見た目が凄きゃ中身も斬新! 2020年に発表されたハンパない「異形の旅客機」たち

見た目が凄きゃ中身も斬新! 2020年に発表されたハンパない「異形の旅客機」たち

エアバスが発表した「ゼロエミッション旅客機」のブレンデッド・ウィング・ボディデザイン(画像:エアバス)。

旅客機は経済性や効率性を重視するため、徐々に各社とも似たような形の機体に集約されつつあります。しかし近い将来、これまでのものとは大きく異なる、斬新なものが誕生するかも。2020年に出現した異形の近未来旅客機を見ていきます。

エイのような形 実は経済的なメリットも

 旅客機は多くの利用者を効率よく運ぶため、いくつも航空機メーカーがある割に、だんだんと同じようなデザインになりつつあります。ただ2020年にメーカーが発表、もしくは開発が進んだモデルのなかには、従来機とは全く異なる形状のものが見られました。しかも、開発コンセプトに関しても、いわゆる「普通の旅客機」とは大きく異なっていました。

 ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスは2020年9月、世界初となる、環境に悪影響を及ぼす廃棄物を出さない「ゼロエミッション旅客機」を発表。エネルギー源は、おもに水素を用いるもので、2035年の実用化を目指すといいます。

 ここでは、3種類の「水素旅客機」の姿が公開されました。ラインナップは、120席から200席クラスで、一般的な「ジェット旅客機」に相当する「ターボファンデザイン」、最大100席で、一般的な「ターボプロップ機」に相当する「ターボプロップデザイン」、そして、エイのようにも見える旅客機「ブレンデッド・ウィング・ボディデザイン」です。

「ブレンデッド・ウィング・ボディデザイン」は、「ターボファンデザイン」と同じコンセプトや航続距離を持ちながらも、主翼を機体と一体化させることで、水素の貯蔵や供給方法、客室レイアウトの幅広い選択を可能にするデザインとのこと。最大100席を配することができるといいます。

6発モータープロペラ機 21世紀版コンコルドも

 エアバスは、次いで12月に新たなゼロエミッション旅客機のコンセプトを発表。これは6発のプロペラが駆動する旅客機モデルであるものの、やはり一般的な「ターボプロップ機」とは、大きく性質が異なります。

 プロペラは燃料電池を用いたモーター駆動で、ポッド式構造になっています。6つの「プロペラポッド」は取り外しできる独立式で、それぞれ電動機、燃料電池、エレクトロニクスシステム、液体水素タンク、冷却システムなどを備え、別々に動くようになっています。このことにより、整備済みの新たなポッドと付け替えることが容易にできるほか、万一不具合があっても空港内において、短時間で分解や再組付けができるようになるそうです。

 一方、かつて存在した「コンコルド」を彷彿とさせる、とがった胴体にデルタ翼(三角翼)を備えた、特徴的な外観の「超音速旅客機」が再び誕生するかもしれない動きも、進んでいるようです。

 2014(平成26)年に設立されたアメリカのスタートアップ企業で、超音速旅客機を開発中のブーム・テクノロジーは10月、独自開発の超音速ジェット機の試験機「XB-1」を完成させ、披露(ロールアウト)しました。全長約22mで、ゼネラルエレクトリック社が設計したエンジン3つを、主翼下と垂直尾翼前に搭載しています。この「XB-1」の初飛行は2021年に実施予定とのこと。

 将来的にブームは、民間向けの超音速旅客機「オーバーチュアー(Overture)」を開発する予定で、2025年に型式証明の取得開始を目指しています。「オーバーチュアー」は、巡航速度マッハ2.2、座席数45席から55席というスペック。JAL(日本航空)も資本提携し、優先発注権を取得していることから、将来、「鶴丸印の超音速旅客機」が日本の空を飛ぶかもしれません。

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