間宮祥太朗「殺す」が口癖の高校生役に。「素の自分が出ていると思います」

間宮祥太朗「殺す」が口癖の高校生役に。「素の自分が出ていると思います」

間宮祥太朗さん

 Twitterから誕生し、“泣ける4コマ”として支持を得た原作漫画を実写化したニュータイプのラブストーリー、映画『殺さない彼と死なない彼女』が公開です。

 何にも興味が持てずに退屈な高校生活を送っていた小坂と、リストカットの常習者で“死にたがり”の鹿野。周囲から孤立していたふたりは、あることをきっかけに同じ時間を過ごすようになり、しだいになくてはならない存在になっていく。

 後半の展開に大きく胸を揺さぶられる本作で、小坂を演じて、鹿野役の桜井日奈子さんとともに主演を務めた間宮祥太朗さんにインタビュー。ほかの作品とは違ったという本作へのアプローチ法などを伺いました。

◆常に愛の言葉をささやき合っているカップルは信用ならない(笑)

――Twitterの漫画が原作というのがユニークですね。

間宮祥太朗(以下、間宮)「SNSの力って大きいんだなと感じます。原作の漫画も、Twitterという媒体だったから、余計に広がっていったのかなと。面白いのが、この物語って、主人公たちの繋がりがすごく強いんですよね。2人という人間関係の最小単位で綴られていて、すごく濃い。

 そうしたものが、人との繋がりが薄いと思われるSNSで広がっていった。小坂と鹿野の関係が響くということは、SNSをやっている人たちも、濃い人間関係を求めている部分があるのだろうと思います」

――確かに小坂と鹿野の関係はとても濃いです。ただ言葉だけ聞くと、小坂は「殺す」が口癖で、ふたりの会話には「死にたい」「死ね」と、ドキッとするような内容が出てきます。

間宮「取材でも『変わった愛情表現ですけど』と言われますが、僕個人としては、小坂と鹿野の関係のほうが自然だと感じます。常に愛の言葉をささやき合っているカップルのほうが信用ならない(笑)。好きな相手だからこそ、ぶっきらぼうな物言いになったり、気を遣わずにいられるのだと思います。

 それに映画やドラマ、舞台でのセリフって、会話が会話になりすぎているところがあると思うんです。言ったことに対しての返事が必ず返ってくる。この作品では鹿野が言ったことに対して、小坂は『つーか、お前あれだろ』みたいに、会話として成立していないものが返ってくる。でもそのほうがリアルだと思います」

◆素の自分が出ていると思います

――本作ならではのアプローチはありましたか?

間宮「考えずに演じました。小林啓一監督から最初に『間宮くんが楽な状態で、変に何もしないで、普通に会話をして、そのなかで立ちたいなとか、ここに動きたいなと感じたら、それに素直に従ってくれればいい』と言われていたので、こう演じようといったプランは持ち込みませんでした。すごくリラックスした状態でいられたと思います」

――長回しが多いですね。

間宮「長回しだからこそ生まれるものがあったと思います。実際に出来上がった作品を観たときにも、間って、やっぱり必要なものだと思いましたね。2時間のなかに無言の間がたくさんあったとして、その時間を楽しめるのが映画のいいところだし、その間に観ている側がいろいろ考えられる。贅沢に間を使ってお芝居できて、それを贅沢に使ってもらえて、すごくよかったです」

――小坂には、素の間宮さんが映っているのでしょうか。

間宮「出ていると思います。こうみせようではなくて、自分が楽な状態で動いていたので、普段の自分に近いと思います。元来僕も口は悪いですし(笑)。友達との会話でも、隣の席の人が聞いたら、『え?』と思うような言葉もポンポン飛び交っているので、小坂と鹿野のやりとりも、もともと自分のなかにありました」

◆女優さんとはどう接していいかわからない

――鹿野を演じた桜井さんとは、現場ではどんな感じだったのですか?

間宮「やりやすかったです。自分の性格的に、女優さんとどう接していいかわからないんですよ。すっごく女の子らしい人とかだと話題が浮かばなくて。なんだろう、コスメ、とか? 流行、とか? 共通の話題がわからなくて(苦笑)。

 特に年下の女優さんだと怖がられることもありますし。どう接していいかわからなかったりするんですけど、桜井さんはベースがスポ根タイプなので(※桜井さんは学生時代ずっとバスケ部)、気を遣わずにいられました。僕ってすごい静かな日もあれば、急激にふざけたくなることもあるのですが、それをやっても大丈夫というか。だからとてもやりやすかったです」

――読者は主人公たちよりも年上が多いですが、最後にメッセージをお願いします。

間宮「こういう学生時代の青春映画を楽しめるのって、実は大人なんじゃないかと思うんです。たとえば、誰かを大事にできなかった自分とか、大事にしていたけれど、そうした気持ちをなくしてしまった自分とか、“あのとき”という経験がある分、大人の方のほうが、ドラマの奥のほうまでいける気がします」

(C) 2019映画『殺さない彼と死なない彼女』製作委員会

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。

関連記事(外部サイト)