも悪質商法に引っかかった場合、購入者のリストが業界内に出回り、何度も似たような被害に遭う人も。そうならないように家族としてしっかり見守ってほしいものです。

―シリーズ「トンデモダイエット・トンデモ健康法」―

<文/トシタカマサ イラスト/真船佳奈>

【トシタカマサ】

一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。

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