意識高すぎママ集団の圧がすごい「育児は完全母乳に無農薬野菜」

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 生涯未婚率は上昇を続け、結婚自体が当たり前といえなくなった現代ですが、いざ自分が結婚や出産というライフイベントを迎えることになったとき、不安が募る人も多いかもしれません。たとえば、「ママ友」という言葉を聞くと、「うまくやっていけるだろうか」と心配になっている人もいることでしょう。

 IT企業でウェブディレクターの仕事をしている坂井弥生さん(仮名・37歳)は、数年前から不妊治療に取り組んでいました。コンビニ飯で昼を済ませ、終電近くまで働くという生活でしたが、なるべく不摂生をやめ、ヨガや鍼治療などを行い見事妊娠。昨年、令和ベビーを出産しました。

◆LDRや無痛分娩が高齢出産ママに人気の産院へ

 弥生さんは、高齢出産ということもあり、無痛分娩等の処置が望める産院で産むことを決めました。一般的には、あまり差がないように見える産院ですが、ネットなどで評判がすぐわかるため、ホスピタリティの良い病院に人気が集中するようです。

「私が出産した病院は、無痛分娩ができたのが決め手でした。出産時に、陣痛室から分娩室へと部屋を移動しなくてよいLDR分娩ができるため、ネットの口コミでも高評価が付いていました。妊娠が発覚した時に予約をしないと出産ができないので、すぐに申し込みましたね」

 産院では待ち時間も長いため、自然と出産前からママ友ができたそう。

「出産費用も割高なため、30代のママさんが主流でした。出産が初めてというママ同士で交流できる院内イベントもあり、そこで知り合ったママとは産後も会う仲です。意外と、出版業界やネット関係の仕事など近い職業のママもいてすぐに打ち解けました」

 しかし、こだわりがある産院だけに、そこで出産を希望したママさんには似たような点があったそうです。

◆SNSで分かったママたちの経歴にびっくり

 最近は、連絡先交換で主流となっているLINEやSNSのアカウントの数々。ママ友付き合いでも、例外ではないようです。なかには、あらかじめ予防線として「SNSはやっていない」というようなママもいるとか。

「何も考えずにSNSなどでフォローしあうと、中には有名な国立大卒や、TVでCMが流れるようなメーカーに勤めていたことがあるママもいました。

 産院の『完母』と呼ばれるミルクは飲ませないで完全に母乳だけで育てる育児や、出産してすぐに子どもの世話を始める『母子同室育児』にひかれて、病院を選んだという人もいて。自然派育児にこだわるような意識が高い高学歴ママが集まってるのかもしれないと思いましたね……」

 育児に関しては、「のんびりいこう」と考えていたという弥生さん。しかし、乳児からの早期教育に興味があるママの発言に、度々驚かされたそうです。

◆高学歴ママたちの完母神話と無農薬野菜の勧誘

「子どもが生後半年を過ぎた頃に、ママ友4人でキッズカフェに行ったんです。みんな初めての子育てなので、赤ちゃんはどれくらい母乳を飲むかという話題から、予防接種までリアルな話題が飛び交い、ママ友ってこういう話をするんだと内心、感動していたんです。

 でも、その中のあるママさんが、『フッ素は知能が低くなるって知っていた?(※)』と話し出してから、私が思っているようなママ友トークから、どんどん離れていきましたね。子どもには、安心できる食材しか食べさせたくないという話題で盛り上がり、『無農薬野菜を一緒に買わない?』と誘われました。私は、宅配が面倒だったので『夫がそういうの嫌がるから……』とやんわり断ったつもりだったのですが、『私が説得してあげようか』と別のママさんが言い出して。自分は場違いかも…という気持ちになりました」

 子育てに正解はないものの、どうしても自分の育児が正しいと思ってしまいがちかもしれません。

「私は、なかなか母乳が出なかったので、母乳のほかにミルクも与える混合と呼ばれるやり方だったのですが、みんな完母だったので、『母乳が出なければ、出るようになる桶谷式を紹介するよ』と、独自のマッサージ法を勧められました。気が強いのか、自分の育児が正しいという姿勢を崩さないので、ちょっと意識高い系のママとは距離を置こうかなと思いましたね……」

“意識高い系”というより実際に意識が高いママ友たち。弥生さんが経験したケースは極端だったかもしれませんが、不安げに子育てをしているママたちにとっては、自分の育児の答え合わせをしたいためのママ会なのかもですね。ただ、子育てに熱心なのはいいですが、自分の考えを勧めるのはほどほどがよさそうです。

※編集部注:ここ数年、フッ素(フッ化物)と子供のIQ低下について複数の海外論文が示唆して話題になりましたが、いまだ議論の途中で結論は出ていないようです。

―シリーズ「親としてのエピソード集」―

<文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/ただりえこ>

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