スマホの使いすぎで手指の変形も…関節がボコッと出ていませんか?/医師監修

スマホの使いすぎで手指の変形も…関節がボコッと出ていませんか?/医師監修

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 手指が痛くて包丁が握れない、スマホ操作が痛くてできない、力を込めてグーが握れない…。そんな症状はありませんか? それは手指の病気かもしれない、と警鐘を鳴らすのは、富永ペインクリニック院長の富永喜代先生です。

 富永先生は手指の疾患「ヘバーデン結節」外来を日本で初めて開設した第一人者で、近著『へバーデン結節を自力で防ぐ』(監修)など多数の著書があります。手指の痛み・しびれを放っておくと、5年で指が変形して戻らないリスクがある、というのです。(以下は富永先生監修)

◆スマホのし過ぎで、手指への負担が増えている

 LINE、ネットサーフィン、ゲーム…など、あなたは1日にどのくらいの時間、スマホを手にしていますか? スマホによる体の不調は「目」に注目が集まりがちですが、実は手指にも潜んでいます。

あなたは、スマホを持つとき、落とさないように小指をひっかけるように持っていませんか? また、文字入力やゲームをする際に指をたくさん動かすこともあるでしょう。

スマホのサイズが大きくなる昨今、スマホによる手指への負担は増すばかり。実はそんな手指に関わる病気は、たくさんあるのです。

よく知られているのが、手首や手指の使い過ぎによる「腱鞘炎」。そして話題の小指が凹んでしまう「テキストサム損傷」。ほかにも、手指がカクンと跳ね上がる「ばね指」や、親指のつけ根が痛くなる「母指CM関節症」などがあります。

しかし、それだけではありません。実は、手指への大きな負担が招く、「へバーデン結節」という病気があるのです。

◆300万人も患者がいる!? へバーデン結節とは…

 高齢女性の手指をみると、第一関節(指先から1つ目)がボコッと出っ張っているのを目にすることはありませんか? これは「へバーデン結節」という手指の病気の症状。正式に診断されていないケースも含めると、およそ300万人がこれによって苦痛を感じているといわれています。

 この症状を発症する9割は女性です。特に家事や仕事で手指を多く使う、40歳以上の女性に多くなっています。

 へバーデン結節は進行性の病気であり、更年期にかけて初期症状が出始めると、およそ5年で一気に手指の変形が起こるとされています。

◆ヘバーデン結節の簡単チェック

 以下のチェックに1つでもYesがついた人は、へバーデン結節の疑いが……。

1. 朝、手がこわばるようになった

2. 手指の第一関節にぷくっとした腫れができた

3. 手指1本だけの症状だったのが、2本目も痛むようになった

4. 手指の痛みはそれほどでもないが、関節の変形が気になりだした

5. ペットボトルのふたを開けるとき、指先に痛みを感じる

6. 指先の冷えや血色の悪さが、以前より気になる

7. 整形外科に行ったら、「関節リウマチではない」と診断された

 とにかく、変形し始める前の予防が何より大切になります。ぜひ次の“10秒神経マッサージ”を行って、予防を始めましょう。

◆“10秒神経マッサージ”でつらい痛みを解放させる

 そんな手指の痛みに悩む方々をラクにしたいと、富永喜代先生が考案したのが自宅でも簡単にできる“10秒神経マッサージ”です。そのマッサージのルールは次の3つ。

【ルール1】爪を立てて行う

指の腹ではなく、爪を立てて体表近くにある「神経ポイント」を直接刺激。ただし、爪が長い人は、強く押すことで皮膚を傷つけるので注意が必要です。

【ルール2】イタ気持ちいい強さで行う

ほどよい圧をかけて、刺激を脳に送ることが大切です。「どちらかといえば痛いけれど、気持ちよさも感じる」ほどの強さをキープすること。また、「神経ポイント」を正確に捉えましょう。

【ルール3】1か所10秒を守る

長く押せばそれだけ効果が上がるわけではなく、長時間すぎると過剰な刺激になってしまいます。1か所10秒を守り、朝と夜の1日2回を目安に行ってください。

◆さっそくマッサージをやってみよう!

 続いて、へバーデン結節の痛み・しびれを予防・改善したい人に、7つあるうちから特におすすめの“手の10秒神経マッサージ”をご紹介。

1. 手指の痛みを感じるほうの手の人さし指と親指の骨を触りながらたどり、両方が交わってV字形になる場所を探します。

2. そのV字のつけ根から反対の手の親指を立て、人さし指の骨のキワをグリグリと刺激します。

 ここの神経ポイントは、東洋医学のツボで知られる「合谷(親指と人さし指のV字部分の奥)」よりもやや人さし指側の骨のキワです。

※NGポイント

親指と人さし指の間から行わない

 親指と人さし指の間から行うと、「合谷」のツボに当たりやすくなるため、神経ポイントからズレてしまいます。親指の外側から刺激しましょう。

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『へバーデン結節を自力で防ぐ』では、「へバーデン結節」以外にも「ばね指」や「手首の腱鞘炎」などのメカニズムや、痛みやしびれから解放される「10秒神経マッサージ」、手指が痛いときの生活の知恵の数々を紹介しています。

手指の痛みには、糖尿病、脳梗塞、頸椎症、ヘルニアなどといった、重大な疾患が隠れていることも。まずは痛みの原因を知り、早めに対処したいものです。

【監修/富永喜代先生】

富永ペインクリニック院長。医学博士。日本麻酔科学会認定麻酔科専門医、産業医。

1993年より聖隷浜松病院などで麻酔科医として勤務し、2008年、愛媛県松山市に富永ペインクリニックを開業、へバーデン結節外来を開設。テレビ出演も多数。著書に『こりトレ』、『気力をうばう「体の痛み」がスーッと消える本』、『へバーデン結節、腱鞘炎、関節リウマチ…手のしびれ・指の痛みが一瞬で取れる本』、『指先の激痛・腫れ・しびれ へバーデン結節は自分で治せる!』など

<イラスト/宮下やすこ 取材・文/株式会社レクスプレス>

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