観測史上1位のドカ雪も大規模立ち往生なし NEXCO東の大雪対応 何がよかった?

観測史上1位のドカ雪も大規模立ち往生なし NEXCO東の大雪対応 何がよかった?

北陸道に築かれた雪の壁。能生IC〜名立谷浜IC間。新潟県内では多量の雪の影響が長く残った(画像:NEXCO東日本)。

日本海側を中心とした大雪で、NEXCO中日本管内において大規模な車両立ち往生が発生するなか、NEXCO東日本管内では、それを防ぐことに成功しました。何が命運を分けたのでしょうか。

車両滞留発生も、短時間で解消させた

 NEXCO東日本は、2021年1月27日(水)に開催した小畠 徹社長の定例会見において、1月7日から11日にかけての日本海側における大雪の対応を振り返りました。12月には同社が管理する関越道の新潟県区間で2000台以上が巻き込まれる大規模な車両滞留(立ち往生)が発生したものの、1月の大雪においては、同様のことを防いだという内容です。

 1月の大雪では、NEXCO中日本が管理する福井県内の北陸道で約1600台、富山県内の東海北陸道で約200台が巻き込まれる車両滞留が相次いで発生し、それぞれ通行止めを解除するまで2日以上を要しています。なおNEXCO中日本は25日(月)に、車両滞留の原因と当面の対策を詳細に取りまとめて発表しています。

 一方のNEXCO東日本管内は、秋田県八峰町で1月の観測史上1位の瞬間風速(秒速42.4m)、新潟県上越市高田で観測史上1位の72時間降雪量(187cm)を記録するなど、広範囲で記録的な強風や大雪になったといいます。一時は管内最大12路線、約760kmが通行止めとなり、上信越道の上越高田IC〜上越JCT間を最後に全ての通行止めが解除されるまで、実に5日と7時間50分を要したそうです。

 そうしたなか、やはりNEXCO東日本管内でも、大雪による立ち往生から発展した車両滞留が2件、故障者や事故などによる通行止めから発展した車両滞留が12件、それぞれ発生したものの、いずれも短時間で解消できたといいます。

 そのうち最大となった滞留は、北陸道の上越IC付近における107台でしたが、ドライバーへ物資を提供しつつ、6時間で解消したとのこと。これは、雪の量があまりに多く、道路の左右に築いた雪の壁が崩れる恐れがあったことなどから、除雪作業に手間取ったためだそうです。

命運を分けた「通行止め判断」

 今回は「通行止めの判断」が、NEXCO東日本と中日本とで大きく命運を分けたポイントのひとつと言えそうです。

 NEXCO東日本は1月8日以降、新潟県内を中心に「予防的通行止め」を順次、実施しました。これは、立ち往生や事故などが発生していなくても、通行止めを行って集中的な除雪を実施することで、交通への影響を最小化するという手法です。並行する国道などの管理者と調整しつつ、管内最大5路線、約340kmの区間で実施したといいます。

 また、立ち往生の発生箇所においても、速やかに通行止めを実施し、除雪作業と車両牽引作業を早い段階で行ったことが、短時間での解消につながったそうです。

 一方、NEXCO中日本は福井県内の北陸道での車両滞留について、通行止め判断が遅れたと振り返っています。「立ち往生車両が発生したものの、移動が確認できたため、後続車は走行できると考え、通行止めを行わなかったことが渋滞の一因になった」「故障車に起因する渋滞の把握が不十分だった」「並行する国道8号が断続的に渋滞していたため、北陸道の予防的通行止めの実施を躊躇した」など複数の要因が重なったようです。

 これを受けNEXCO中日本は、今後の対応として、移動の自粛や広域迂回を呼び掛けたうえで、交通状況、降雪状況に応じて「躊躇なく並行する一般国道と同時に通行止めする」としています。情報把握と関係者間における共有のあり方、広報の仕方なども徹底的に見直される見込みです。またNEXCO東日本も、中日本が発表したこれら対応策の内容を実施していくといいます。

 ちなみに、NEXCO東日本は2019年度冬から、布製タイヤチェーンをパトロールカーに積載し、立ち往生車両の脱出用に使う取り組みを試行しています。今回の上越IC付近で立ち往生した大型車も、これを履かせて脱出させたとのことで、同社は今後、この取り組みを全面的に展開していくといいます。

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