歌手・藤井風が今年ブレイク確実のわけ。“鬼才”の動画にしびれる人続出

歌手・藤井風が今年ブレイク確実のわけ。“鬼才”の動画にしびれる人続出

シンガーソングライターの藤井風さん(画像:リリースより)

現在放送中の高畑充希さん主演ドラマ『にじいろカルテ』(テレビ朝日系、木曜夜9時〜)で主題歌の『旅路』を担当し、音楽ライト層からも俄然注目を集めているシンガーソングライター、藤井風(ふじい・かぜ)さん(23)。

 2019年11月にメジャー初音源となった『何なんw』でいきなり脚光を浴び、「MTV VMAJ 2020」にて、そのMusic Videoは「Best R&B Video(最優秀R&Bビデオ賞)」を受賞しました。

 人気と評価を集める藤井さんですが、音楽番組が減り、能動的に音楽を聴かない限りは、新しい情報も入りにくい今、「名前は聞いたことあるけれど……」という読者もいるはず。いや、今からでも乗ったほうがいいです。

◆都会的メロディの中の、一人称「ワシ」

 1997年、岡山県の長閑な町・里庄町で生まれ育った藤井さん。活動の場を東京に移して放った1st配信シングル『何なんw』は、都会的でハイセンスなメロディに、タイトルからも伝わる、岡山弁を取り入れた楽曲です。

 藤井さんの言葉は、一人称の「ワシ」を含め、「何なん」「もうええわ」「おどれ」「おっと」など、ワン単語、ワンフレーズに強いインパクトを乗せることが多く、なんともクセになります。

 順調にシングル、EPを配信していった藤井さんは、昨年5月に1stアルバム『HELP EVER HURT NEVER』を発表。6月1日付の「Billboard JAPAN総合アルバム・チャート」“HOT ALBUMS”で総合首位に。9月には「報道ステーション」でも取り上げられ、10月29日には日本武道館でワンマンライブを開催しました。

◆12歳の頃からYouTubeに動画をアップ

 そんな藤井さんは、幼い頃からジャズ、クラシック、ポップス、歌謡曲、演歌など、さまざまな音楽に親しみ、高校時代にはブラックミュージックにはまっていたとか。ピアノもサックスもこなし、英語もペラペラ。そうした姿は12歳の頃から動画をアップし続けているYouTubeで数多く拝むことができ、クラシック曲をピアノ演奏する際にも、当時から、パッションのままに弾く力強さが伝わってきます。

 動画には、Taylor Swift、Billy Joel、Earth Wind & Fireから、フジファブリックやaikoさん、椎名林檎さん(林檎さんの曲では女装したり、ギプスをしたり)らの楽曲、「アダルトちびまる子さん」なる、ちびまる子ちゃん??に扮しての『おどるポンポコリン』など、カヴァー曲のピアノ弾き語りもふんだん。

 藤井さんの『何なんw』を聴いたときに、ORIGINAL LOVE(田島貴男)的要素を感じた人もいると思いますが、そのORIGINAL LOVEの『接吻』もカヴァーしています。ちなみにYouTubeの英語字幕は、藤井さん本人が付けているそうです。

◆ルックス抜群で、見映えもばっちりのMV

 さて、こんなことを言うと音楽通には白い目で見られるかもしれませんが、藤井さんはルックスも抜群にいいんです。事実だから仕方ありません。30歳以上の大人の女性たちも虜にするだろう色気は、歌声からも伝わりますが、実際に映像を見てさらにノックアウトされた人も多いです。

 MVも当然、見映えばっちりで、初めて訪れたというNYで撮影された『何なんw』も、NYの地下鉄、街への溶け込みぶりが尋常じゃありません。『へでもねーよ』のMVのオープニングでは、子連れ狼よろしく、子どもを抱っこしながら浪人風の姿を披露。俳優でも通用するに違いない空気を放っています。

 また、藤井さんは、昨年の自粛期間中に弾き語り生配信を行い、気分が落ち込み気味な人にナチュラルな優しさで寄り添いました。さらに、その後配信された、特に美しいメロディに死生観を反映させた『帰ろう』は、老若男女を問わず、多くの人々の心に届いて、評判を呼んでいます。

◆川谷絵音が「非の打ち所がない才人」と大絶賛

 今年1月には、音楽バラエティ番組『関ジャム 完全燃SHOW』の恒例人気企画「売れっ子プロデューサーが選ぶ2020・年間ベスト10」で紹介された藤井さん。

 これまでに米津玄師さんやあいみょん、Official髭男dism、King Gnuらを、いち早く紹介してきた本企画。今回は、蔦谷好位置さんが5位に『優しさ』を、いしわたり淳治さんが2位に『何なんw』、川谷絵音さんが1位に、言葉のリズムの心地よさと、どこか懐かしいサウンドと、毛色の異なるバックサウンドの取り合わせが刺激的に響く『罪の香り』を選出。選者3人のTOP10で唯一かぶったアーティストが、藤井さんでした。川谷さんは「声良し曲良し歌詞良し、非の打ち所がない才人。断トツの1位でしたね。来年も藤井くんが1位になるんじゃないかと思っています」と絶賛しました。

 昨年10月にはやけにカッコイイ方言バリバリ楽曲『へでもねーよ』と、標準語で限りなく美しく爽やかに染みる『青春病』の二曲を同時配信リリース。幼い頃から親しんだジャズが影響しているであろうコード進行に、英語が堪能な人ならではの音の乗せ方と、自分自身の感覚を生かした言葉の使い方にアイデンティティを感じさせる藤井さん。文語的な表現と、口語的な表現を入り混じらせ、新しい刺激をくれます。また初のタイアップ曲となった『旅路』は、穏やかな中に、どこか哀愁を感じさせる世界観となっており、きっと後々発表されるだろうMVも楽しみです。

「ついてこられる奴だけでいいよ」という姿勢ではなく、一般に響く要素を多分に兼ねながら、独自の色を添えて突き進む藤井風さん。今からでも間に合います。要チェックです。

<文/望月ふみ>

【望月ふみ】

70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi

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