引退近づく半蔵門線の顔 東京メトロ8000系はどんな車両? 時代の求めに柔軟だった40年

引退近づく半蔵門線の顔 東京メトロ8000系はどんな車両? 時代の求めに柔軟だった40年

直通先の東急田園都市線を走る東京メトロ8000系電車(2011年10月、大藤碩哉撮影)。

東京メトロ半蔵門線では、新型18000系電車の導入が発表された一方で、従来の8000系電車の引退が近付いてきました。製造から約40年、時代の変化にあわせて更新されながら今も東急線〜東武線を走るこの8000系は一体どんな車両なのでしょうか。

8000系は後発 開業当初、自社車両がなかった半蔵門線

 東京メトロ半蔵門線に2021年度上半期から、新型の18000系電車が導入されます。全部で19編成が導入され、既存の8000系電車を置き換える計画です。

 8000系は約40年間、半蔵門線をはじめ、直通先の東急田園都市線や東武スカイツリーライン(伊勢崎線)などでも走ってきました。いよいよ引退に向けカウントダウンが始まりますが、どんな車両なのでしょうか。

 8000系は1981(昭和56)年4月に運転を開始しました。ちなみに半蔵門線が開業したのはその3年前、1978(昭和53)年です。8000系登場までの3年間、当時の営団地下鉄は半蔵門線用の車両を持たず、直通する東急の車両を融通していました。これは同線専用の車両基地がなかったこと、開業区間が渋谷〜青山一丁目間の2.7kmであり、多額の設備投資をしてまで車両を所有する必要がなかったことが理由として挙げられます。

 8000系は「初めての要素」がいくつか盛り込まれた車両です。台車枠と車体のあいだに取り付けられる枕梁(ボルスタ)を無くし、軽量化と保守の簡素化を図ったボルスタレス台車を日本で初めて採用。また、加速とブレーキのハンドルを一体化したワンハンドルマスコンのほか、有事の際に機器の状態を把握する故障記憶装置を営団車両で初めて採用しました。

 導入当初は8両編成や6両編成だった8000系は、その後少しずつ延伸していった半蔵門線の輸送力強化のため中間車を増結し、1994(平成6)年10月までに全ての編成が10両化されました。

紫色の帯のまま東西線を走ったことがある

 車齢40年のわりにあまり古さを感じさせないのは、機会あるごとに設備を更新してきたからかもしれません。

 例えば2003(平成15)年3月の東武線との直通運転開始や翌2004(平成16)年4月の民営化にあわせ、方向表示器のLED化や自動放送装置の導入などを行いました。車内には2010(平成22)年前後から、ドア上にLCD(液晶画面)を設置。新型車両と同等のサービスを提供しています。

 ほかにも、増加していた訪日外国人のニーズに応えるため、2018年頃より車内フリーWi-Fiのサービスを開始しています。2020年10月現在、全ての8000系でWi-Fiが利用可能です。

 このように、外観はデビュー当初から大きく変わらないまでも、サービス面で時代の変化に応じた更新が行われてきた半蔵門線の8000系ですが、一時期、東西線で使われたことがあります。

 1987(昭和62)年に10両編成で製造された3本は、1989(平成元)年1月の半蔵門線 三越前駅(東京都中央区)延伸にあわせてデビューするまで、輸送力強化のため東西線を走りました。当時、東西線は新型の05系電車が製造中であり、それを補うピンチヒッターとして導入されたのです。しかし暫定的な処置であることから、車体の帯色は東西線の水色ではなく半蔵門線の紫色のまま。誤乗防止のため、ドア上には「東西線」と掲示されました。

 現在、最長で中央林間〜南栗橋間の約100kmを走り、私鉄3社を直通するロングランナーのイメージが強い8000系ですが、一部編成は保安装置を積み替え、JR総武線まで乗り入れた過去があるのです。

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