『同期のサクラ』好調の裏に、高畑充希の口ぐせ「ひじょーにマズい」etc.

『同期のサクラ』好調の裏に、高畑充希の口ぐせ「ひじょーにマズい」etc.

(画像:同期のサクラ公式HPより)

『同期のサクラ』(日本テレビ系、水曜夜10時〜)が右肩上がりの視聴率で好調です。初回8.1%だったのが、第7話(11月20日放送)では番組最高視聴率12.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)を記録。物語が終盤の盛り上がりに向かうにつれて、さらなる上昇が期待されます。

『同期のサクラ』は、会社の在り方や現代人の働き方・生き方に疑問を投げかける、メッセージ性の強い作品です。なかでも視聴者が惹かれているのは、ゼネコンで働く主人公・サクラ(高畑充希)の、どこか浮世離れしたまっすぐなキャラクター。毎回繰り出すセリフの数々やお決まりのシーンと共に、やみつきになると、話題を呼んでいます。

 今期のドラマは、『同期のサクラ』の他にも、『ドクターX』(テレビ朝日系)、『まだ結婚できない男』『シャーロック』(ともにフジテレビ系)など、お決まりのセリフやシーン、キメ台詞など、“お約束”で話題を集めているドラマが多く見受けられます。

◆『同期のサクラ』は、お約束のセリフと名言の宝庫

 まずは『同期のサクラ』お決まりのシーンを挙げてみましょう。

●「まずい、ひじょーにマズい!!」

 真面目で仕事に純粋すぎるほどの情熱を注ぐサクラですが、建物の写真を撮影して時間を忘れ、遅刻をしてしまうこともしばしば。慌てて職場などに向かう際に、発するのがこちらのセリフです。そんなサクラに呆れていた先輩社員の火野すみれ(相武紗季)も、第6話では彼女の影響か、ついにこのセリフをつぶやき、視聴者を喜ばせました。

●(何かを注意する際)「〜すると助かります」

 ドラマ序盤、スマホ歩きや路上駐輪をしている人など、道行くマナーのなっていない人々に対し、サクラが物おじせず注意をするのがお決まりになっています。「ここに自転車を止めないでいただけると助かります」「ベランダで喫煙するのはやめていただけると助かります」など、誰もが見て見ぬふりをするマナー違反に、「助かります」と強く命令するわけでもなく注意するサクラ。従う人は少ないですが、ラストに繋がる重要な提言になっていることもあります。

●「スゥ〜〜」

 サクラはなにか納得がいかないことがあると、「スゥ〜〜」と、周囲に聞こえるくらい息を吸う癖があります。その後、納得がいかないことに対して質問をし、周囲が何と答えるべきか慌てているところに、上司の黒川(椎名桔平)が現れ、「いい質問だねえ」と丁寧に答えるという綺麗な流れがあるのです。

 ただ、サクラも成長したのか、5話以降になると「スゥ〜〜」の発生条件と同様の物事が起こった際、口をパクパクさせたり、貧乏ゆすりなどをして、思ったことを素直に口にすることを控えているように見受けられます。

●「私には夢があります」

 物語のクライマックス、サクラは対峙する相手に、このキング牧師の演説のような言葉を発し、自分の夢を訴えます。「私には夢があります。故郷の島に橋を架けることです」「私には夢があります。一生信じ合える仲間を作ることです」

 まるで小学校卒業式の呼びかけのような、まっすぐなセリフですが、バックに流れる森山直太朗の「さくら(2019)」の効果もあいまって、胸に響くのです。

◆『まだ結婚できない男』や『シャーロック』も お約束は話題にしやすい

 では、ほかのドラマはどうでしょうか。

「私、失敗しないので」の『ドクターX』(テレビ朝日系)はもちろんのこと、特に話題を集めているのが『まだ結婚できない男』(フジテレビ系)。

 前回と同様、主人公・桑野(阿部寛)が帰宅途中に毎日寄るコンビニのシーンや、大工の棟梁との取っ組み合いの喧嘩、ひとり飯、誹謗中傷ブログの順位確認など、毎回何かしらのお約束のシーンがあります。

『シャーロック』(フジテレビ系)でも、主人公・獅子雄(ディーン・フジオカ)が毎回バイオリンを演奏しながら推理をするシーンが組み込まれており、ファンたちの楽しみのひとつとなっています。

 熱狂的なファンがいたり、人気を集めるドラマでは、たいてい何かしらのお約束ごとや、お決まりのセリフがあります。『水戸黄門』の印籠、『男はつらいよ』シリーズの「それを言っちゃおしめえよ」など寅さんの言動……過去の名作を思い返しても数えきれません。

「話題として取り入れやすい」「合言葉となって一体感が生まれやすい」「モノマネに取り入れやすい」「物語の一貫性を掴みやすい」など、様々な理由はあるでしょう。

 一方で、宗教学の一説においては、私たちが毎年繰り返すお正月やクリスマスの祝いなど、日常の中で繰り返される非日常のお約束の繰り返しは感情のカタルシスをもたらすと言われています。

 ドラマという非日常の中での「お約束」は、とって作ったような感動的な場面よりも、視聴者が満足するものなのかもしれませんね。

<文/小政りょう>

【小政りょう】

映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

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