「餃子」は最初から排除 芳賀・宇都宮LRT車両愛称を投票受付中 一般公募避けた「深いワケ」

「餃子」は最初から排除 芳賀・宇都宮LRT車両愛称を投票受付中 一般公募避けた「深いワケ」

「芳賀・宇都宮LRT」の車両イメージ。2021年春に納入予定(画像:宇都宮市)。

栃木県で建設が進む「芳賀・宇都宮LRT」の車両愛称が、4つの最終案に絞られました。山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」は一般公募により駅名案が募集されましたが、今回はあらかじめ設けられた案の投票形式に。そうしたのにはワケがありました。

「雷都を未来へ」のコンセプトの元、4つの案が提示

 栃木県の宇都宮駅と芳賀町の工業団地を結ぶ計画で、建設工事が進む「芳賀・宇都宮LRT」。その車両の愛称について、現在4つの案から一般投票が行われています。

 4つの案は、トータルデザインコンセプトである「雷都を未来へ」を主軸に据え、およそ600ものアイデアから吟味されたものです。「雷都」とは宇都宮のことで、古来より夏季を中心に雷が多く発生する地理的特性が込められています。

 車両の愛称案は次の4つです。

・「ライトライン」…雷都+LINEの造語で、Light(光)との掛け言葉でもあり、「未来への光の道筋」というメッセージが込められています。

・「ウィライト」…宇都宮周辺地域の東西を結ぶ意味で、West(西)とEast(東)の頭文字をつなげた「WE」に、雷都を合わせた案です。「WE」には「私たち」という意味もあります。

・「ミライド」…未来+雷+RIDE(乗る)の造語で、「雷都における未来の乗り物」になるといったメッセージが込められています。

・「ミライトラン」…未来+雷都+RUN(走る)の造語で、「未来の雷都に向けてLRTが走り続ける」といったメッセージが込められています。

一般公募ではなく「既存案の投票」となった納得のワケ

 今回の愛称選定では、あらかじめ絞られた4案から一般投票で決定するという方法が取られています。記憶に新しい山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」のように、そもそも名称案を一般公募するという方法でないのはなぜでしょうか。

 宇都宮市の担当者に聞いたところ、「一般公募で決まった案がすでに商標登録されたものであった」という事態を避けるため、という理由があるそうです。

 一般公募で集まった名称案から選定する場合、有力な案についてそれぞれ商標登録の出願がされていないか、照会し確認する手続きが必要となります。

 関係市町では、今回の愛称投票を含め、芳賀・宇都宮LRTのプロジェクトを「ホップ・ステップ・ジャンプ」の3段階で住民へ周知していく計画とのこと。ホップは車両のビジュアルの公開、車両を模した遊具の登場など、子供たちを含めて広く存在を知ってもらう段階、ステップで車両の愛称の発表、最後にジャンプで、完成し納入された車両のお披露目となります。

 2021年春の「ジャンプ」である車両納入を控え、愛称選定に一般公募を採用した場合、せっかく人気を集めた愛称案が「使えませんでした」という結果に終わってしまうほか、先述の商標確認などで、「ホップ」となる愛称発表に不測の時間を要してしまうおそれがあります。

 そのため、愛称決定にあたっては一般投票という形式を採用し、プロジェクト内で4つの最終案までを選定。なお案を絞り込む上で、商標登録済みのものはもちろん、「ミヤ」「ハガ」や「餃子」を含むなど、特定の地域のみ連想させる案も除外したとのことです。

 担当者は「一般の電車でもバスでもない新しい地域交通として、『LRT』に比べてより住民に親しんでもらいやすい愛称にしていきたい」と話します。LRTの車両に愛称が付けられる例としては、富山地方鉄道の「ポートラム」「セントラム」「サントラム」や、福井鉄道の「FUKURAM(フクラム)」、鹿児島市交通局の「ユートラム」、岡山電気軌道の「MOMO」などがあります。

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