飛躍のはずが未曽有のコロナ… 「羽田空港激動の2020年」 どんなことがあったのか?

飛躍のはずが未曽有のコロナ… 「羽田空港激動の2020年」 どんなことがあったのか?

2020年9月の羽田空港。駐機している飛行機が多数みられる(乗りものニュース編集部撮影)。

当初は「五輪イヤー」で多くの利用を見込み、多面的に進化を遂げていた羽田空港。しかしそこを襲ったのが未曽有のコロナ禍でした。激動ともいえる同空港の1年はどのようなことがあったのでしょうか。

東京五輪で大活躍だったはずの「羽田空港」

 2020年、本来であれば東京オリンピック・パラリンピックなど、日本にとっては、大きな飛躍の年となるはずたったものの、新型コロナウイルス感染拡大によって未曾有の事態に陥りました。この影響を大きく受けたのが航空業界です。

 国内の航空業界で、「禍」の中心地のひとつといえるのが羽田空港でしょう。同空港では2020年、どのようなことがあったのでしょうか。

 日本でコロナの影響が出始めたのは2月に入ったあたり。このころは大規模な減便や運休が始まってはいませんでしたが、ANA(全日空)が同ウイルスの発生地とされる中国の武漢から羽田空港に向け、救援チャーター便を運航します。このときに使われたのが、第2ターミナルのエリア内ながらも、貨物エリアの一部にある、いわゆる「離れ」の「サテライト」です。

 ここは平時、国内線が発着していますが、その独立した「小さな空港ビル」のようなユニークなつくりが隔離に適していたことなどから、このときは救援チャーター専用に。武漢からの帰国者は、ここで入国手続きや手荷物受け取りが行われました。

 その後、2月にはアメリカの貨物専用航空会社、カリッタ航空が羽田空港に飛来。窓のない貨物型の「ジャンボジェット」ボーイング747に座席を仮設するという異例のスタイルで、クルーズ船「ダイヤモンドプリンセス」に乗船していたアメリカ人旅客救援のため、チャーター便を運航しています。

新エリア供用開始から利用者大幅減に

 先述のとおり2020年は、日本にとって飛躍の年ともされ、その準備の一環として羽田空港では、国際線の発着枠を大幅に拡大しました。この影響例として都心上空を通る「新ルート」の運用開始が挙げられますが、羽田空港の変容は、なにも航路だけではありませんでした。

 ANAをはじめ、国内線専用施設だった第2ターミナルの南側エリアが大拡張され、3月29日に供用開始。第3ターミナル(旧国際線ターミナル)だけでなく、この第2でも国際線の運航がスタートします。しかし供用開始時点ですでに、国際線はコロナの影響による減便や運休が余儀なくされている状況でした。結果、開始から2週間弱で一時閉鎖するという顛末に至ります。

 4月初旬から5月下旬にかけ、国による緊急事態宣言が発出されることになったころには、県をまたぐ移動自体も自粛要請があったことなどから、国内線も大きく利用者が減り、国土交通省によると4月は前年比9.1%、5月は前年比5.8%と、前年比1割にも満たない状況に。

 この時期には、国内線施設の第1、第2ターミナルともに一部のエリアを閉鎖、次いで展望デッキにまでこの範囲が広がる状況になります。ふたつのターミナル内の稼働状況がほぼ平常時の範囲まで戻るには、7月ごろまでかかりました。

夏には意外な出現 10月にはユニークな運用が終了

 8月ごろになると、先述の羽田空港第2ターミナルの国際線エリアが、ある種ユニークな方法で人前に現れます。TBSのドラマ番組『半沢直樹』の帝国航空編のロケ地として、このエリアが使用されたのです。なお、同空港を運営する日本空港ビルデングは当時、これが同エリアにとって「初のドラマロケだった」としています。

 9月以降は、政府主導の政策「GoToトラベルキャンペーン」などで、徐々に利用者は向上の兆しが。秋の4連休(9月19日〜22日)には、羽田空港の利用者数は当時2020年度最高値を記録し、連休初日となる19日の、ANA同空港発着国内線の搭乗率も97%だったそうです。

 そしてコロナ禍で始まった2020年冬ダイヤでは、いわゆる後進の航空会社を中心に大きな動きも見られました。北九州を拠点とするスターフライヤーが、10年以上続けてきた「第1・第2ターミナル兼用」をやめ、発着を第1ターミナルに統一。羽田のほかの国内線航空会社と同様、利用ターミナルの集約が実現しました。これは先述した、第2ターミナルの国際線対応によって一部スポット(駐機場)が以前のように利用できなくなった影響もあるとのことです。

 このほか、羽田空港の設備を見ると、コロナ禍に対応するための実証実験も行われています。JALは9月ごろに、拠点の第1ターミナルで、タッチレス式の自動チェックイン機やアバターを用いた「バーチャル地上係員」などをテスト。ANAは第2ターミナルで11月に、タッチレス式の自動手荷物預け機の試験を実施しています。

 なお将来的に、第1、第2ターミナルのふたつが現在の形態より拡張など進化を遂げる予定であることを、読売新聞が2020年12月10日に報じました。工事は、最短で2022年中から始まる予定とのことです。

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