メーガン妃のギラギラした野望と、気の毒なヘンリー王子/辛酸なめ子

メーガン妃のギラギラした野望と、気の毒なヘンリー王子/辛酸なめ子

メーガン妃のギラギラした野望と、気の毒なヘンリー王子/辛酸なめ子の画像

 バッキンガム宮殿が1月18日に発表した声明により、ヘンリー王子とメーガン妃の英王室からの事実上の離脱が決まりました。今春から王室の公務を行わず、「ロイヤルハイネス」(殿下・妃殿下)の称号を返上し民間人になるそうですが、果たしてプライバシーと自由な生活を手に入れることはできるのでしょうか。

 結婚から2年も経たずの衝撃の展開に、皇室ウォッチャーである漫画家・作家の辛酸なめ子さんは「結婚した当初からこうなる予兆は感じていましたが、予想以上でした」と言います。

 一連の騒動について、辛酸さんに寄稿いただきました(以下、寄稿)。

◆ちょっと欲張りさんなふたり

 メーガン妃なのかそれともメガン妃なのか……そのことはもはやハロウィンかハロウィーンかといったくらいどうでも良いことかもしれません。

 世界中を揺るがせたヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱。「シニア王族」と呼ばれる「上級王族」としての公務から引退することを表明しました。「上級国民」よりもはるかに雲の上の「上級王族」という存在がいることにも驚かされましたが、王族としていいとこ取りをしたいという夫妻の希望にも疑問を感じずにはいられませんでした。

 プレッシャーや義務や面倒な親戚付き合いからは解放されたい、でもロイヤル特権とお金(チャールズ皇太子のお小遣い)は欲しい。さらに「ロイヤルサセックス」で商標登録し、稼ぎたい。慈善事業で人々のリスペクトもほしい、芸能界にも返り咲きたい、という全てを求める貪欲さ。

 ディズニー映画のナレーションの仕事がしたいメーガン妃を、王子がCEOに売り込む姿も目撃されています。もはや王子はメーガン妃のマネージャー状態に。さらに今後、メーガン妃はアメリカのトーク番組に出演し、内情をぶちまけるのではないかとも予想されています。

◆コントロールされるヘンリー王子

 かつてメーガン妃はPR会社との打ち合わせで「インターネットを壊したい」と言い放ったそうです。実際に今、世界中のネットが彼女のニュースで負荷がかかっています。あらゆる願望を叶えるメーガン妃。やはりただものではなかったです。

 今思えばヘンリー王子と結婚した当初、両手で彼の腕にしがみついている姿に、その予兆が出ていたのかもしれません。ちょっと独占欲が強そうだな、くらいに思っていたのですが、予想以上でした。ヘンリー王子を王室から引き離して、自分のかつてのテリトリーであるカナダでコントロール下に置こうとしているかのようです。

「People」誌には、メーガン妃が妊娠中に、ヘンリー王子に昔の仲間との関係を清算させた、という友人の発言が掲載されたこともありました。隔離された環境で、メーガン妃の影響力はますます強まりそうです。ちょっと前に「メーガンマークルする」という新しい動詞が話題になりました。自分の人生に邪魔な人間関係を切り捨てる、という意味で使われているようです。それは自分だけではなく親しい人にも及ぶのでしょう。

 ヘンリー王子は、今回の「メグジット(※)」によって、多くのものを失うことになってしまいました。王族としての称号を返上させられ、公務や軍組織からも引退することになって「他に選択肢がありませんでした」「深く悲しんでいます」と、スピーチで語っていたヘンリー王子の悲しげな表情が印象的でした。そんな彼と裏腹にメーガン妃はカナダではじける笑顔を見せていたのですが……。

(※編集部注)「Megxit=メグジット」は、「Meghan=メーガン妃」と「Exit=退去」を組み合わせた造語です。

◆「ダークな匂わせ」とは

 自由の国、アメリカで生まれ育ったメーガン妃にとって、感情を押し殺して公務に励む、しきたりだらけのイギリス王室は窮屈な場所だったのでしょう。2年ほど、十分にロイヤル気分を満喫してだいたいわかったので、そろそろ自分のキャリアのステップアップを考えたい、という思いになったのかもしれません。

「私たちは何をしていても、どこにいても王族」というポジティブシンキングのもと、様々な慈善団体を高尚な表情を浮かべて訪問するメーガン妃。人々にかしづかれながら……。どこか表面的なものに見えてしまうのは気のせいでしょうか。

 軽い恐怖を感じたのは、カナダで友だちを迎えにいくためランドローバーに乗っていたメーガン妃の姿。ニット帽でカジュアルダウンしていましたが、何より車が土か何かで汚れていたのが気になりました。エリザベス女王も愛用している英国車を汚れたまま乗り回す……ダークな匂わせを感じます。前にも、世界で最も長く君臨している君主であるエリザベス女王の誘いをドタキャンしたり、メーガン妃はメンタルが強すぎです。

◆メーガン妃の魂の使命

 エリザベス女王は、王族の称号は返上させても、「サセックスロイヤル」の侯爵位剥奪は思いとどまられました。孫をみすぼらしく見せたくなかったという、優しい祖母心。とはいえサセックス公爵を返上してもまだダンバートン伯爵とキルキール男爵の爵位があるヘンリー王子。王室の人間はいろいろなものを持ちすぎているようです。

「メグジット」によって英王室の暗部が明らかになり、メーガン妃父が言うように「王室の権威が失墜」しかけているようです。もしかしたらメーガン妃は、古い価値観や権威を壊すという大きな使命を持った魂なのかもしれません。きっと時代を変革させるために生まれてきたのです。

 このままいくと、王室の存在を揺るがしたメーガン妃は世界史に名を残す存在に……。クレオパトラまではいかなくても、デュ・バリー夫人くらいのネームバリューを後世に伝えられることでしょう。メーガン妃の満面の笑顔は、自分が世界史に名を残す人物であることを確信しているかのようです。

<文&イラスト/辛酸なめ子>

【辛酸なめ子】

東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著者は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。

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