看護師が体験した職場いじめ「患者の使用済みオムツがカバンに…」

看護師が体験した職場いじめ「患者の使用済みオムツがカバンに…」

写真はイメージです

 2019年10月に神戸の小学校で発覚した教員同士のいじめは、その手口の残虐性に注目が集まった。また、韓国では元KARAク・ハラの自殺の原因がネットいじめとも噂され、“大人のイジメ”は今、改めて大きな社会問題となっている。その背景と実態に潜む人間の闇に迫った!

◆業界別/まだまだある! こんな理由でいじめは起きる(2)

 職業が変わればいじめのバリエーションもそれぞれ。特殊な業界ならではの原因や実態をご紹介しよう。

◆看護師:カバンに患者の使用済みオムツが…

 病院で働く看護師は、責任が重く人手不足なうえ、夜勤などもあるストレスフルな仕事だ。ストレスの多い職場は、いじめも生まれやすい。竹内麻美さん(仮名・25歳)もその被害者のひとりだ。

「看護師のシフト調整は、基本的に師長の仕事。私は彼女を敵に回してしまったため、夜勤明けにそのまま次の日勤を連続で入れられたり、病棟やフロアでの大きな飲み会がある日は必ずシフトを入れられて、行事から仲間外れにされたりしました」

 なかには、患者を巻き込む陰湿な手口も。

「師長派閥の先輩ナースが、私にわざと間違った点滴を指示してきたんです。もう少しで医療ミスを起こすところでした。ほかにも、尿瓶やおむつを使う寝たきりの患者さんのシモの世話を押しつけられたり。カバンに使用済みおむつを入れられる嫌がらせに遭ったこともあります。でも、患者さんの汚物を嫌がらせの道具に使うなんて、職業倫理的にも神経を疑いますよね」

 自治労連が2019年5月に発表した、自治体病院職員への労働実態アンケートでは、看護職員9584人のうち42.8%が「パワハラを受けた経験がある」と回答した。パワハラは「上司から」が56.1%と最も多く、「医師」(32%)、「同僚」(13.4%)、「患者」(8.5%)と続く。医師や患者より、看護職員の上司・同僚との人間関係が難しいようだ(全国97病院の職員が回答)。

 自治労連の会見では、現場の看護師から「多くの職員がハラスメントを受けている。現場から『こんな看護でここにいられると思っているの?』『新人なんだから時間外はつけないで』などの発言も上司から(日常的に)あると聞く。師長の個人的な考えだけですべてが決まってしまうような実態もある」との訴えもあった(2019年5月13日)。

 もちろん、中には和気藹々(わきあいあい)とした病院もあるのだろうが・・・。

◆国会議員:秘書へのパワハラは日常茶飯事。党内の議員同士のつぶし合いも

「政治家を志す人は、目的のためなら何でもする強い自己実現欲求を持つ人が多い。その行動力がいじめに向かうこともあります」と語るのは、代議士の公設秘書を務めた経験がある降旗秀雄さん(仮名・48歳)。

「ありもしない悪口をでっちあげて足を引っ張り合うのは、党内の議員間ですらあること。定番は、不倫や風俗通いなどの噂を相手の選挙区内に流し、支持率を下げるパターン。『人間性に問題がある』『頭がおかしい』など、誹謗中傷の内容も過激です」

 数年前、「このハゲー!!」で秘書へのモラハラが問題になったが、これも日常茶飯事。

「タバコのストックがないだけでキレたり、『水はこれしか飲みたくない』とモデルみたいなことを言って秘書を私物化するセンセイは多いですよ。優秀な女性秘書に『枕でここまで来たんだろ』と関係を迫った、なんて話も聞いたことがある。汚い世界に嫌気が差して、今は政界からすっかり足を洗いました」

◆教師:職員室でいじめに遭う先生は、教室で生徒からもナメられる

 神戸の小学校での事件が報道され、にわかに注目された教員間のいじめ。「あそこまでひどくはありませんが……」と重い口を開いたのは、埼玉県の私立高校で教壇に立つ斉藤学さん(仮名・42歳)だ。

「学年主任が、系列校から異動してきた私を目の敵にして、取り巻きの先生たちと一緒に嫌がらせを始めたんです。残業を押しつけられるのは序の口。職員会議の時間変更を僕にだけ知らせず、放送で呼び出して叱責されたり、ひどいときは車の鍵を隠されて家に帰れないこともありました」

 しかし、何よりつらかったのは、かわいがっていた生徒たちからの目だったという。

「子供たちは教員同士の関係性を敏感に察知するので、先生からいじめられている先生は、高い確率で生徒からもナメられていじめられるんです。僕のクラスも学級崩壊に近い状態になり、それに耐えられなくなって1年で休職する羽目になりました」

<取材・文/週刊SPA!編集部>

― 大人のイジメ地獄 ―

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