松本穂香、主演作が続々「同世代の役者に嫉妬することもある」

松本穂香、主演作が続々「同世代の役者に嫉妬することもある」

松本穂香さん

 NHK連続テレビ小説『ひよっこ』や主演ドラマ『この世界の片隅に』(TBS系)で評価を受け、2019年は初主演映画『おいしい家族』が公開になった松本穂香さん。現在は、こちらも主演を務めた『わたしは光をにぎっている』が公開中です。

 田舎から上京し、穏やかに変化を遂げていく主人公の澪を演じた松本さんに、作品についてや、驚いたという共演者で先輩の光石研さんの言葉にはじまり、松本さんの支持を高めているひとつである人気CMでの共演者、神木隆之介さん、中川大志さんの印象などを伺いました。

◆劇中の言葉にグサグサきた

――澪に共感したと聞きました。どこかご自分と似ていたのでしょうか。

松本穂香さん(以下、松本)「今の自分にというよりも、自分にもそういうときがあったなと感じました。言葉にしなくても察してもらおうとか、自分から行動しようとしなかったりとか。劇中の言葉に結構グサっときたので、それは自分自身に響いたからだろうなと」

――「人と話せないんじゃなくて、話さないんだよ」と言われたり。

松本「そうですね。『そうすることで自分を守っているんだよ』というくだりは、かなりグサグサきました。ほかにも全体的に、ここは分からないなという部分がなかったので、澪は自分に近い人なのかもしれないと、最初から思いました」

◆同世代の役者に、嫉妬することもある

――光石研さんとのシーンが多くありました。印象に残っていることはありますか?

松本「同世代の俳優に嫉妬するという話をされていて驚きました。『ダメなんだよ〜、なんで俺じゃないんだって思っちゃう』って。こんなにたくさんのお仕事をされているのに、そう感じていることもステキですし、それをずっと年下の私に言えるところもステキだと思いました。それから、一緒にお芝居をさせていただいて、ひとつひとつを絶対にこなしたりせずに向き合っている姿勢がとてもカッコイイと思いました」

――松本さんも同年代の役者さんに対して、嫉妬することはありますか?

松本「そうですね。そういう意識は強いほうだと思います。それに、『こういうシーンでこうした気持ちになった』といった話を聞いたときに、私が感じたことのないものだったりすると焦りますし、頑張らなきゃ!と思います」

――読者には、auのCMの松本さん役での松本さんも好きという人もいると思います。あのCMでは、松本さんと同じく20代で、子役出身の神木隆之介さん、中川大志さんと共演されていますが、彼らからも刺激を受けていますか?

松本「はい。神木さんと中川さんはとにかく楽しそうにお仕事されているのが印象的です。あのCMでは現場で出てくるアイデアをどんどん取り入れていく感じなのですが、ふたりとも遊び心があって、『いいね、いいね』とどんどん乗って進んでいきます。その力はすごいなと思いますし、楽しんでやっているのがステキです。私もそうした瞬発力をつけていきたいと刺激を受けます」

◆いろんな世界に触れることは、やっぱり大切

――大きな事件などが起きない本作は、澪の表情が重要です。松本さんは、とても自然にその場に立たれていてステキでした。

松本「表情で見せていくというお芝居は好きです。この作品には、すごく優しく寄り添ってくれる感じがあると思います。背中を押すとはまた違う、寄り添ってくれる感じ。しんどい思いをしている人や、寂しくて仕方ない人、やりたいことが見つからないといった人には、特に見てほしいなと思います」

――澪はやりたいことがないまま上京して、変化していきましたね。

松本「はい。始めたアルバイトもすぐに辞めてしまいます。でも長続きしないからダメなのではなくて、ただ出会っていないだけなんです。いろんな世界に触れれば、それだけ出会いが多くなっていく。世界に触れるというのは、傷つくこともたくさんあるけれど、でもその分、経験になる。それって、やっぱり、大事なことだと思います」

――完成した作品を観て、泣かれたとか。

松本「いろんな感情が沸き上がってきてしまって。この作品では、都市開発によって、取り壊されていく町が映し出されます。でもそこに合わされる音楽は希望に満ちている。悲しいことはあるけれど、それで終わりではないと思える。最後に光が手に当たっているのを見て、『あぁ、ステキだな』って。素直に好きだと思える映画に自分が出られたことが幸せでしたし、純粋に、この作品がみんなに届けばいいなと思えたことも嬉しかったです」

――最後に、松本さんがお仕事を続けるうえで、大切にしていることを教えてください。

松本「真っすぐさ、一生懸命さはなくしたくないと思っています。気を抜くとなくしてしまうものかもしれないので、そこは常に自分に問いかけながら進んでいけたらと思っています」

(C) 2019 WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

<文・写真/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。

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