都バス代表のはずがナゼ… 落日の「都03」 車窓はイイぞ「ザ・東京観光」路線

都バス代表のはずがナゼ… 落日の「都03」 車窓はイイぞ「ザ・東京観光」路線

都03系統。銀座4丁目付近にて(2020年10月、乗りものニュース編集部撮影)。

都営バスのなかで「都」のつく系統は、全路線を代表して選ばれた路線ですが、そのなかで、利用者がかなり落ち込んでいるのが「都03」です。しかしこの路線、210円で東京観光ができてしまうほど、車窓はバラエティーに富んでいます。

とりわけ低迷している「都03」

 都営バス全130系統のうち、「都01」から「都08」まである「都」の付く系統は、歴史的経緯から都営バスを代表する存在といえるものですが、8つの系統のなかには、利用が低迷しているものもあります。

「都」の付く系統は「都市新バス」と呼ばれるもので、1980年代から90年代にかけて、既存の系統を格上げ(都05のみ新設)して誕生したものです。それぞれ、次の区間を結んでいます。

・都01:渋谷駅〜六本木駅〜新橋駅
・都02:大塚駅〜錦糸町駅
・都03:四谷駅〜晴海埠頭
・都04:東京駅丸の内南口〜豊海水産埠頭
・都05:東京駅丸の内南口〜晴海埠頭・東京ビッグサイト
・都06:渋谷駅〜赤羽橋駅〜新橋駅
・都07:錦糸町駅〜門前仲町
・都08:日暮里駅〜錦糸町駅

 都市新バスは、バス離れが進んでいた当時にサービス向上を図るべく、国も助成して整備を進めた新しいバスシステムのことです。次のバスの接近を停留所で表示するバスロケーションシステムを備えた、上屋付きの停留所や、バス専用レーンなどを整備し、それぞれの系統には都01「グリーンシャトル」、都03「グリーンアローズ」といった愛称を制定。他と比べてグレードの高い車両が投入され、車両前面にはヘッドマークも取り付けられていました。

 それから数十年が経ったいまも、「都」のつく系統の多くは高い利用者数を誇っており、2018年度には7系統が乗車人員で20位以内をキープしています。しかし、四ツ谷駅(バス停名は四谷駅)と晴海埠頭を結ぶ都03だけは、そこから大幅に下がって101位という状況です。

路線が短縮されても、見ごたえのある車窓は変わらず!

 都03はもともと四谷駅ではなく、新宿駅西口に発着していました。2000(平成12)年、都営大江戸線の全線開通にともない、新宿駅西口〜四谷駅間が短縮されています。

 ターミナルが新宿から四谷に移った影響が大きかったのか、その後は減便を繰り返し、2020年現在は日中ほぼ1時間に1本。都02などは日中、最低でも1時間に6本確保されているのに比べると、便数もかなり少ないといえます。

 とはいえこの都03、四谷と日比谷、銀座方面を最短距離で結ぶ利便性だけでなく、車窓もなかなか見ごたえのある路線です。

 四谷駅から新宿通りを東へ進むと、皇居の内堀にぶつかる半蔵門で右折、そのまま内堀沿いに、皇居の大パノラマを車窓に映しながら坂を下っていきます。警視庁前では「桜田門外の変」の舞台である桜田門が左に見えるほか、後ろを振り向けば国会議事堂がそびえています。この内堀通りを行く三宅坂から日比谷にかけてのルートは、都03だけのものです。

 さらに晴海通りを東へ進み、銀座のど真ん中「銀座四丁目」交差点を通過、歌舞伎座や築地本願寺を過ぎ、かつては橋桁が跳ね上がることもあった勝鬨(かちどき)橋を渡ります。マンション街として変貌著しい勝どき地区を通過して右折、東京オリンピック・パラリンピックの選手村が建設されている晴海埠頭の客船ターミナルが終点です。片道210円で東京観光ができてしまう、といえるかもしれません。

 ちなみに現在は都03を含め、車両などで「都」のつく系統に特別な点は見られませんが、車内放送では「『グリーンアローズ』をご利用いただきましてありがとうございます」などと愛称が使われます(都08を除く)。

関連記事(外部サイト)