軟骨ピアスがはずれない!航空会社の採用面接での半泣きエピソード

軟骨ピアスがはずれない!航空会社の採用面接での半泣きエピソード

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 こんにちは。ライターの高木沙織です。

 かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務してきた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。

 前回はボスの女先輩に誘われた合コンを、内心嫌だなと思いつつ参加することになってしまったお話でした。当日まで連絡がこないのをいいことにすっかり忘れてしまい、結局ドタキャンしてしまったのですが、その翌日出社したら……さて、何があったかは20話を読んでみてくだいね。

 今回の21話は、採用面接のときに起きたトラブルの話をします。

 航空会社の職員は黒髪のお団子をスプレーでカチッと固めたヘアスタイル、万人受けする清楚なメイクに清潔感が必須?

 私も入社当時はまさにそのスタイルでしたが、数ヶ月後には……。いや、実はその前の採用面接からやらかしてしまったことがあるのです。

 隠すに隠せず、ついにはそのまま臨んでしまったこととは?

◆留学先ではっちゃける

 私が採用面接に臨んだのはカナダへの語学留学から帰国してすぐのことでした。留学中は、「今しかできない!」、とばかりに髪を明るく染め、メイクは自己流、服装はTシャツにデニム。暑い日はヘソ出しなんかもしたりして。日焼けもガンガンしていました。

「航空会社に就職希望です」、と言っても信じてもらえないようないでたちでしょう? 日中は学校、夜はバーやパブでお酒を楽しむ……、「お酒の場も飲み過ぎなければ生きた英語を学べるチャンスだから」、なんて一丁前に言っていたな。海外生活に浮かれて、完全に楽しみ過ぎていました。

 そしてある日、語学学校で出会った友人とこんな計画を。

「耳の軟骨にピアスを開けよう!」

◆ノリと勢いで軟骨にピアスを開ける

 今思えば20代前半の私は怖いもの知らずでした。だって、ダウンタウンにあるよく分からないタトゥーショップで女2人、軟骨にピアスを開けようだなんてちょっと怖いじゃないですか。

 だけど、当時は怖さよりも髪を耳にかけたときにチラッと覗く軟骨ピアスへの憧れが圧倒的に勝利。クラスメイトのブラジル人留学生がまさにそれだったんです。かわいいしセクシーだな、って。

 施術のトップバッターは私です。タトゥーの写真とどう使うのかわからない器具がズラリと並ぶ何かの海外ドラマで見たことがあるような怪しい診察室で、「ここにピアスを開けて」、と。

「深呼吸して」、と言われたかと思うとすぐに施術してくれるお兄さんの手に力が。メリメリッという何かが割けるような音と激痛に襲われます。

 軟骨は骨ですからね、耳たぶのピアスよりも何倍も痛い! 耳全体に響くような痛みがしばらく続きましたが、毎日しっかり消毒もしていたしトラブルがなかったのが救いです。

 いろいろな意味でよくやったな、本当に。

◆あれっ、ピアスが外れない!

 悲劇はこのあと起こります(先に言っておきますが、自業自得です)。

 航空会社の採用面接のために帰国し、髪を黒く染めあらかじめ用意していたスーツを着てみると、なかなかグラホのそれらしいではないですか。

 って、軟骨ピアスはダメか。

 ピアスを開けてからというもの大きなトラブルはありませんでしたが、触れると痛むため一度も外したことがなかったのです。しかも、このときの私はピアスを簡単に外せるものだと思っていたから取りかかったのは採用面接の前日。

 それはよくあるフープ型のピアスで縁についている小さな丸いキャッチャーを取ればCの形になり、耳から外せると聞いていました。……が、「キャッチャー、硬っ!」、取れる気配どころか全く動かないし。

 力を入れてグリグリ、回したり引っ張ったりしたせいでピアスホールからは流血しています。

◆どうにか隠せないか髪型を試行錯誤

 すぐに母に助けを求めましたがびくともせず、このままでは採用面接で落とされるとパニック&半泣きです。

 それを見た母の、「髪の毛でうまく隠せないの?」の言葉で、ヘアスタイルを何パターンか試しましたが、そもそもぴっちりとしたお団子ヘアが基本。これでは耳は隠せません。調べたところ、このようなケースは皮膚科で対応してもらえるとのことでしたが、それでは遅刻してしまうし。

 考えた結果、とにかく面接だけは絶対に受けたい、落ちても全て自分のせい。それに、もしかしたら気付かれないかもしれないと淡い期待を胸に採用面接に向かうことに。

◆そりゃ二度見するよね…

 会場に到着すると、みんな軟骨にきらりと光るピアスを驚いた顔で二度見。

「やっぱり目立つんだ」、と面接を前に不安な気持ちになります。

 私のピアスは右耳。面接官から少しでも見えないといいなと、顔の向きを変えてごまかしながら、気が気ではない面接が始まります。姿勢に表情に話し方、すごく見られている……。

 外国人面接官の一人に耳を見られた気がして、「あぁ、ダメだ」と肩を落とすシーンもありましたが、質疑応答はまあまあの出来だったと自分を慰めます。

 多分不採用だろうけど、頑張ったと。

 それがどういうわけか採用だったったからビックリ!

◆入社してから採用の理由を聞いてみた

 入社後、面接官のあの女性が上司であることを知り、どうしても気になっていたピアスのことを質問すると、「素質があると思ったから。ピアスは事情があったのでしょう。入社式には絶対に外してくると分かっていました」、とのこと。

 私、この会社のために一生懸命働こう! そう思わせてくれた言葉でした。

 以上が私のダメダメな採用面接のお話し。「軟骨ピアス以外はバッチリだったのに」は採用されたから言えることですね。ピアスは直ちに皮膚科で外してもらいました。

 ちなみに、OJTが終了し業務に慣れてしばらくすると黒髪お団子から茶髪夜会巻きになるのが先輩の証でした。もちろん私も。

 最後に、素晴らしい面接官であり、上司であったその女性は長きに渡って私の理解者となって支えてくれました。ギスギスした女の園にも優しく素敵な人がいるんです。

 その話しはまた今度。

―グランドスタッフの裏話 VOL21―

<文/高木沙織>

【高木沙織】

美容ライター/ヨガインストラクター/ビューティーフードアドバイザー/スーパーフードマイスター。多角的に美容・健康をサポートする活動を行っている。過去には『AneCan』『Oggi』の読者モデル、ファッションモデル、ナレーター等も経験。Blog、Instagram:@saori_takagi

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