工藤阿須加が新人刑事役に「いい芝居をしてやると思ったことはないです」

工藤阿須加が新人刑事役に「いい芝居をしてやると思ったことはないです」

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 若手俳優の工藤阿須加が、サスペンスミステリー『連続殺人鬼カエル男』(カンテレ放送中・U-NEXT毎週金曜10時配信)で主演をつとめています。

 共演の鶴見慎吾などベテラン俳優陣と主演として堂々と渡り合い、俳優としてのキャリアを着実に重ねる一方で、昨年は朝の情報番組でMCも始めるなど、仕事の幅も格段に広がっている様子。そんな工藤阿須賀に現在の心境をインタビューしてきました。

◆『ZIP!』では発言の難しさを感じる

――昨年くらいから俳優業以外の活動も顕著だとは思いますが、それが仕事でいい影響を与えあっているような感じはありますか?

(俳優業以外の活動が)俳優業に通じるかと言えば、また別なところもあるとは思います。朝の番組『ZIP!』(日本テレビ系、月曜日〜金曜日5:00〜8:30、工藤は水曜日のメインパーソナリティー)をやらせていただいて感じていることは、自分の発言の影響力の大きさですね。ちょっとした発言の難しさにも改めて気が付いたところです。

――お芝居のセリフとはまた違う影響力ですよね。

 どの言葉をチョイスするかによって、反応がまったく変わってくるんです。慎重に言葉をチョイスしているつもりでも、不満に感じる人もいるかもしれない。でもそれでも何かしら発言をはしなくてはならず、かつ自分の気持ちには素直に発言したい。

◆仕事は全部家族のために

――いま、何をエネルギーに日々仕事をしていますか?

 こういう時、自分のキャリアのため、みたいなことを言うのが普通なのかもしれませんが、僕は全部家族のためにやっています。家族は、「阿須加が好きなことをやって、元気でいてくれればそれでいい。」と言ってくれるんです。心から楽しいと思える仕事ができてること、健康に生きていることが何よりも幸せだと言ってくれるんです。

 だから僕は体調を万全に整えて、自分が好きな仕事を続けていけるようにすれば、みんなが笑顔でいられると思うんです。結果、みなさんに笑顔が届けられればいいなと。

――グイグイな感じではないんですね(笑)

 そうですね(笑)。もっとギラついた感じがあってもいいのでしょうけれど、誰かしらが不快な思いをすることはしたくないですね。みんなチームで動いている時には特に、それをするといつか疑問に思う人が出てくるような気がします。そうなってくると簡単にダメになってしまうと思うので。

 みんなが楽しくなれる現場を作れば、自ずとみんなの向上心と集中力が上がるので、そうすればもっといいものができると思うんです。いいものができれば、みんなで上がっていける。僕はそう思っているんですよね。

◆作品がどうすればよくなるかだけを考えたい

――昔から変わってない?

 昔からの知人から、昔と一緒だね、とよく言われますね。うれしいですよ。変わったねと言われたことはあまりないですね。考え方や貫禄、まとっている空気みたいなものは、成長という意味で変わった、大人になったということはあるかもしれませんね。

――同世代や共演者を意識することは?

 俳優同士で誰それには負けたくない、いい芝居をしてやる、相手を食ってやるとか、そういう気持ちになったことはないんです。言わんとしている思いはわからなくもないですが、僕は思ったことがないですね。ただ純粋に、この作品がどうすればよくなるかだけを考えたい。自分が前に出ていくことだけを考えて、その衝突が作品を結果的に良くすることもあるかもしれませんが、でもそれも作品のことを考えていれば自然と出てくるもの。自分の事ばかり考えるのはよくないと思っています。

◆すべての人の思いを受け止めて、作品に捧げたい

――今回のドラマでは主演ですが、同じようなスタンスで?

 たとえば今回は僕は、鶴見さんとバディという関係でご一緒しましたけれど、自分がもっとよく映ろう、鶴見さんの芝居が霞むくらい頑張ってやろうと思ったら、画面に写った瞬間に微妙にズレが生じるような気がするんです。芝居は成立しているけれど、なんかおかしいみたいな。そんなことを思うくらいならば、そのシーンのことを考えて、監督や共演者の人たちの思いもを受け止めて、作品に捧げたほうがいい。

 そのもっと作品を良くしたい思いで(自分やほかの人の評価)が勝手に上がっていけばいいと思うんです。作品を良くするための集中力が上がれば、芝居のクオリティーも上がっていくはずなんですよね。それが僕にとっての正解というか、これは僕が一番大切にしたいことですね。

◆自分の芝居よりも、作品が最高だと言われた方が嬉しい

――非常に合理的な考え方ですよね。いい作品であればみんなが注目するので、自ずと評価につながりやすくなるわけで。

 芝居が良かったという言葉は、うれしいですが、作品が最高だったと言われるのがもっとうれしいんですよ。もちろん僕を目的に観てくれる方々もたくさんいると思いますが、本当にいい作品、残っている作品は、最終的にみんな作品をちゃんと観て、いい映画だったね、いいドラマだったね、という話題になる。

 その結果、誰それがいい芝居をしていたみたいな声につながればいいなと思っていて。僕らは作品を作って、それをお客さんに届けるという仕事だと思うので。

――反対に、課題や反省点みたいなものはありますか?

 カッコつけないで生きていきたいと思いますね。自分を冷静に見た時に、カッコつけたところで、すぐに見破られるなと。わかりやすい性格と言われるので、だったらカッコつけずに、自分ができることを全力でやって、助けてほしい時は助けてくださいと素直に言うことが、僕の人生にあっているのかなと思っています。

(C) U-NEXT/カンテレ

<文/トキタタカシ、ヘア&メイク/SHINYA(Primal art)、スタイリスト/壽村太一>

【トキタタカシ】

映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

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