ズラリ並ぶ巨大構造物 NEXCO東日本の研修施設に潜入 実物叩いて学ぶコンクリートの劣化

ズラリ並ぶ巨大構造物 NEXCO東日本の研修施設に潜入 実物叩いて学ぶコンクリートの劣化

総合技術センターの展示室(2020年12月15日、中島洋平撮影)。

NEXCO東日本の社員向け施設「総合技術センター」に進入。そこには、撤去された「道路の一部」の実物が多数展示されていました。これらボロボロになった巨大構造物こそが「生きた教材」です。

さながら博物館 VRで「橋のなか」を見る!

 NEXCO東日本が2020年12月15日(火)、東北道の岩槻IC内にある「総合技術センター」を報道陣へ公開しました。今年3月のオープン時期に予定されていたものの、新型コロナの影響で延期となり、8か月越しの実施になりました。

 総合技術センターは社員向けの研修・研究施設で、道路の点検・補修を体験的に学べるほか、各種技術開発の拠点にもなっています。既存の道路をいかに維持するかが重要となる一方で、新規の道路建設が減り、現場で技術的な知識を身につける機会が少なくなっていることから、それを補完する施設として整備されたものです。

 施設は研修設備と、研究・技術開発設備からなり、前者には高速道路の歴史や、忘れてはならない重大事故などを紹介する博物館のような展示室も備わっています。

 ここは、デジタルサイネージやタッチパネルを駆使して、体感的に理解できるようにしているとのこと。このほか、VR(ヴァーチャルリアリティ)で橋の内部に生じた損傷などを疑似的に見ることができる設備のほか、屋外には料金収受の研修を行う「料金所の実物」まで備わっています。

 なかでも圧巻なのは、一見して空港の格納庫にも似た「開発・実習棟」です。ここには、高速道路から撤去された橋の床版(しょうばん。舗装が載る道路の床板に当たる部分)を始めとした実際の道路設備や、コンクリート・舗装といった構造物のサンプルがズラリと並びます。

橋の一部をコンコン…「音が違うでしょ?」

 撤去された床版などは、一見するとボロボロの巨大構造物ですが、これらは「生きた教材」。なかにはNEXCO西日本管内から運んできたという、熊本地震で折れ曲がった九州道の橋桁や、タンカーの衝突によって壊れた関西空港連絡橋の一部も展示されています。

 実際の点検では、コンクリート構造物を手持ちのハンマーで叩いたり、指揮棒の先に金属製のローラーが付いたような「コロコロeye」と呼ばれる道具を使ったりして「音」を聞き取ります。コロコロeyeを床版の上で動かしてみると、「ほらそこ、音が違うでしょう。内部でコンクリートが劣化し、鉄筋から浮きができている箇所です」と、総合技術センター技術企画課 課長代理の寺沢直樹さんが教えてくれました。

 寺沢さんによると、この総合技術センターはNEXCO東日本関係者にとって、基礎的な土木の知識を学ぶ場とのこと。おおむね入社10年目までの技術者を育てたいといいます。

 ちなみに、これだけ立派な施設を一般公開しないのか、という質問も出ましたが、新型コロナの影響もあり、現在のところ未定だそうです。

【動画】雪対策も進化 NEXCO東の秘密基地に潜入!

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