なぜ今「ビンテージのアメ車風」なのか 話題の光岡SUV「バディ」公開 四角い車に自信

なぜ今「ビンテージのアメ車風」なのか 話題の光岡SUV「バディ」公開 四角い車に自信

角張ったグリルやライトが特徴の光岡「バディ」(2020年11月、中島洋平撮影)。

光岡自動車初のSUV「バディ」が公開されました。ビンテージのアメ車をイメージしたという造形は、ティザー公開時から「これまでにないほどお問い合わせいただいた」というほど。なぜいま「アメ車風」なのでしょうか。

ティザー公開されるや否や、問い合わせ殺到!

 光岡自動車が2020年11月26日(木)、同社初のSUVモデルとなる「バディ」を正式発表し、同日から予約を受け付けます。これに先立ち実車が報道陣へ公開されました。

 同社は他メーカーのクルマをベースとして改造した車種などで知られます。バディのベースはトヨタの「RAV4」ですが、その仕上がりは、横に長く四角いフロントグリルや、角目のヘッドライトなどが特徴で、「1970年代から80年代のアメ車SUV」をイメージしたという造形です。

 いわゆるクラシックカーのようなスタイルが多い、既存の光岡のラインアップとは一線を画すバディですが、10月にティザーサイトが公開されるや否や、SNSなどでは「かっこいい」といったコメントが続々。「これまで経験したことがないほど、多くのお問い合わせをいただきました」(光岡自動車 執行役員 渡部 稔さん)というくらい話題になりました。

 車両価格は2.0Lのガソリン車で469万7000円から。光岡章夫社長は「通常、アメリカのSUVを持ってくれば800万円以上はしますから、この価格なら喜んで買ってもらえるのでは」と自信を見せます。

 光岡の「アメ車風」路線は、バディが初めてではありません。2018年11月、50周年記念モデルとして、マツダ「ロードスター」をベースにした「ロックスター」を限定200台で発売。シボレー「コルベット」を彷彿とさせるといわれた同車は、2か月余りで完売しました。

 その当時から、世のSUV人気の高まりを受けて光岡でもSUVモデルを、しかも「アメリカンビンテージのスタイルで」という構想があったそうですが、そもそもなぜいまの時代に、「ビンテージのアメ車」なのでしょうか。

アメ車好きのほうが「わかってくれた」

 光岡自動車の渡部さんはバディの構想について、次のように話します。

「SUVは各社ともフラッグシップとして打ち出しており、ブランドイメージ重視でラグジュアリーなものが多いです。どちらかというと堅苦しいフォーマルなイメージを持っていましたから、(光岡が出すなら)『Tシャツにジーンズでさらっと乗りこなせるSUV』にしたい、であればアメリカンビンテージだろうと、心の中で決めていました。ずっとそばにいるような大切な相棒、それがバディです」

 なぜいまアメ車なのか、という質問には「アメ車を好きな方のほうが、光岡の遊び心をわかってくれる人が多いと、以前から思っていました」と話します。そこでロックスターを打ち出したところ、人気に。これで大きな自信を得たといいます。

 そして、実際にバディのデザイン画が完成すると、「満場一致で即決」だったそう。なお、RAV4をベース車にしたのは、ロックスターが完売する頃に日本発売されたというタイミングと、「何となく直線的で、角張ったデザインもやりやすいだろう」と考えたためだそうです。

 ちなみに、デザインを担当した青木孝憲さんによると、バディは特定の車種を参考にしたわけではなく、あくまで1970年代から80年代当時のカクカクしたアメ車のイメージ、その時代感やカルチャーを下敷きにしているそう。とはいえ、当時の造形をそのまま再現するのではなく、グリルに微妙な角度を付けるなどして、「令和のアメリカンビンテージ」に仕上げたといいます。

 ロックスターとは異なり、バディは限定車ではなくカタログモデルです。発売は2021年6月の予定で、その年に50台、2022年からは150台の生産を予定しているとのこと。従来の光岡車と違い、FRP(繊維強化プラスチック)のほかに金型を用いるABS樹脂やPP(ポリプロピレン)の部品を多用し、「手作りでありながら生産効率を上げている」(青木さん)といいます。

 それでも、生産体制には限界があるため、納車まで時間がかかりそうだということです。

※一部修正しました(11月27日10時40分)。

関連記事(外部サイト)