スマートICなぜ「いったん停止」なのか 入場待ちで渋滞も 解消されずに増えるワケ

スマートICなぜ「いったん停止」なのか 入場待ちで渋滞も 解消されずに増えるワケ

スマートIC"一時停止"の理由

スマートICなぜ「いったん停止」なのか 入場待ちで渋滞も 解消されずに増えるワケ

スマートICの例(画像:写真AC)。

ETC専用のスマートICが高速道路で増えています。しかし、ノンストップで通れる通常のICにおける料金所と比べ、レーン手前での一時停止が必要で、一部では渋滞も発生しています。これは解消されないのでしょうか。

スマートIC入場に激しい渋滞

 高速道路のETC専用出入口、スマートIC。いまや全国130か所以上に整備され、2020年10月には、新たに12か所の事業認可が下りるなど、今後ますます増えそうです。

 しかし、従来からのICのETCレーンはノンストップで通過できますが、スマートICは、レーンの前で必ず一時停止が必要です。これが、渋滞の原因となっている箇所もあります。

 たとえば東名高速の足柄スマートIC(静岡県小山町)。2019年3月に足柄SAへ併設される形で開通したもので、隣の御殿場IC周辺で発生していた渋滞が、利用分散により5割以上減少したとされています。小山町や近隣の御殿場プレミアム・アウトレットなども、足柄スマートICをもっと多くの人に知ってもらうべくPRしています。

 その一方、小山町によると特に休日の午後などは、足柄スマートICの入場待ち渋滞ができているとのこと。東名の本線で事故渋滞が発生した際などは、御殿場ICを回避しようとするクルマで足柄スマートICの一般道側が渋滞するほか、それ以外についても、アウトレットや富士スピードウェイなど、各方面からの交通が集まり混雑するそうです。ゲート手前で一時停止が必要なこともあり、スマートICに入るまでの渋滞を抜けるのに1時間を費やしたという人もいます。

 ただ、常にそうした状態でもないことから、道路や交差点を広げたりするのは難しいといいます。「各施設と連携し、帰路の分散をうまく図れないかと考えています。ここの駐車場からは御殿場ICを、ここからは足柄スマートICを、と案内するようなイメージです」(小山町 経済産業部フロンティア推進課)とのこと。

 2023年度に現在建設中の新東名が全線開通すると、小山町周辺には新東名の御殿場IC(2020年度に名古屋方面のみ先行開通予定)と、富士スピードウェイの至近に小山PAのスマートICができる予定です。抜本的な解決はそのときだと話します。

「いったん停止」じゃないと、どうしてもお高く…

 なぜスマートICは一時停止が必要なのでしょうか。逆にいうと、それこそがスマートICの特徴といえる点です。

 非ETC車にも対応する有人料金所を基本としていた従来のICに対し、スマートICは約3分の1の用地で設置可能。通常のETCゲートは4台の車両検知器で車両の位置を管理しながらノンストップで通過させるところ、検知器を1台にし、車両停止後に道路側の設備と車載器の通信を行う仕様です。

 さらに、スマートICはNEXCOではなく地元が整備主体です。地元で協議会を立ち上げたうえで、整備の必要性を国に訴え、認可を受ける仕組みです。これにより、欧米諸国と比べて平均で倍近い距離があったICの設置間隔を縮める狙いがありました。

 国土交通省高速道路課は、スマートICは低コストで利便性を高められる点が特徴だといい、「機器のレベルを上げると、どうしても高くなる」と話します。現在のところ、スマートICをノンストップ型に格上げしてほしいといったような声は届いていないものの、もしあれば、検討する必要はあるだろうと話します。

 ちなみに、今後は「ネットワーク型ETC」と呼ばれる仕組みを活用し、これまで費用面からETCの導入ができなかった地方の有料道路にも、ETCレーンが整備されていく可能性があります。これは、NEXCOなどがセキュリティ面の運用を遠隔で行うことで、事業者の負担を軽減するものですが、こちらも一時停止が必要なものです。

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