「猫に救ってもらった」失恋で仕事を辞めボロボロの女性のもとに…

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心底落ち込んで何もできない時に、救世主のごとく現れて助けてくれた人の事は一生忘れられませんよね。

 ですが、その救世主が人ではない場合もあるようで…。

 今回は、そんな経験をした女性のエピソードをご紹介しましょう。

◆彼氏に振られて無気力に

 中嶋紗奈さん(仮名・29歳・派遣社員)は、昨年の秋に4年間お付き合いしたNさん(32歳・メーカー勤務)から一方的に別れを告げられてしまいました。

「急に『好きな子が出来たから別れて欲しい』と言われて心臓が止まるかと思いました。元々Nにしつこく迫られて付き合うようになって、結婚の話も出てたのに…信じられませんでしたね」

 紗奈さんは、もっとよく話し合ってから決めようよと説得を試みましたが、彼はまるで聞く耳を持たず、紗奈さん宅に置きっぱなしにしてあった私物を持って出て行ってしまいました。

「そうは言っても、私が泣いて引き止めたりしたら思い止まってくれるだろうとLINEしてみたら…ブロックされているのか、ずっと既読にならないし、電話しても応答がなくて」

 彼に振られた事実が、じわじわと浸透していくように紗奈さんの気力が無くなっていきました。

◆仕事も辞めてしまい心身ともボロボロに

「まず何もやる気が起こらなくてベッドから出られなくなり、食欲もなく、ついには仕事にも行けなくなって辞めてしまいました」

 実家の両親にその事を話すと「お金の事なら心配しなくていいから、2〜3ヶ月ゆっくり休んだら?」と言ってくれたそう。

「ありがたく休ませてもらって、はやく元気にならなくちゃと思うのですが…部屋はどんどんゴミ屋敷化していくし、手軽なのでコンビニのサンドウィッチや肉まんばかり食べているからか、便秘になってお肌の調子も悪くなってきてもうボロボロでした」

 そんなある日、紗奈さんの姉(31歳・主婦)から電話があり「子猫をもらってくれないか?」と頼まれたのです。

「姉の子供(S太郎くん・5歳)が、どうしても猫が飼いたいと言うので、誕生日プレゼントに保護猫をもらってきたんだけど、いざもらってみたら実はS太郎くんが猫アレルギーな事が発覚したそうで」

◆自分のためにはできなかった掃除ができるように

 今は自分一人でもいっぱいいっぱいの状態なのに、猫なんて飼う余裕ある訳ないと思った紗奈さん。

「ですが猫ちゃんの写真を見たらピンときて“この子がうちに来てくれたら、きっと全てが上手くいく”そんな気がして、猫ちゃんを迎える事を決めたんです」

 すると、今まで全くやる気が起きなかった掃除(そうじ)が少しずつできるようになりました。

「せっかく猫ちゃんがきてくれるんだから、キレイにしといてあげないと、と思うと、休みながらですが片付ける事が出来たんです。自分ためにはする気になれませんが」

 そして猫ちゃんとの暮らしがスタートした紗奈さん。

「茶トラの元気な子で、名前は“ウニ”にしました。私の大好物なので」

◆久々に食欲が湧き、元気に

 ウニちゃんのおかげで、自分がウニが大好きだった事を思い出した紗奈さんは久々にちょっとお高いウニを買ってきて食べてみたそう。

「そしたら、とろけるように美味しくて…久々に食欲が湧いてすごく嬉しかったんですよね。ホント食べるって生きるって事なんだなと思いました」

 ウニちゃんとすぐに打ち解け、一緒に遊んだり寝たりしているうちにみるみる元気になった紗奈さん。

「ウニが私に身をゆだねて、リラックスしている姿を見ていると可愛くてたまらないんです。だからウニが長生きしてくれるように体に良いキャットフード買ったり、もっと広い部屋に引っ越してキャットウォークを作ってあげて思いっきり遊ばせてあげたいと夢が広がってしまって」

◆仕事を見つけ、猫インスタグラムもスタート

 気がついたら、新しい仕事を見つけていたそうです。

「これからはウニと一緒に楽しく暮らすぞ!と、やる気いっぱいで働けるようになりました。両親も姉家族もとても喜んでくれています」

 しかも、ウニちゃんの写真を載せるためだけに開設したインスタグラムも好評で…。

「なんだか猫好きの男性から、コメントやDMで誘われるようになって(笑)今度気の合う男性と勇気を出して会ってみようと思ってるんですよ。ちょっと怖いですが」

「ウニのおかげで元気になれただけじゃなく、もしかしたら彼氏まで出来ちゃうかもしれませんね!」と笑う紗奈さんなのでした。

<文&イラスト/鈴木詩子>

【鈴木詩子】

漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

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